カモシダせぶんのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
名前に7があるなど七に縁持ち作家による、七つの大罪がテーマの七つの短編集(岡崎さんは作家紹介読むまで何繋がりかわかりませんでした)。大罪ネタなだけに、スカッと爽やかな話ではありません。読みごごち重視の人には向かず。でも、どの作家さんも工夫が見られて面白かったです。殺人も強姦もエロも色々出てくるので高校以上向け。
「罪の名は傲慢」中山七里
古手川や渡瀬が最後に登場します。地位のある男が立場を利用して一服盛り、女性を犯す。しかし女性はめげずにすぐに訴えるための行動を起こす。お互いの行動や立場、発言、マスコミの報道のあり方。真実は?
「手の中の果実」(怠惰)岡崎琢磨
七歳の息子、櫂は学校に行きたがら -
Posted by ブクログ
ネタバレアンソロジーのタイトル通り「七つの大罪」なので、後味悪い物もありますが、その中でもホッコリだったのが岡崎さんの「手の中の果実」
子供ながらに機転の効く子ですね。それを見破ったのもまた親ではなく子供。
登校拒否の理由が判って一安心でした。
川瀬さんの「移住クライシス」
発達障害の子の為田舎に越してきて、息子は少しずつ笑顔が増えてきた。だがそんな矢先、息子の音也は川で溺死してしまった…
音也が亡くなってからなぜかストーカーのごとく、吾妻家に嫌がらせをしていたお婆さんを疑い始める吾妻。真実はとても残酷でした。ゾッとしたラストが『憤怒』ですね… -
Posted by ブクログ
ネタバレ好きな作者が含まれいたので。
7つの大罪の中で、最後に配されていたし、
好きな作者だったのでかなり期待度が高かったが、
いや、高すぎたのか、
ミステリーというかホラーに傾きすぎていて、
せっかくの葉村晶の登場も楽しめなかった。
肉の正体に早々に気がついてしまったのも、敗因かも。
ホラーだと思っているのは個人的理由なのかもしれない。
祖師ヶ谷大蔵とか笹塚とか聖蹟桜ヶ丘とか府中とか、
知っている地名が出てきて、
野猿街道の先に闇の仕事を家業とする一族が住む「千倉地区」がある、
というのが怖いのかもしれない。
とはいえ、七つの大罪をめぐるアンソロジーで、
親子関係のほのぼのミステリーや、
突撃 -
Posted by ブクログ
一応「七」に縁のあるミステリー作家による「七つの大罪」の短編集だが、作家さん選びに苦労したのかこじ付けのような人もいる。岡崎琢磨の7月7日生まれはまあいいとして、三上幸四郎の「3+4=7」はちょっと...(笑)
それぞれの特徴が出ていて非常に面白かった。
中山七里【傲慢】は安定の面白さで流石という感じ。岡崎琢磨【怠惰】は少しほっこりする。川瀬七緒【憤怒】はちょっと背筋が凍るミステリー。七尾与史【嫉妬】は読んでいて偏執的な嫉妬に気持ちが暗くなるが作中に七尾与史が自虐ネタで出てくる。三上幸四郎【強欲】は今時のSNS時代のネタで脚本家っぽいと感じた。カモシダせぶん【色欲】はかなり毛色が変わったマニア