上田和夫のレビュー一覧

  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    朝ドラばけばけ、楽しんでいます。

    八雲の怪談はとても切なく、そして、日本人らしく、もしくはそれ以上に日本の情緒を細やかに表現されており、とても美しいと感じました。

    0
    2025年11月26日
  • 【電子復刻】過去と現在

    Posted by ブクログ

    『「現金勘定」以外のどんなきずなをも残さなかった』

    この強烈な言葉はマルクスが資本主義の仕組みを痛烈に批判した言葉としてよく知られていますが、実はこの言葉はすでにカーライルが『過去と現在』の中で述べていた言葉だったのです。

    今回の記事ではその『過去と現在』からマルクス・エンゲルスに大きな影響を与えたであろう箇所を2つ紹介していきたいと思います。

    0
    2024年08月19日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    小泉八雲が外国人だったと最近になって知った。
    内容は日本なのに文体が訳書なところが、「外国人が日本を舞台にして作ったゲームに感じる違和感」に似て趣があるというか、独特で面白い。

    私は「茶碗の中」が特に好き。
    ミステリー的な面白さがありながら、丁度続きが気になるところで尻切れ蜻蛉…前につんのめるような感覚。茶碗の中の男が何者なのか、何が目的なのか…何も分からないまま。
    今の時代「分からなさ」を「分からなさ」のままにしておくことはあまり歓迎されず、明快であることが大きな価値基準とされている。それはそれで良いのだが、こういった「どうにも消化できない澱」というのは忘れ難く好ましい。
    電灯の届かない不

    0
    2024年08月14日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作者である小泉八雲先生が残した作品集から選び抜かれた作品がまとめられた今作。日本の19世紀の日常の生活や民族習慣、民話や伝説さらには怪談など様々なものが描かれている。
    怪談話には、聞いたこともある話がたくさんあり、そのモチーフや最初になった作品なのかな、とも思えた。
    また、「日本人の微笑」はとっても興味深い作品であった。これは、小泉八雲が感じた日本の習慣や良いところ、国民性を描いているエッセイみたいなものだった。その中で欧米の価値観である人権の意識や資本主義が導入されると日本人の伝統的な価値観が失われ、貧者への圧倒的な義務を課す社会となるだろう、と予言しており、実際にそのような社会になっている

    0
    2023年04月16日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    何度読み返しても素晴らしい。上田和夫の訳も好きだ。「影」「日本雑記」「怪談」などの短編集から選ばれた作品集である。英国人だった八雲は妻の節子から怪談話を聞き、それを英文の本にまとめた。その意味で彼は小説家ではなく翻訳家であって、ほとんどの話に出典があり、他の作家も文章に書き起こしているものも多い。有名な「耳なし芳一の話」も元ネタはあるが、似た話は西日本に多く残る昔話で柳田國男は徳島の「耳切り団一」の話を書いていた。私が好きな話は、未完で終わるが故に謎と恐怖が最高潮のままで余韻を残す「茶碗の中」と微笑む日本人の謎について語るエッセイ「日本人の微笑」でしょうか。

    0
    2021年03月10日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    怪談だけではなく、外国人から見た日本人についての考察も書かれており興味深かった。〝日本人の微笑〟を読み、現在の日本人を見て彼は何を思うだろうか?と…。

    0
    2021年03月03日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    怪談話と日本論、48の話しをまとめた1冊。

    怪談話では「耳なし芳一」、「雪女」など1度は聞いたことのある話が多数存在。
    日本論では作者の古き日本に対する鋭い考察と共に良し悪し含め、日本への深い愛情を感じられる。

    現代の日本が昔に置いてきてしまった古き日本への哀愁を掻き立てられる。

    0
    2020年10月04日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    古き良き日本を記録した八雲の業績の素晴らしさを実感した。江戸の人々は狐狸妖怪と隣り合って生きていた。そして、八百万の神々とも生きていた。前半は、不可思議な出来事に畏敬の念を抱いて語り継がれた話。有名な「耳なし芳一」が八雲によって保存されたことを再認識した。『日本人の微笑』の中で引用された鳥尾子爵の論文は、今の日本人に忘れられた、日本人のあるべき姿のような気がしてならない。編集の妙もあろう。結びの『焼津にて』は、八雲の言わんとしていることが凝縮されていたように感じた。機会を作って八雲の作品を読もうと思う。

    0
    2017年09月06日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    雪女、耳なし芳一・・・。松江に住んだラフカディオ・ハーン、馴染むまでに時間のかかる排他的な町(一旦、親しくなると家族的)で、人々が妖怪のように見えたのではないかと・・・。w

    0
    2015年11月05日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    今年読んだ本、イサム・ノグチの評伝や、『坊っちゃん』の時代シリーズなどいくつかに、ちらちらとその気配やうしろ姿を垣間見せていた小泉八雲。
    これはどうやら呼ばれているらしいぞということで、この夏の課題図書に個人的に選定し、お盆の時期を狙って読みました。

    小泉八雲には多数の著作がありますが、この本はそれらの中から数点ずつ選んで編集されたもので、前半は怪談話が、後半は日本人論が主となっています。

    怖い話がめっぽう苦手な私ですが、しかも時期が時期でしたが、これはあまり怖くはありませんでした。
    一つ一つの作品が短くて、物語のエッセンスの紹介という体であったというのが1点。
    そして、怪談にいたるまでの

    0
    2015年08月17日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    小泉八雲文学忌、八雲忌

    さてと、今年の新潮文庫の100冊に何故か
    小泉八雲集。
    きちんと分類された短編集で、久しぶり再読の短編もあり、全くの未読も多々あり。
    印象的な作品は、日本人の微笑について書かれたもの。決して、日本人の微笑を卑下することなく
    悲しみも微笑で表す繊細な状況を理解している。
    せっかくなので、再読しなくて良いように覚書多めとなりました。

