松田いりののレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごい・・・。
この表現は初めての感覚。
ラップのように韻を踏み、シュルレアリスムのように現実と空想の統合を描く。
非常に尖った文章。
現代美術ならぬ現代文学という新ジャンル?なのかもしれません。
正直、作者の意図しているものを全部理解できたかどうかは自信がないです。
そんな中で、ラストは読み解けたと思います。
(ネタバレになるので、ここでは書きませんが)
ラストの描き方が何とも素晴らしいのです!
これぞ文学的シュルレアリスム。
それにしても、退屈って何なんですかね。
”退屈とは屈して退くということである。”
字のごとく。笑
退屈とは自発的退屈と外圧的退屈があると思うのだけれど、そ -
Posted by ブクログ
意味分かるような分からないような不思議な世界。
62万もするジャケットがチームリーダーにちょっと貸してくんないとばかりに奪われ、めりめりに破けて雑に繕われて返ってきたうえに、職場の周囲の人間に陰口を叩かれる主人公。だが、仕事で大失敗もしており少しは自分も悪いと思っているのか何もしない。チームリーダーや長髪らとそれなりに円満な会社生活を送っている。
もう書いてて意味分からん。笑
こんな生活、退屈どころか刺激あり過ぎで逆に退屈が恋しくなるのではと思ったが、主人公は退屈を感じている。余裕で感じている。ある意味、凄い。トイレで器用にロールペーパーを並べて横になるのも凄い。
主人公はチームリーダーに好 -
Posted by ブクログ
退屈とは、元々は仏教用語で、修行の苦難に疲れ果て、気持ちが後退し、精進の気力が萎えて屈することを表したそう。
今作で主人公は「退屈」とは屈して退くこと…と捉える。この話の恐怖は主人公が屈して退くことをしない(できない)がゆえに引き起こされるように思う。
主人公は財務まわりの部署に所属しているが、誤って取引先の会社に本来の1000倍の金額を入金してしまい、部署の中で針のむしろ状態になる。しかし、クレカで借金のある主人公は何があっても会社を辞める訳にはいかない。一方で、多大な迷惑を被ったチームリーダーだけは主人公がやらかした後も一切態度が変わらずいつも笑顔で接してくる。
チームリーダーは菩薩のよう -
Posted by ブクログ
主人公の語りが目を滑っていき、「今なんていった?」と読み返すことがしばしば。ハマる文章は面白い。
チームリーダーの狂気が怖すぎました。トイレの上からこちらを見下ろしてる光景、ヒャアッ…ってなった。誰がヤバイ奴なのか判別できなくなっていく。みんな違ってみんなヤバイ。
財務係、各々が多種多様なストレスでパンパンに膨れあがってそう。これ、もういじめですやん!と息苦しくなり、でも実際にペンペンが職場にいたら少しは溺れてしまえと苛々しながら願ってしまう気がする。或いは自分こそペンペンかもしれない。人間やめたい。
最後はもう、妄想なのかなんなのか、ジェットコースターのようにじりじり上がってきて、急降下