山崎洋子のレビュー一覧
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1920年代にヨーロッパに渡り、破天荒なその日暮らしをした武林文子(実在)の小説。いやはや、すごい人がいたものだ。
文子は、子ども3人を残して家を出、中国に渡り奔放に暮らし、日本に戻ると作家希望のインテリ、武林と協議結婚をしてパリに移り住む。この本は主に文子のヨーロッパでの暮らしを描いている。
パリに渡り、すぐに女の子が生まれる。夫婦で大切に育てるが、旦那がいかんせんヒモで自分で稼ぐ気がないため、文子が日銭を稼ぐべく着物でなんちゃって踊りでショーを渡り歩く。
文子は美貌を活かし、様々な男たちに経済的援助を受け、夫の無想庵も容認せざるを得ない。とにかく次から次へとお金になりそうなことなら何でも手 -
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人魚などの怪異がテーマの作品は好きです。
たまたまタイトルを目にしたので、
試しに読んでみました。
海外のシーンが多く出ていて、ちょっと
旅行した気分!(ずっと家に居ました。)
もう一度読み返すなら、序盤の、
人魚を食べた経緯が書かれている
「『話』を売る女」は好きです。
「食べる」付近で描写がふんわりしたな〜
とは思ったし、ラストシーンも薄々予想が
できてしまった流れが少し残念ではあったけど
中盤のホラー要素や推理要素には
どんどん引き込まれました!
終盤に向かうにつれ、気味悪い愛の形が
浮き彫りになるので、人によっては読む事が
しんどくなるかもしれないです。 -
Posted by ブクログ
著者は横浜在住の作家。生まれは京都府だが、成人して後、横浜に住み、横浜を舞台にした小説(『花園の迷宮』)で江戸川乱歩賞をとっている。横浜を描くノンフィクションの著作(『天使はブルースを歌う』)もある。
本作は、戦後の横浜の光と影を追うノンフィクション。
港、ヨコハマ。
外国の人や文化が多く流入し、華やかな顔もある反面、その反動のように、陰もある。
横浜では維新の頃から外国人への遊女の斡旋があった。
敗戦後には特殊慰安施設協会(RAA:Recreation & Amusement Association)の施設が横浜にも設けられた。名前からはいささかわかりにくいが、「占領軍から善良な -
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最初は幻想的な話なのかなと予想しました。だけど読み進めるうちに、女の話、血の話、家族の話、呪いの話……顔を変えて読者の前に現れるこの本。私は心底嫌な気持ちになり、不安になり、憎悪を感じました。それでも、私はこういうの好きなのでページを捲る手は止まりませんでした。全くいい刺激です。とくに『話』の所は面白かったです。
"私は日本を追われるようにして当てのない旅に出た。着いた先はポルトガル・リスボン。そこで私は人魚の肉を食べたせいで25歳のまま125歳生き続けている女性と出会う。彼女から話を買うのだが、この女どこか変だ。神出鬼没で付きまとい訳がわからない。蝕まれていくように私は壊されていく。彼女は