上田和夫のレビュー一覧
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背筋がぞっとする作品は勿論、摩訶不思議や儚い美しさ、無情、侘、寂、道徳観まで、余韻を残す色彩豊かな48作。怪談のイメージが強かった作者でしたが良い意味で裏切られました。印象的な作品を簡単に。
「衝立の乙女」
一生のあいだ“無情なこと”をしない男など滅多にいない、という皮肉のきいたラスト。
「破られた約束」
男を愛しすぎたゆえに歪んだ怒りの矛先。凄惨な描写は恐ろしいの一言。
「梅津忠兵衛のはなし」
武士たるもの二言なし。約束を順守した律儀な武士に授けられた世代を越えた不思議な力。
「常識」
大切なのは、生きる知恵と確かな常識。IQの高さと信仰心の高さは二の次である。小気味良く効いた毒。
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Posted by ブクログ
日本大好きな小泉八雲(ラフカディオ•ハーン)さん。
1890年39歳のときアメリカ雑誌社の通信員として横浜に上陸。その後島根での生活を通して知った、日本の怪談、民話、文化、生活習慣、様々なものに深く心奪われる。
日本人女性と結婚。
日本に帰化し、日本で生活した14年間を英語教師として過ごす一方で、日本の怪談や日本文化などをアメリカ向けに紹介する本を書かれる。
約130年前来日した八雲さんは、日本をどんな風に紹介し、日本での生活をどんな風に感じていたのか興味津々で手に取った。
小泉八雲集は、ほぼ日本の怪談や奇談の作品集。
有名な日本の怪談もいくつかあり、雪女、耳なし芳一、ろくろ首など改めて読