菅瀬晶子のレビュー一覧
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イスラエルに住むキリスト教徒のアラブ人女性ウンム・アーザルの1週間を描いた本。著者は日本人の文化人類学者で、アーザルの家に合計で三年ほど住んだ経験がある。コロナ禍などで現地に滞在できなくなった著者が住んでいた思い出や資料をもとに書いた本。彼女は料理が得意でさまざまな料理が紹介される。それらはアラブ料理でありトルコ料理にも近いことを知った。
紛争下にあるイスラエルでのアラブ人の生活というとなかなか想像することが難しいが、この本は普通の人が普通に暮らしていることを伝えてくれる。
長女のヴェラの長男がウクライナで医学を学んでいることは、ガザ地区のパレスチナ人イシアブハーエシュを描いた映画「私は憎まな -
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年末の新聞で、どなたかが今年の3冊の1冊に選んでいた。
イスラエル第三の都市ハイファに住む、ウンム・アーザルは修道院のまかないを仕事としている。
ウンム・アーザルはアラブ人でキリスト教。
イスラエルはユダヤ教の国で、キリスト教徒は1.4パーセント。アラブ人が差別される国で、キリスト教徒って、いろいろ苦労してきた模様。
知らない世界の話が、小学生も読めるように書かれている。イラストも豊富で読みやすい。
「自分でかせいだお金で生活していたい。」「本当は学校をやめたくはなかったの」「あの子にも勉強をつづけさせてあげたかった」
作者のことばで、その後の一家のことを知れたのも良かった。
菅瀬さん、病気が -
Posted by ブクログ
私たちはイスラエルのことを、アラブ人のことを、どれだけ知っているだろう?
この話に出てくるウンム・アーザルはアーザルのお母さん、という意味。
アラブ人女性は男の子を産むと尊敬の念を込めてこう呼ばれるそうだ。
日本で言うと、「太郎くんママ」の意味が近いかもしれない。
ただ、ニュアンスはだいぶ違うはず。
ウンム・アーザルの料理は実においしそう。
彼女の勤務先の修道院の食事は、焼きナスのサラダ、鶏肉のハーブローストなど。
料理上手ということがよくわかる。
彼女は料理をすることで子供や孫を育てた。
それは夫が働かなかったから。
ひどい話だ。
でもそうして育てた子供達は働き者でとても優秀な上に母想 -
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昨年発行の月刊誌だけれど、先日新聞で紹介されていたので購入
ウンム・アーザル(アーザルのお母さん)はイスラエルのハイファに住むキリスト教徒のアラブ人
まず、イスラエルに住むアラブ人にもキリスト教徒がいることは知らなかった
それもユダヤ教ではなくキリスト教徒なのだ
イスラエルに住むアラブ人は人口の21%(約209万人)、そのうちキリスト教徒は9%
イスラエル全体ではわずか1.4%のマイノリティ
そんな少数派の彼女は、教会の修道院のために様々な伝統料理を作り、子どもや孫たちに囲まれて暮らしている
けれども若い頃は、ムスリムでもなくユダヤ人でもない彼女は出稼ぎに出るしかなく、好きな勉強を続けるこ -
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「日本人の女性で、イスラエルに住むアラブ人のキリスト教徒を研究している人がいるんだー、へー、えーっと…なんのためにそれを研究?」というボヘーっとした感想しか持てない私。しかも、イスラエルというと「常に紛争」というイメージしかなく、ハイファという街も知らなかったし、普通に生活している人がいるという発想もなかった。
イスラエルで子だくさんの母親というと、オルナ・ドーナトの『母親になって後悔してる』を思い出すけど、あの本はユダヤ教徒だったか、キリスト教徒だったか…。
イスラエルで少数のアラブ人でキリスト教徒、ウンム・アーザル。私には、彼女の修道院での食事作りの仕事よりも、日々の家族の食事作りのシー