須藤アンナのレビュー一覧

  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    思春期ならでは閉塞感、危うさなどその微妙な心理状況を文章でここまで表現することができる言葉の巧みさに驚いた作品でした。良い意味で現代の小説ならではのフレッシュさも持ちつつ、新人とは思えない書きっぷりに脱帽します。
    特に面白いなと思った部分は、登場人物は同じなのに一章ごとに登場人物が変わったような、シリーズ物の小説を連続して読んでいる気分になれる、文章のだらけが感じられない読み応えのある所が素晴らしいなと思った。
    余談ですが、本のカバーを外して読んで欲しいなと思いました。装丁まで物語の一部、実際の本でないと味わえない良さを改めて感じました。

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    2026年05月05日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    好きな小説だった。

    誰しもが持っているような灰色の部分に対して、人それぞれの向き合い方がある。
    灰色であることを認知すること。
    彩りを加えたいと踏み出すこと。

    下記はややネタバレのような感想。
    ナタリーと日々を過ごすなかで
    自身の過去を受け止め、
    その延長線としての未来に希望を見出していく。

    作中に出てくる「おやすみ(good night)」と
    ソフィアは夜が嫌いだったことの繋がりを考えると
    タイトルにもどこか浸るものを感じる。

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    2026年05月05日
  • 超 すしってる

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    ネタバレ

    面白かった〜!ストーリーは西東京すし養成大学ですし化を目指すっていう破茶滅茶でネタ的な設定なのにめちゃくちゃ深い。
    主人公たちの、モラトリアム期のうじうじ・ごちゃごちゃ・モヤモヤした気持ちや、うまくいっている人に嫉妬してしまう行動に「わかる〜!」と一緒に苦くなって。その霧が晴れ前向きになっていく西東京すし養成大学の最終試験前後を「がんばれ〜!」と応援して。最後、大人に、社会に、将来に向かう心持ちになった主人公たちの姿に心晴れやかになった。
    最後まで読むと、タイトルの「超すしってる」に納得笑

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    2026年01月17日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    本や映画ではあまり泣かないのだが、涙が出た。子どもにとってはどんな親でも親がすべて。臨床心理の現場で出会う子どもたちのことが思い出された。そう、悲惨な状況から自分で抜け出すことはとても難しいのだ、自分は無力だと思い込まされているから。寄り添ってくれる友達や大人がいれば、すこしずつ自分を信頼出来るようになる。救われるストーリー。DVの被害者のお母さん、逃げる時に子どもを置いていかないでください。

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    2026年01月13日
  • 超 すしってる

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    ネタバレ

    不条理は細分化、「わかる人にはわかる」が進んだ時代の後、「誰もわからないけどなんかわかる」というふうにボディ側に行き着いてしまうものだろう。つまり360°地点。反体制の風刺画のようだ。

    とにかく、世界がゲームチェンジして、生まれるものも変わってくる。21世紀生まれはどんなものを作っていくのか。言葉から言葉が生まれているようにも読めるのだけど、その時代の次の段階に抜け出した小説のように思えた。

    でも学長も、ロスジェネあたりなのだろうなぁ。同時に発展段階の生成AIだ。

    追記

    ロスジェネ世代を中心に、こうすれば生き心地を得られると思って取り組む自己啓発。または現実召喚困難なネット言説。それを

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    2025年12月27日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    凄く考えさせられる。親子や家族だけでなく親戚、会社、学校、国家、社会、、、多かれ少なかれみんなに当てはまるとこあると思う。

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    2025年10月16日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    書店で題名と素敵な表紙に惹かれて手に取りました。

    主人公のソフィアのが住む町のモットーは「壊れていないなら直すな」
    余計なことをすれば話がややこしくなるだけと、見て見ぬが教育方針の大人たち。
    支配的な父、見て見ぬふりをする兄と暮らすソフィアには町が灰色に映っていた。

    十三歳の夏、向かいの家にナタリー・クローバーが越してくる。
    ソフィアは町長から見張りを頼まれる。
    ナタリー・クローバーが町の地図を作ると言い出す。
    ナタリー・クローバーの地図作りに協力していくうちに、ソフィア自身がしたいことに気がつき旅立っていく物語です。

    言葉選びが個性的だと思いました。
    例えば、時間がたつのが遅いと感じた

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    2025年09月07日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    今自分が置かれている箱以外にも色んな素敵な世界があると教えてもらった。仕事が辛い時とか、逃げてもいいんだよってそっと背中を押してくれる、そんな素敵な本だった。

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    2025年06月16日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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     まず、冒頭部分の抜粋です。 
     「子供は誰だっていつだって、親にとって一番の自慢でありたいと願う。だって、親は世界のすべてだから。もし期待に沿えなかったら、鏡を見ながら、自分で自分のおでこに、「ダメな子」と泣きながら書かないといけない。~中略~ 子供は何歳になっても親の子供で、自分が粉々に砕け散ってしまうのを覚悟で暴走しない限り、レールから外れることはできない。つまり、わたしたちは生まれを選べないだけでなく、生き方さえもほとんど選べない。~中略~ 十三歳のわたしにとって、世界は霧の町、チェリータウンだけだった。町のモットーは、「壊れていないなら直すな」。 余計なことをすれば話がややこしくなる

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    2025年05月20日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    13歳の少女の閉鎖的な町で生まれ育ってそこで出会った一週間しか記憶が持たない少女との出会いでひと夏を過ごすうちに成長し箱の中と表現した町を出ていくまでの話でこの先幸せになって欲しいと願わずにはいられないぐらいの素直で優しく思慮深い少女だった。
    純粋になれた気がする。

