増永菜生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カフェの世界史
カフェが侃侃諤諤の議論の場になることで、カフェがなければ、フランス革命も起こり得なかったと言うのは、言い過ぎかなと思いましたけど、コーヒーやカフェのない世界もやはり考えにくい。
フランスのクロワッサンのルーツがオスマントルコとの戦いにルーツがあるという話も興味深いです。
イタリアで、発想を得たスタバが、イタリアでなかなか受け入れられないというのは、面白いなと思いました。それだけ、エスプレッソやコーヒーに拘りがあるということでしょうか。
イタリアでは、1.5ユーロで、気軽にエスプレッソが飲める値段設定。カウンターとテーブル席で値段が異なるのは、同じ飲み物でも、面白いと感じました。 -
Posted by ブクログ
本書の冒頭で川北稔さんの『砂糖の世界史』が出てくる。
自分も1年くらい前にこの本を読んで、とても楽しかったのを覚えている。
モノから世界史を見るというコンセプトは本書も同じ。
著者はイタリア史を専門とする、まだ若い研究者のようだ。
大航海時代、コーヒーがヨーロッパに渡ったところから説き起こし、産業革命、市民革命の時代を経て、喫茶文化として根付いていくところを追っていく。
第一次世界大戦下では、コーヒー豆の流通に影響を与える。
ヨーロッパが戦場となることで行き場を失ったコーヒー豆を安く買い取ったアメリカが北欧で売りさばいて巨利を手にしたり、戦後世界恐慌時のコーヒー消費量激減に直面したブラジル政 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと気になっており、本屋でばったり会ったため読むにいたる。コーヒーやカフェ、お菓子の歴史が当時の社会状況と共に書かれている。著者がイタリア史専門ということで、歴史的な背景に関する記述がものすごく細かく、逆にカフェの話の方が少し抽象的なような気がした。世界史好きにはおすすめ。
1番読んでよかったと思ったのはカフェの成り立ちと機能について知れたこと。カフェの前身であるコーヒーハウスはイギリスで誕生した。当時はコーヒーを楽しみつつ談笑ができる場として店を開いたらしいが、実際はただの飲食の場ではなく、政治や文学・哲学などの議論が熱く交わされていたとのこと。この場ができたことにより政府は「世論」が大き -
Posted by ブクログ
カフェの世界史と題されてはいるが、どちらかといえば世界史を辿るなかでカフェやコーヒーの文化に寄り道するような構成になっている。
あとがきを読むと、カフェを入り口にして歴史学への興味を持ってもらいたいという思いを込めて本書を書いたそうなので、世界史が主、カフェが従となるような形になるのは当然なのかもしれない。
世界史の記述は高校生レベルのものなので、目新しく感じることは少ないと思う。ただ、コーヒーやカフェに関しては知らないことも多かったのでおもしろい部分も多かった。イタリアのバール文化をモデルにしているスターバックスが、イタリアではなかなか受け入れられなかった話などは良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
【現代人が知る歴史はほんの数ページだけ?】
カフェと一言に纏めるには歴史を紐解くとかなり長い歴史がそこにはあった。
難解な歴史を読みやすく書き綴った本書は歴史が苦手なあなたでも読み進めることができる。
これを読むと"カフェ休憩の味わい方も変わる"かもしれない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ想定よりかなり分厚い本だったので手に取ったとき驚いたのだが、読んでみて納得。
カフェの歴史についてのみ記した訳ではなく、ヨーロッパ史、ロシア史を解説した上でカフェの話をしているので、そりゃ話も長くなるわなという。
確かに背景の歴史が分かった上でカフェの歴史を読まないと理解しづらい部分はあるが、本題に入るまでが長いのが難点。
カフェの歴史を知りたいのに世界史の授業が延々続くので、途中で投げ出す人が増えそうである。
カフェの話がしたいのか、世界史の話がしたいのか、読んだ印象としては後者である。
特に第一次世界大戦に入るまでの前半は、その傾向が強いように思う。
事実、あとがきに「カフェを入口に歴史学