エド・ヨンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本は間違いなく僕の今年読んだ面白い本ベスト5に入る。とっても面白い。動物の知られざる能力、人間を超越した素晴らしい能力に圧倒される。
サメやカモノハシは微かな電場も感じとれる。コマドリやウミガメは磁場を感知できる。アシカやアザラシは目には見えなくても魚が泳いだ痕跡を追求できる。クモは飛び回るハエが生み出す気流を感じ取っている。げっ歯類やハチドリは超音波を発する。ガラガラヘビは赤外線が見える。鳥やミツバチは紫外線が見える…
動物が生きる環世界は人間の環世界とは大きく異なっている可能性がある。
すべてを感知できる動物はいないし、すべてを感知する必要のある動物もいない。だからこそ、すべての動物 -
Posted by ブクログ
嗅覚 タンパク質が嗅覚センサー
匂いは残留し、先に漂う
フェロモン=同じ種の個体間でメッセージを伝える化学的シグナル
味 :もって生まれた再帰的な性質 五味
匂い:経験と関連付けるまで何の意味も持たない
犬 息とは別の通路から人の2倍の嗅上皮と数10倍のニューロン
蛇 二股の舌でステレオ式に化学物質を収集する 餌を味わない
ナマズ 全身に味蕾 猫も甘いものに反応しない
視覚 オプシン:光を吸収する分子を捕まえるタンパク質
どこが良く見えるか どこを見ているか
見回すのは限られた視野しか持たない人間やハエトリグモだけの行為
家畜は水平方向を見渡せるが上下の視野は -
Posted by ブクログ
動物の感覚、環世界についてのガイドブックという感じの本。
一般に感覚というのは、五感という形でまるめられているが、これはあくまで人間の主観からなるものであるということを丁寧に実例をあげて紹介と解説をしている。2025年3月発行で、訳者のあとがきが2025年1月とあるから情報としてかなりフレッシュな内容だとわかる。本文には、通説が否定されていたり、通説の裏付けが説明されていたりして、かなりエキサイティングで面白い。600ページを超えるボリュームだが、そのうちの100ページは引用や参考文献の紹介なので、あまり怯まないでも大丈夫だと思う。差し挟まれる注釈も洒脱で面白く楽しい本だ。時間を作って読み返す