遅塚忠躬のレビュー一覧
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遅塚忠躬(1932~2010年)氏は、東大文学部卒、東大大学院中退、北大文学部助教授、東京都立大学人文学部教授等を経て、元東大文学部教授、お茶の水女子大学名誉教授。専門は西洋史学。
フランス革命は、世界で最も有名な市民(ブルジョワ)革命のひとつで、「自由・平等・友愛」というスローガンのもと、民衆の力で絶対君主制・封建体制を倒し、新たな近代国家体制を築くきっかけとなった一方で、独裁と恐怖政治により多くの犠牲者を出したことから、革命はフランス人にとってプラス面よりもマイナス面が大きかったと主張する人さえあり、フランスの人々の中に今も修復できない亀裂を残しているという。
本書は、そのフランス革命を、 -
Posted by ブクログ
授業でフランス革命を習ったけど、結局どんな事件だったか説明できない。そもそも、歴史を学ぶ意味ってあるの?そんな疑問に答えてくれるのが、『フランス革命―歴史における劇薬』(遅塚 忠躬) (岩波ジュニア新書)です。
フランス革命は、フランス人が新しい社会を作るために行った偉大な活動です。でも、多くの犠牲者を出した心の痛む面も持ちます。そのことを、著者は「劇薬」と表現しました。
劇薬は、飲むと効果がバツグン。でも、使いすぎると命の危なくなる薬のことです。とっても恐ろしい薬なんですが、それでも飲まなくてはいけない時がある。それがフランス革命だった……というのが本書の主張。つまり、 -
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インパク知8・5
かかった時間150分くらいか?
フランス革命について書かれたジュニア新書。気になっている「世界史との対話-70時間の歴史批評」の前書きにあったので、とりあえずそこから手をつけてみた。
フランス革命を劇薬にたとえ、その功罪を語る。一貫して誠実かつ確固たるフランス革命観をもって、比較的易しいことばで(高校生の時には読めなかったと思うが笑)包括的に説明しつつ、フランス革命に象徴される「人間の偉大と悲惨」を繰り返し強調する。
とくに後半、フランス革命の功罪つまり偉大と悲惨を、人間ほんらいがもつ避けがたいものととらえ、フランスがおかれた状況や歴史の傾向のなかで、それが国全体の熱情とし -
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ネタバレフランス革命は人間の熱情の噴出であり、社会に良き変化をもたらすとともに恐怖政治で多くのものを失わせた「劇薬」であった。
恐怖政治を推し進めたロベスピエールの論理も、それ単独で見れば悪いものではない。生存権は何より優先されること、個人の利益ではなく公共の利益を考えること。しかしそれがよいものであるために、それを正義と盲信しすぎればそれは排除につながる。自分が正義だと信じる人間はどこまでも残酷になれる、というのは昨今の自粛警察やアメリカのデモにも通じることがある気がする。ロベスピエールといえば悪の巨魁のようなイメージだったが全然そうではなく、冷徹で理想に燃える正義漢だったのかなという気がした。生存