あらすじ
○幾原邦彦(アニメ監督 代表作『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』など)激賞!
きっと何者にもなれないモラトリアムたちの明日はどっちだ?
これは僕たちの生きる世界と、その生存戦略についての物語だ。
スシが僕たちのことなら、スタンドバイミーは、ここから始まる。
モラトリアムは電気マグロの夢を見るか?
――「すし」になりたい、さもなくば何にもなりたくない。
時は2020年3月。
東大に落ちた女子高生・サッチャーの元に届いたのは、「西東京すし養成大学」の合格通知。
藁にもすがる思いで赴いた怪しい説明会には、同じく合格通知を受け取った親友3人の姿が。
入学オリエンテーション「シャリ化」の洗礼を受けた4人の少女達は、
すし大学の講義を受けるうちに、水中呼吸を会得したり、
手の平からワサビが出るようになったり、だんだんと「人間離れ」をしていく。
未来にも社会にも背を向けて、負け犬になりたくないから「すし」になる。
――でも、本当にそれでいいの?
大人と子供の狭間でもがく少女たちが選ぶ未来とは。
異色の不条理青春ラプソディ、爆誕!
【目 次】
1 オリエンテーション:シャリ
2 実技試験:ネタ
3 中間試験:ガリ
4 プレゼン課題:サビ
5 最終試験:握り
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
不条理は細分化、「わかる人にはわかる」が進んだ時代の後、「誰もわからないけどなんかわかる」というふうにボディ側に行き着いてしまうものだろう。つまり360°地点。反体制の風刺画のようだ。
とにかく、世界がゲームチェンジして、生まれるものも変わってくる。21世紀生まれはどんなものを作っていくのか。言葉から言葉が生まれているようにも読めるのだけど、その時代の次の段階に抜け出した小説のように思えた。
でも学長も、ロスジェネあたりなのだろうなぁ。同時に発展段階の生成AIだ。
追記
ロスジェネ世代を中心に、こうすれば生き心地を得られると思って取り組む自己啓発。または現実召喚困難なネット言説。それを跳ね返して、人間でいることを選んだ21世紀生まれ、とも読める。学長は、まあ、自己啓発ビジネスをしているポジションか、口の上手いAIさん、要はディープフェイク。そう考えると「マトリックス」のようでもある。
ただ僕がいいたいのは善悪や問題ではなく、時代変化だ。その時代はそういう時代だからそう生きることになっただけのことだ。60年代の若者の大暴れもそうだし、80年代のコピーライターやギョーカイ人もそう。そういう時代だったからそうすることになっただけだ。
もし過去からのその態度が嫌なら、距離をとって態度を明確にするだけのこと。自分の空間を生きようとした方がいい。これからくるAI化もそうだ。
とにかくこの本から感じることは、これからの時代の生き方が変わるだろうという予感。
SNSなどを通じて、どうも21世紀生まれは何かが違うと感じていた。95年代生まれと00年代生まれで、時間差以上の違いを感じていた。それは社会経験の差かもしれないと思っていたが、どうやらそれだけではない気分が増していく。
20世紀生まれはビジネスブーマー:ロスジェネメンターを支持しやすい。21世紀生まれは比較的に、自分の言葉を持っているように感じる。
それは、言葉の中で言葉を作っているような、僕にとっては閉じ込められているような閉塞感を感じるものだが、それにしても世代間の違いをそこに感じる。しかも5年かそこらの違いで。
なんにしてもつまり360°まわってきたのかなと。次のタームが表面化してきてこの小説が初期の表現になるのだとしたら、僕からみて大きな存在になるし、上の世代が(サブ)カルチュラルスタディーズを続けるのであれば、扱われてもいいようなものだろう。