児玉和俊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ実在するカチモードという、曰く付きの物件を調査する会社の代表の方が、これまでに経験された数々の物件(と、それを取り巻く人々)についてをまとめられた本作、興味深く読ませてもらいました。
不動産会社の営業の方、管理業務担当の方って、少なからずこういう体験をされてるんだろうか…
病院に勤務していた頃、変な体験をしたことは何回もあったけど、変さのレベルが全然違った…
単独で「それ」と分かってる場所に乗り込んで行く度胸が凄い。
不動産の価値を落とさないために立ち上げた会社なのに、深層の一歩手前で依頼主から「これ以上の調査はお断り」と断られる場面があり、著者の児玉さんと共に読んでるこちら側もモヤッとしたものを残して終わりというパターンがいくつもあって。
これって、あれかな、依頼主が怪異の影響を受けてしまってるということなのかな…って思ってみたり。。
マンションの地下室をワンちゃんのブリーダーさんに貸されたお話が、読んでて辛かったです。
この子達をなんで残して行ったんだろ(泣)
物言えぬ子(にゃんこ)が我が家にもいるので、私たち家族がどうこうなった時にうちの子が道連れにならないようにしないといけないなって、お話とは無関係だけど、ちょっとね、改めて思いました。 -
購入済み
なぜオバケ調査を立ち上げたのか
前半はオバケ調査の会社を立ち上げた理由、それに至るまでの筆者の社会人としての経験や出会い、考え方が書かれている本です。
後半は会社を立ち上げてからの話です。
不思議な話・怖い話はやや少なめですが、オバケ調査に至るまでの具体的な背景や筆者の事を知りたい人にはオススメです。
筆者は氷河期の終わり頃の世代。それを踏まえて読むと筆者の精神的なタフさや機知を強く感じます。
また、厳しい状況にいながら相手を攻撃せずむしろ思いやる、独立するときもお世話になった人と競合せずに共存することを考える、という所に人としての大きさも感じました。
個人的には 例のお札の部屋に招かれたとき、鍵を壊して開ける前日に会社の中であった上司らとのやりとりの場面と 上司の言葉が非常に興味深かったです。
不動産業界に縁のない身としては こんな事があるのか、とオーナーさん目線を学ぶこともできました。 -
Posted by ブクログ
事故物件。
不動産取引される物件で、建物内で不審死が発生したもののことだ。こういった物件には心理的瑕疵があるため、買い手や借り手に対する告知が義務づけられた。
だが、それらの物件の中には心理的瑕疵で済まないような怪異現象が起きているものがあるという。
これは、不動産管理会社の営業マンとして数々の事故物件を内見し、日本で初めて “ オバケ調査 ” を行う会社を起業した児玉和俊氏による実録集である。
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噂でしか知らなかった「不思議な部屋」。
そんな物件に実際に出会ったのは、2008年7月末のことでした。
とあるマンションの1室での出来事なのですが、この経験が、のちにカチモードを起業する大きな契機になりました。
それは、私が賃貸物件の管理会社に転職して約1年が経った頃のことです。
私は、何人ものオーナー宅を訪問して営業活動をするほか、不動産売買会社にも頻繁に出入りしてビジネスに繋がる提案をしていました。そんな縁で懇意にしている会社から、購入した中古物件を見て欲しいと話があったのです。
その物件は、JR新宿駅から電車で20分ほどのところにある築15年の賃貸マンションでした。
マンションは3階建て鉄骨造りで1Kが9室とこじんまりした物件です。現在 102号室と 202号室が空室で内覧可。鍵はキーボックスにあるとのことなので、さっそく見に行くことにしました。
該当の2部屋はリフォーム済みで快適そうですし、共用部分も問題なさそうです。点検後、ついでに3階の様子も見ておこうと階段を上がりました。
聞いた話では3部屋とも埋まっているはずですが、真ん中の 302号室には人が住んでいる気配がありません。電気と水道も止められている様子です。
キーボックスを見ると鍵があったので空室だと思い入ってみたところ……。( 第1話「御札の部屋」) ※ 全17話と「はじめに」及び「おわりに」からなる。
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※これは、フィクションではありません。
という【注意】書きがあるように、著者の児玉和俊さんの調査体験をまとめた実録作品です。
また、児玉和俊さんが経営する「オバケ調査」専門の不動産コンサルティング会社も実在しています。
フィクションであるオカルトホラー小説と違い、幽霊や妖怪が姿を現すことはありません。心霊現象は起こりますが、おどろおどろしい書き方ではなく、むしろ淡々とした文章です。
なのに読んでいてゾッとする作品でした。
リフォーム済みなのに異様な臭いがする。
誰もいないはずなのに、不審な音がしたり自分をじっと見つめるモノの気配を感じたりする。
という気味の悪い物件が存在することは確かなようで、事故物件であることを承知で入居した人でも慌てて退去してしまうのです。
また、そこまでの現象が起きてなくても、不思議に入居者が居付かない物件もよくあります。
かくして児玉さんに調査依頼が舞い込むことになります。
児玉さんは最初の 302号室での心霊体験で「ヤバいモノ」の臭いを感じ取れるようになるのですが、退魔術など身につけてはいませんし、除霊能力もありません。ただ調査するのみです。
それでも、児玉さんの調査で「問題なし」の結果がでたものについては、オーナーは事故物件として安心して(?) 賃貸に出せるということです。
問題は確かに心霊現象が起きているという結果が出た物件についてです。
当分は「開かずの間」として閉鎖するよう助言するぐらいしか、児玉さんにはできません。 ( 今は各研究機関と連携して科学的なアプローチを試みているようです。)
けれど結局、オーナーは面倒を恐れて売却してしまうということが多く、心霊現象の解決には至っていない物件はそのまま残っている、そのことが私には、とても恐ろしく感じられました。
強く印象に残ったのは、「ヤバいモノ」の気配を背後に感じたときについてです。
――「ヤバいモノ」は後ろにいるのではなく、上 ( たぶんすぐ後ろの上あたり ) にいる。――
これだけで十分怖いのですが、
――だが「本当にヤバいモノ」は上にいるのではなく……。――
とにかく気配を感じたときは決して振り返らず、ひたすら前を向いたまま走り去ろうと肝に銘じました。