藍上央理のレビュー一覧
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梨さんが震撼した話題作。
あなたも完璧な家族、作れます!
めっっっっちゃ怖かった…
「虎ロープの家」と呼ばれる、丁字路に建つ一軒家にまつわる話。
そこではかつて一家心中があり、生き残りの息子が次に住む家族を一家惨殺するという、とんでもない事件が起こっていました。
一家心中、一家惨殺の後に、遺体をリビングのソファに座らせて一緒に暮らしているシーンが克明に描かれていて、気持ち悪かった…
本気で完璧な家族となり一緒に住んでいるつもりの犯人が、イカれていて恐ろしかった…
また、現代パートでは、小学生と高校生の時に家を訪れた人物の取材記録が進んでいきます。
家の中に入った時に、突然温度がスッと下がる感じ -
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『読み進める程にじっとりとした気分の重さを感じ、読み手の感覚を狂わせてくる』
“人が異常になっていく姿”が描かれる作品では、‘異常になる者’と‘まだ正常性を保っている者’と2つの視点から描かれることが多いが、これはそれがないため、読み手側もどこからが登場人物に異常が起こっているのかを感じることが難しい。
本作は、北九州に現存する“とある欠陥”を抱えた家で起こる事件の話。
既に廃墟となり、入り口となる門を虎ロープで塞がれているこの家では、行方不明者が何人も出ている。
そんな家へ入った者達の行く末を描いている物語。
本の表紙から怖さ醸し出しているが、タイトルにもある『完璧な家族』という言葉、 -
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ネタバレ北九州のある住宅でかつて起きた凄惨な事件。心霊スポットとなったこの家で続出する行方不明者と心霊現象の謎を関係者の証言他から追った記録と、浮かび上がる家族の忌まわしく歪み切った肖像。
認知症になった老母の介護のため幼い息子を連れて東京から戻って来た鷹村翔太。元々10歳の時に父親の転勤で北九州へ引越してきた彼は、転校先の同級生たちにけしかけられ、近所にある気味が悪い誰も住んでいない一軒家に立ち入り、そこで世にも恐ろしい体験をする。それから21年後、再び北九州へ戻って来た鷹村は件の家がまだ残っていること、息子がその家に関心を示し「黒い人がいる」と語ること、さらには徘徊の始まった母親が夜毎息子を -
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次が気になってどんどん読み進めてしまう感じだった。原家族に何か秘密や後ろ暗いものを抱えている人ほど共鳴するものがあるような気がする。そしてあまり直視しないだけで、家族のタブーって実はほとんどの人に存在しているようにも感じる。モキュメンタリーホラーという点では、背筋さんに並ぶ面白さだなと思った。ただ、オチはあやふやというか、あまりピンと来なかったかも。何らかの事象に目をつけた作者が、自分の目的に何か真相に迫っていたということなんだと思うんだけど。だから、かなり主観的な話にも感じて、そこがモキュメンタリー風ではあるんだけども、客観的な資料を羅列していっているようで実はそうでもないのかなんなのか、み
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何て読むのだろうと思ってたけど「あいうえおうり」さんというのか!
流行りのモキュメンタリー。
形態は同じでも、話のもっていき方や落とし所が異なるだけで全然印象が違うのね。
ドキュメンタリー方式をとったフィクション、てことなら、今思ったんだけど、鬼談百景(小野不由美さん)とかも入るのかなぁ?めちゃめちゃ怖かったよなぁ。あと古くはリング(鈴木光司さん)とか…?
消してもリアルタイムで投稿されるのは「あぁもう自分の手には負えない(広いインターネットの世界に出回ってしまった)」っていう恐怖と相まって非常に怖かった。
先日読んだゆうずどの結末(滝川さりさん)も然り、角川ホラー文庫がフィクションをリア -
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これぞジャパニーズホラーという不気味さ満載の作品。
幼少期から囚われていた系と思いきやもっと根は深いのね、うんうん。みたいな。
ジャパニーズホラーというジャンルは、民族学が多大に影響している作品が多い印象ですが(それ故の不気味さがあると思っている)これもそれ。
ミステリーと違って、ホラーなので完全解決はしないで終わるのですがそれがまた良し。
怖さ度はそれほどないので、耐性ない人でも読めると思う。
ここからネタバレ含む疑問点ですが。
そもそもアレは何故完璧な家族を作りたかったんだろ?アレに憑かれたから完璧な家族を作りたくなったのか、完璧な家族を作りたいと思っている心 -
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静かな恐怖が心にガツンとくる。
血みどろのホラーじゃない。けど、「完璧な家族って何?」って疑問が、ページをバンバン捲らせた。
最初は洗脳の話かと思った。人の心を操る策略の小説かと。
だが、こいつはちゃんとしたホラーだった。モキュメンタリーの偽りのリアルが、まるで夜中に聞こえる誰かの足音みたい。
普段、モキュメンタリーは避ける俺だけど、この物語は読みやすく、するっと心に絡みついた。
ただ、独身男としては、この本読んで、結婚とか家族への憧れがますます遠ざかった気がする。
完璧な家族。その言葉、今の俺にとって、頭の中で色んな意味で不気味にざわつく。