金山泰志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「歴史はなんの役にもたたない」とよく言われるが、その実、役にたちすぎてしまうことがある。本書を通して語られるのはその好例だと思う。「プロパガンダ」といえばそれまでかもしれないが、やはりそれ以前の問題として歴史が関わることは避けられず、自らがつくりだした歴史からまた新たな歴史を生み出してしまうという悪循環的な状況が、中国・中国人を嫌悪させたといえよう。
コロナによるパンデミックの際にも、中国・中国人に対して根拠のない嫌悪が飛び交っていた記憶がある。わたしたちが普段目にしているメディアも、こうした考察の材料たりえるわけで、今後はそういったものを相対化して捉えようと心がけるきっかけとなる一冊。意外な