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    2025年05月19日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    うんざりするほど、子どもを傷つける大人たち。そんななかで、友だちとの、本当に、ほんとうに、かけがえのない時間に救われていく。そして、少し切なく、少し爽やかな、読後感が得られる物語。

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    2025年12月07日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    保守的で衰退する町で父親の虐待から逃れる術を知らない主人公。隣に現れたナタリーとの友情が彼女に変化をもたらす。という有り体の説明では描けないぐいぐい読者を惹きつけるドラマだった。おもしろい。

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    2025年04月11日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    ネタバレ

    初めての作家さんの小説でした。作者の須藤さんは、私と同年代ということでたいへん驚きました。

    ①互いを支え合えるような友だちの大切さを知りました。
    私自身、人付き合いが得意な方ではないのですが、本作を読んで、ナタリーとソフィアのようなそんな唯一無二の友人がほしいなと思いました。

    ②ナタリーを見て、周りに囚われることなく、『自由に生きる』ということの大切さを学びました。
    私も、自分のなりたい自分に生まれ変われるように、少しずつ努力をしていこうと思える。
    本作は、読んで明日からの毎日を生きるための勇気を教えもらえるような大切にしたいと1冊でした。

    また、夏に読んでみたい1冊です!
    今後の須藤さ

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    2025年03月30日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    村山由佳、荻原浩、朝井リョウなど、名だたる作家が受賞している小説すばる新人賞受賞作。

    霧が立ち込める町チェリータウンに住む13歳のソフィアは、酒場を営む父親の暴力に支配され、母親は5年前に家を出、兄は父親からいないも同然の扱いを受けている。そんな彼女の隣家に1週間ごとに記憶が無くなるという風変わりな少女ナタリーがやって来る。ナタリーとの出会いで、ソフィアは少しずつ自分の本当の気持ちに気づき始め…。

    架空の町で異国の物語設定だからか、ソフィアだけでなく、ナタリーの不幸な生い立ちもすんなりと受け入れられた気がする。これを今の日本を舞台にしたら、もっともっと重くて辛かったと思う。

    新人さんだけ

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    2025年03月22日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    互いを支え合える友達、無条件に隣にいてくれる友達ってほんとすてき。
    いつかどこかでまた、二人が出会ってほしい。

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    2025年03月19日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    悲惨な状況であるのに,健気で力強く,壊れそうな父親とのわずかな繋がりにしがみついて生き延びるソフィアと隣の家にやってきた1週間しか記憶の持たない少女ナタリー・クローバー.巡り会った二人の友情の奇跡にまたリズム感のある文体にやられました.

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    2025年03月17日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    霧に覆われた町、チェリータウン
    壊れていないなら直すな、がモットー
    ソフィアとナタリーの関係性はとても純粋なものだった
    どちらも孤独で、どちらも誰かを必要としてて、その二人の心が通い合っていく様がとても良かった
    家族というものはとてもやっかい
    子どものうちは、自分の家族しか知らないから、それが他とは違うことがわからない
    結びつきが強いからこそ、壊れていることに気がつけなかったりする

    そう、子供は誰だっていつだって、親にとって一番の自慢でありたい

    絶望を味わい、感情を抑え込んで自分の心の痛みに気がつけない
    それを、友達が救ってくれる
    家族の外側の人の存在は、とても大切だと思う

    たとえ一週間

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    2026年04月24日
  • 超 すしってる

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    ネタバレ

    すき。こんなの初めて感のある物語。
    『脱!人間──すし化へのススメ』という感じ。
    内容は、子供と大人の狭間ともいえる高3の3月を過ごす4人の女子たちの友情物語。

    夢みたいな数週間。でも濃い講義だった。
    シャリ化の心地よさを味わってみたいな。
    人間として生きるのはものすごく大変だし、能力主義はうんざりだし、努力が実を結ぶとは限らない残酷な世界だけど、このすしってる4人でなら、なんとかやれそうな気がするよね。それも生存戦略。

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    2026年02月09日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    第37回小説すばる新人賞受賞作。
    なんか変わった設定です。場所も時代も明示されていいませんが、雰囲気からして舞台は70~80年代のアメリカ南部の閉鎖的な小さな町でしょう。主人公は父親の抑圧的支配(&暴力)を受ける13歳の女の子のソフィア。母親は子どもを置いて逃げ出し、父親と合わない兄が一人と言う家族。
    夏休み、そんなソフィアの前の家に現れたのがナタリ―・クローバー。ナタリ―は『博士の愛した数式』の前向性健忘の博士に似て、1週間おきに記憶がリセットされ別人格になる。彼女は毎週月曜日にそれまでの日記を読み返し「初めまして」とソフィアの家に現れる。そんな破天荒なナタリ―と付き合ううちにソフィアは・・

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    2025年08月19日
  • グッナイ・ナタリー・クローバー

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    『当然だけど、わたしはいつも独りぼっち。だから、橋を見る。町の端っこにある、ささくれの目立ったベンチに座って、霧ににじんだ橋の影をにらむ。町では日中、どこからか汚い言葉やヒソヒソ声が湧いているのに、そこだけはいつも静か』―『第一週 お向かいのナタリー・クローバー』

    出会い頭に読んでしまう本というものが偶にはあるけれど、残りの読書時間(もっと無駄にしている時間を節約すれば増やすこともできるとは思うけれど、なかなかね)を考えると余り考えもせずに読む本を選んでしまうことは本来避けるべきなのかも知れない。とは言え世の中に出回る読むべき本を全て読める訳もなく、結局のところ一期一会ということなのだろう。

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    2025年08月07日