EMI WEBBERのレビュー一覧

  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    読み終わって
    なるほどそういう作品構造なのか‥時系列で話が進まなくてもより物語が立体的に構成されていて感心した。確かに人生まっすぐな時の流れで生活してるけれど、頭の中では、あっあの時のはこれか?とかいまさらながらあのことはどういう意味だったのだろうと、時間が過去と現在、未来、行ったりきたりしながら思考しつつ生きている。顔、性格、しぐさ、生活習慣全てに過去と本人が願う未来が錯綜し現れてる。浮遊する時間を楽しめる作品でもあった。

    0
    2025年08月28日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    初めての作家さんです。

    淡々と進んでいく日常の中で
    大きなお屋敷に住む二人の女性
    桐子さんと百合子さん姉妹の一生のお話です。
    二人は
    3歳と1歳で戦争孤児になり、
    親戚や知り合いの方々の家を転々としながら、いつか二人の家を持とう。それを目標に頑張って日々を生きていました。
    その夢を叶える背景には
    二人それぞれの人生模様もいろいろあり、いろいろな葛藤がありながらもお互いを思いやり、貫いていく信念があり、
    それぞれの形を作っていく。

    なんだか、人物像も周りの景色も素敵なお屋敷の様子も、
    ドラマや映画のワンシーンを見ているかのような、そんな気持ちに何度もなりながら読んでいました。
    私は、戦争は知らずに育ちましたが、
    ちょうど私の父や母の時代のお話で、今年は終戦80年ということもあり、
    戦争で運命も定めも変わってしまった人々がたくさんいて
    でも、生きるために懸命に頑張ったその中の
    桐子さんや百合子さんの生き方
    素敵だと思いました。

    0
    2025年08月20日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    幼い頃戦争で両親を失い、親戚の間を転々とした姉妹がいつか一緒に住むことを夢見た終の棲家。

    姉は教師となり、妹は世話になった親戚の精神薄弱な息子の妻となり20年間を別々に過ごす。
    長女であることを強いられた姉は、妹との約束を果たすべくひたすら働きひたすら蓄財に励む。
    一方の妹は障害を抱える夫との生活に小さな幸せを見出す。

    妹の夫が死に、還暦を過ぎて姉が建てた夢の一軒家に同居する二人。
    全く別の人生を送ってきた二人にとって同居が本当に幸せなのか、との問いは切実だった。
    同居した20年間に、姉を頼ってくる人々に妹は姉の教師としての人生を想い、姉を支え日々の家事をこなす妹に姉は主婦としての妹の人生を想う。

    運命のいたずらか、必然か、相前後して世を去る二人。

    市役所の地域福祉課に勤める青葉祐太郎と母千絵。
    人生の岐路に姉妹との大切な邂逅をする母子。
    そこには姉妹の人生が凝縮されていた。
    母子は言う。
    「かっこいい人だよな」「そう、すごく、かっこよかった」
    「私は百合子さんも、すごく好きだったなぁ」「こういう人が自分のおばあちゃんだったらいいのになと思ったよ」

    0
    2025年08月01日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    お屋敷に住む老女2人のお話と聞いて興味がわきました。
    その半生は生半可なものではなかったけれどそれでも自分たちの家に住むことができてよかったです。
    姉の桐子が関わったDV被害の女性の話もでてきてちょっとまさかの展開でした。
    伏線ではあったのだけれどうまく回収されてました。
    人生に「正解」なんてないと思います。生きてきたその生きざまが「正解」なんだと思います。
    姉妹がお互いに気遣って遠慮もしながらも自分を生きてきてそれでよかったのだと思います。

    0
    2026年09月25日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    誰かの決めた理想ではなく自分が選びとった理想こそ幸せだとして、他者の幸せを願えども何が他者の幸せなのか分かるはずもない。自分の選択に悩み、時に他者へのエゴではないかと迷うのも人間らしさ。願いと干渉は紙一重で、その塩梅に悩み続けるもの。

    0
    2026年07月27日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    桐子と百合子の長い記録。生涯独身で教職を勤めた桐子、戦争孤児で親戚に引き取られ最後のお家で知的障害を持つ息子と結婚した百合子。学歴と引き換えに嫁になることを要求された姉に代わり百合子が嫁ぐ。お互いがお互いを思い、やるべきことを続ける、仲がいいレベルでなく二人で一つだったのかな。豪邸に住む老姉妹の話の表紙がちいさいおうちにそっくりなのは、どういうメッセージなんだろう。おいなりさんを食べたい作りたい。

    0
    2026年07月26日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    岡本歌織さんの装丁がかわいい1冊。豪邸に住む高齢の姉妹が相次いで亡くなった。姉妹の人生をさかのぼっていくストーリー。

    0
    2026年05月15日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    老齢姉妹の桐子と百合子は、桐子が建てた立派な家に二人暮らしています。二人や二人を取り巻く人々が、身の回りに起こる出来事に対して、時に闘い、時に受容しながら、なんとか折り合いをつけて生きていく様子を語った内容だったと思います。世の中の不条理を市井の視点で語った内容とも感じました。淡々とした語り口で読みやすい印象。星3つといたしました。

    0
    2026年04月27日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    帯にはサスペンス感があるあらすじが書かれていますが、そこまで劇的な何かが起こるわけではなく、どちらかといえば表紙のようなほっこり感のある内容でした。
    美しい姉妹愛によって得た幸せもあれば、姉妹に縛られて失った幸せもあったり。
    個人的には桐子さんには老後の目標(大きな豪邸)よりもその時々での自分の幸せを優先してほしかった。百合子さんは結婚前に覚悟していたよりも穏やかな幸せを見出せていただけに少し切ない。

    読みやすくおもしろかったですが、姉妹がいない私には心に刺さるものはあまりなくすぐ忘れてしまいそうな内容です。⭐︎4に近い3です。

    百合子さんのいなり寿司、食べてみたい!

    0
    2026年03月21日
  • さいわい住むと人のいう

    Posted by ブクログ

    綺麗な表紙で読みたいと思っていたこの本
    最初、というか繋がりがあっという間に見えてしまってこれ以降楽しめるかな、と不安もありましたが、時間を遡る内容に少しずつ明らかになっていく事情

    みんな、幸せになりたかっただけ
    それを願うことは、決して悪いことじゃない
    幸せを追い求める中で絶望したり、他の何かを受け入れられなかったりもするかもしれない
    そもそもそれが幸せじゃないかもしれない

    穏やかな日々が、ただ続いて欲しかった
    それだけだったりもする
    たくさんの日々がある中で、そのどれもが間違いだった、なんて思いたくはないものですよね

    0
    2025年10月25日