楊逸のレビュー一覧

  • 時が滲む朝

    Posted by ブクログ

    「日本語を母国語としない作家として始めて芥川賞を受賞した」作品ということで、文庫になったら読みたいと思っていた小説。
    中国人自身が天安門広場から北京オリンピックまでをどう描いているのかという興味もあった。
    意外に(悪い意味ではなく)、「爽やかな」と表現してもいいような読後感だった。著者のあとがきにある『その時代とその時代を生きた私、その時代に青春を捧げた大勢の中国の無名の小人物の記念として』書かれた、まさにその通りの物語。
    熱に浮かされるかのように民主化運動にのめりこみ、挫折し、やがて仕事をもち、結婚し子供が生まれる。日常のふとした瞬間に、あんなに何かに熱くなったのは何だったんだろうと当時を振

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    2011年03月01日