愛野史香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生に行き詰まりを感じる美大生が、襖絵の復元模写に取り組む物語でした。
日本画についてほとんど知らなかった私にとって、描かれ方や歴史を知れる点も新鮮でした。
主人公は「何者にもなれない自分」に囚われていましたが、復元模写を通じて自分や人、そして過去の絵師と向き合っていきます。
特に、ひとつのことに没頭する感覚を「命の輪郭が輝く瞬間」と表現していたのが印象的で、最後にその感覚を得た主人公に共感し、思わず胸が熱くなりました。
模写の技法的な説明はやや難しかったですが、その分、最後に清々しく終わる展開が心地よく、美しい読後感を残してくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ音楽って本当に深くて面白いなと改めて感じた。
大夢が演奏するときのどんどんと膨らんでいく曲のイメージが目の前に広がっていき、読んでいるだけでも胸が高鳴る。その人にしか生み出せない音楽がある。答えがないからこそ、音楽は難しくて面白い。今まで音楽が作られた時代背景や作曲家の心情などについてあまり学んだことがなかったけれど、この本を読んでとても興味を持った。背景を思い描きながら聴くと、同じ音楽も全然違うように聴くことができる。
ふとした出会いが人生を変える。音楽を通して、色々な出会いが重なって、大夢の世界が広がっていく。幸せも苦しさも味わいながら、必死に努力して、時にもがきながらも、前を向いて生き -
Posted by ブクログ
面白かったけど、人には勧めないかな…
どなたかも感想に書かれていたが、日本画の難しさをそのまま伝えるからこ難しくて読みたくなくなる。
きっと最後は感動だろうな、と思い読み進むが全体的な硬さが涙を生まない。
話はとても面白く、日本画の修復作業の大変さ、模型を作ったり、その時代背景はもちろん、作者の環境や心持ちまでも考えての復元、奥が深く興味深い!
表紙は今風にてらって、タイトルも賞の時とは変えて現代風なのに文体が硬いからギャップが生じているように感じた。それが星一つ削る理由
こちらも映画化して、こ難しさを取り除いたら万人受けするかも笑
従弟の凛太郎に連れ出され、美大休学中に日本画の修復作業に -
Posted by ブクログ
隣家に住む元チェリストに師事している雨宮大夢が、初めてチェロのコンクールに挑む物語。
チェロの音色が「天使と歌う」と表現され、その演奏が物語を語るように表現されていました。
病気を抱えている先生のことと、先生の楽器のことを中心に考えていた大夢が、コンクールでの日々を過ごすうちに、他の人の演奏に感化され、チェロの楽器としての可能性に気づいたことに大きな成長を感じることが出来ました。
チェロの音色は素敵です。物語に出てくる様々な曲を聴いてみたくなりました。
〈目次〉
第一章 車椅子のヒーロー
第二章 双子のヒロイン
第三章 悪魔の復活
第四章 宣戦布告
第五章 天使