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彼女たちは、どこへ消えたのか? 戦後、日本人女性と米兵の間に生まれた子どもたち、経済成長の陰で地を這うように生きた「女たち」はその後どんな運命をたどったのか。 敗戦直後から現在の横浜、北海道、そしてタイを舞台に、声なき者たちのブルースに耳を澄ませる。 華やかな横浜の裏の歴史を描き出すノンフィクション、20年の時を経てついに完結!
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Posted by ブクログ
そういえば島村ジョーもハーフの孤児院育ちで、少年院だか鑑別所だかを脱走して~云々じゃなかったっけか。年代的にはGIベイビーじゃないのかもしれないけど、でも多分なんか意識下にあったんだろうなあ・・・なんて気がする。何時だって割を食うのは女性だったり子供なんだよな。
この書はまず「天使はブルースを歌う」を読んでからが良いと思う。 なんとなく知っているようで実は全く解っていなかった現実と過去のルポルタージュです。 第二次世界大戦をやっと地続きに捉えられるようになってきた気がします。 若い人に強くおすすめしたい。
著者は横浜在住の作家。生まれは京都府だが、成人して後、横浜に住み、横浜を舞台にした小説(『花園の迷宮』)で江戸川乱歩賞をとっている。横浜を描くノンフィクションの著作(『天使はブルースを歌う』)もある。 本作は、戦後の横浜の光と影を追うノンフィクション。 港、ヨコハマ。 外国の人や文化が多く流入し...続きを読む、華やかな顔もある反面、その反動のように、陰もある。 横浜では維新の頃から外国人への遊女の斡旋があった。 敗戦後には特殊慰安施設協会(RAA:Recreation & Amusement Association)の施設が横浜にも設けられた。名前からはいささかわかりにくいが、「占領軍から善良な婦女子の貞操を護るため」、つまり占領軍兵の性のはけ口をあてがうための施設である。 男女の交流があれば、ときには子供が生まれる。だが、そうして生まれた子供たちは、当然、見た目も違う。「混血」と呼ばれ、ひどい差別に遭うこともある。それ以前に、水子とされてしまった例も多いという。 一方で、こうした混血児たちの支援に力を尽くした人もいた。 時代が下り、「ハーフ・ブーム」に乗って、恵まれた容姿や芸術的才能を武器にして、華やかな青春を謳歌したものもいた。 港に集まってきたものは、アメリカ人兵士ばかりではない。 横浜は日本で最大級の中華街を擁する街でもある。韓国系・北朝鮮系の人も多い。 繁華街の暗闇には、麻薬取引や売春もはびこる。 かつて黄金町に存在した「ちょんの間」には、女性1人では近づきにくい雰囲気があったというが、著者はこうしたところで働く女性たちにも取材している。 この地は、かつてヒロポンと呼ばれた覚醒剤のメッカでもあった。ここを流れる大岡川には、使い古しの注射器が投げ捨てられるばかりか、ふらふらになった中毒者が落ちてくることすらあったという。 GIベビーたちが密かに埋葬されたという根岸外国人墓地。 三菱財閥出身の篤志家で、混血児たちのための養護施設を作った澤田美喜。 故国での争いの余波で、台湾派と大陸派に分裂したが、また1つになろうとしている中華街。 「ちょんの間」の老娼婦。そしてヒロポンのかつての売人。 著者はさまざまな地を訪れ、さまざまな人に話を聞く。 その中から立ち上がってくる横浜の複雑な横顔。 光がまばゆければまばゆいほど、闇もまた深い。 魔を秘めた港・ヨコハマのポートレートである。
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女たちのアンダーグラウンド――戦後横浜の光と闇
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山崎洋子
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