上田和夫のレビュー一覧

  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    背筋がぞっとする作品は勿論、摩訶不思議や儚い美しさ、無情、侘、寂、道徳観まで、余韻を残す色彩豊かな48作。怪談のイメージが強かった作者でしたが良い意味で裏切られました。印象的な作品を簡単に。

    「衝立の乙女」
    一生のあいだ“無情なこと”をしない男など滅多にいない、という皮肉のきいたラスト。

    「破られた約束」
    男を愛しすぎたゆえに歪んだ怒りの矛先。凄惨な描写は恐ろしいの一言。

    「梅津忠兵衛のはなし」
    武士たるもの二言なし。約束を順守した律儀な武士に授けられた世代を越えた不思議な力。

    「常識」
    大切なのは、生きる知恵と確かな常識。IQの高さと信仰心の高さは二の次である。小気味良く効いた毒。

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    2016年07月13日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    はじめてちゃんと読んだ小泉八雲。明治の日本に骨を埋める外国人。他の作品も読みたくなる。日本人がもっと日本人らしかった面白い時代、外国人には日本人がどう見えたか。ペリーに同行した人の話とか本になってないんかな、関係ないけど読んでみたくなった。

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    2015年12月02日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    子供の頃、アンソロジーでちょっとだけ読み、
    大人になってからはグーテンベルク21でテキストファイルを購入し
    ――で、一冊ぐらいちゃんと……と思い立って買ってみた。
    複数の作品集からピックアップした選集という感じの本で、
    怪談・奇談の他、日本文化に関する随想を収録。
    なかなかの読み応え。
    日本人男女の心中(lovers' suicide)に
    強い関心を抱いていたらしいことが興味深い。

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    2023年06月24日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    短編集なので、合間合間に読みやすかったです。
    "耳なし芳一"以外、詳しく知らなかったし、少し解釈しにくい部分もあったけど全体的に楽しめました。

    昔は仏教がメインだから和尚や坊さんが今より別格な扱いに感じた。施餓鬼という言葉もはじめて知った。亡くなった人の霊や魂を信じているところが日本らしい考え方だなと思った。

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    ↓以下、印象に残ったもの↓

    ・死骸にまたがる男
    ・果心居士のはなし
    ・蠅のはなし
    ・むじな
    ・ろくろ首
    ・雪おんな
    ・人形の墓

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    2025年09月19日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    怪談系の話は好みなものがちらほらあったが、人物像に関しては、よく日本を理解してて凄いなぁと思いながらも読むスピードが遅くなってしまった。

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    2025年09月04日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    小泉八雲のら名前は知っているが、実際に手に取ったことがなく、初めて読んでみた。
    海外の目線ならではの日本の怪談の不思議、ひいては日本文化自体の不思議を平易な内容で描かれている。日本人としては日本を見つめ直すきっかけになりそうな作品集。

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    2025年04月20日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    昨年12月の寒い日に松江を旅行して小泉八雲の記念館を訪ねた時の印象が残っていてこの本を読みました。小泉八雲と言えば怪談、というイメージ通りの短編の数々(特に「破られた約束」「幽霊滝の伝説」は怖くて、気の毒でした)、それに今は亡き昔の日本人のイメージ(たとえば「日本人の微笑」で自害する老武士が印象的でした)、そういったものが思っていたよりもずっと豊かな印象を残す本でした。

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    2025年03月27日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。
    1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。
    日本人女性と結婚。
    日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師として過ごす一方で、日本の怪談や日本文化などをアメリカ向けに紹介する本を書かれる。

    約130年前来日した八雲さんは、日本をどんな風に紹介し、日本での生活をどんな風に感じていたのか興味津々で手に取った。

    小泉八雲集は、ほぼ日本の怪談や奇談の作品集。
    有名な日本の怪談もいくつかあり、雪女、耳なし芳一、ろくろ首など改めて読

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    2024年07月12日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    知ってる知ってる
    この怪談

    映画「怪談」の原作だったのか。

    浅田次郎のエッセイに

    海外旅行で読むべき本は小泉八雲の本

    とあったので読んでみた。

    理由は忘れたけど、なんとなくわかるような気がした。
    昔の日本人が持っていた
    男女の愛の深さや
    執念、因果、精神的な強さなどが表現された短編。
    現代の日本人には理解できないだろうな

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    2023年03月02日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    怪談があまりにも有名で、民話や日本人、日本文化の論考が集められた本だったことにまず面食らった。年譜も興味深い。ギリシャに生まれ、米その他転々とし、日本に帰化。松江で結婚したものの1年余しか暮らしておらず、熊本、神戸、東京に移った。もともと一つ所にじっとしていられない性格のようだ。東大の英語講師を勤め、後任が漱石だったらしい。2020.5.5

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    2020年05月05日
  • 小泉八雲集(新潮文庫)

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    新潮社の文庫は有名な作品などを抜粋して美味しいどころ取りみたいなまとめ方をしてくれるので入門には良いですね。(これで気に入ったら個別の正式の作品集を手に入れるので、まずはお試し版みたいな……)
    『影』『日本雑記』『骨董』『怪談』『天の川物語その他』『知られぬ日本の面影』『東の国より』『心』『仏陀の国の落穂』『霊の日本にて』それぞれから数編ずつ抜粋収録。
    耳なし芳一はじめとする怪談話以外にも、『知られぬ日本の面影』など日本人論も収録されてて、八雲=怪談の人だけではないんだな、というのがよく分かりました。

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    2018年01月16日