    「影」1900年(明治33年)
    今昔物語や御伽百物語に題材をとる。
    ⚪︎和解(京都)
     困窮した若侍は妻を捨て、新たな妻と伝地へ向かう。やがて別れて戻ると、そこは屍の家となっていた。
    ⚪︎衝立の乙女(京都)
     恋い慕った衝立の絵の女が、現実

    0
    2025年09月26日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    【一言感想】
    曖昧なモノゴトに対して目を向けていくと
    感性が成長していく

    恐怖の裏にある日本古来の道徳観や教訓、文化、情念などが含まれる怪談に興味を持ったギリシア人から帰化して日本人となった小泉八雲氏が記録・世界に紹介したものの中の代表作を収録された一冊

    小泉八雲氏は西洋の利己的な側面が強いことを嫌っていたらしく、物質主義に傾倒しすぎると自分や他人を型に嵌めたがってしまい、感情に対しては薄情となり、道徳観や幸福感も低下してしまうと本書の中でも指摘をしていました("日本人の微笑")

    曖昧なモノゴトに対して目を向けていくことで、一つの型に当て嵌めようとはせずに、捉え方の幅

    0
    2025年09月21日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    私たちからしたらわりと当たり前な、例えば鏡に魂が宿るようなことを事細かに説明されるのが不思議な感覚。うんうん、そうだよと思いながら読み進めつつ、唐突なポンドヤード法にびびる。

    1話数ページなので読書リハビリに良かった。
    気に入った話はいくつかあるけれど、現代怪談と違って「いまいち由来や因縁がわからない」「唐突にバイオレンスをお見舞いされる」もの、または「深い情念(主にロマンチックな)から悲劇的な結末を迎えてしまう」ものが自分の好みかも。
    現代怪談は小難しくていけない。

    0
    2025年09月21日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    小泉八雲の本を読むと
    言い知れぬ女心が、殿方たちを恐れへと
    誘っていたのかな。。。
    などと、人の心の恐怖へ誘われるけど。。。

    本当は日本女性の純粋さ
    想い人を遺して先立つ哀れさ
    儚い約束を信じて旅立つ哀れさ
    その切ない念が小泉八雲を通じて
    悲しい運命の女心が切々と綴られていたのが
    なんとも心が締めつけられる思いだった。

    時代背景から心中が多かったこと。
    その理由もこの本から知ることができた。
    だから、明治以降の文豪たちの作品には
    叶わぬ恋ゆえの悲哀が多いのかな。。。

    小泉八雲さん
    日本は随分と変わりましたよ。
    現代の日本人を、どう書き残してくれるかな。。。
    どんな神々の音楽を聞くことがで

    0
    2025年09月17日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昨今のエセ日本通よりちゃんと日本をわかっている。
    角川の「怪談・奇談」とほぼ同じ。
    「怪談・奇談」は四十二編で、こちらは四十八篇。

    0
    2025年08月24日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    怪談と奇談を中心にした作品集。改版和訳がとても読み易かった。知っているつもりの話もワクワクして読めた。

    0
    2025年06月21日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    朝ドラばけばけの主役になる前に読む。怪談を集めるのが好きだったのはわかる。ろくろ首や耳なし芳一がどういうふうに英語文化圏に紹介されたのかをみれます。日本人は不思議にも思わない表情に着目した比較文化論’’日本人の微笑’’の出来が出色

    0
    2025年09月13日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    和解 京都
    衝立の女
    死骸にまたがる男 大宿直村(おおとのい)
    弁天の同情 京都 大通寺
    鮫人の恩返し 近江の国石山寺 瀬田の長橋 三井寺
    守られた約束 播磨の国加古の村 富田城
    破られた約束 
    果心居士のはなし 信長 清水寺 近江八景
    梅津忠兵衛のはなし 出羽の国横手
    漂流 焼津新屋地区 紀州の九鬼 荒坂 金毘羅さま 小川の地蔵さま
    骨董 伯耆の国黒坂村 幽霊滝
    茶碗の中 江戸本郷の白山
    常識 愛宕山
    生霊 江戸の霊岸島
    死霊 越前の国
    おかめのはなし 土佐の国 名越
    蝿のはなし 京都島原街道寺町通
    雉のはなし 尾州の国遠山の里
    忠五郎のはなし 江戸の小石川
    土地の風習 九州

    草ひばり こ

    0
    2022年12月09日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    怪談が有名な著者だけど、日本人観・日本文化観は日本人として頷けるところが多かった。
    悲しいこと、辛いことがあっても、他人にはつとめて笑って見せるその何とない仕草。
    急速に変わっていく現代でもみられるこの仕草、八雲が指摘しているような、文化や価値観、日本人の根底から根付いた反応。
    これが廃れるのは、おそらくもっと先だろう。

    0
    2022年09月01日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2016年、32冊目は、小泉八雲。主に、隙間読書で読んでいたもの。

    明治23年、39歳で来日したラフカディオ・ハーン。彼が記し、日本を欧米に紹介した作品の、音楽で言うベスト盤的もの。

    小泉八雲と言えば、「耳なし芳一」と言われるような、民話などに根ざした怪談系の前半。日本(人)の精神性、宗教感や風習、等を独自検証を交えた後半といった印象。

    近代化の中で、その後の高度成長期によって、現在では、絶滅危惧種と化した、彼の心を動かした「日本的」なもの。その復興、復活を声高に言うつもりはありません。しかし、歴史の流れを切り取ったものとして、西洋人ではなく、現代人に紹介したものと考えて読むコトも出来ま

    0
    2016年10月06日