新藤元気のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリだ、推理小説だ、警察小説だ、云々の前に本作はそういったものの要素を被ったプロの仕事を描いた小説である。
犯人、主人公と様々な人物の入り交じった視点は少々複雑すぎるきらいがあるものの、読み始めたら本作は止まらない。サスペンスの緩急が、明かされる謎が読む手を止めさせない。
何と言っても文章に熱量や勢いがある。論理的な謎解きと感情に訴える人間ドラマは歯を食いしばって結果を出す事に命をかける職業人たちのそれ。彼らが見せつける矜恃には痺れた。驚きを求めてミステリを読んでいたはずなのに不思議と明日また頑張ろう、そんな気持ちになれる。実に面白い。 -
Posted by ブクログ
元科捜研研究員の作家・新藤元気先生のデビュー作。
養護施設が全焼し児童が行方不明になる事件
それを追う科捜研と警察
更にインサイダー取引を疑われる製薬会社社員
3つの話がそれぞれ進んでいき交錯していく科学捜査ミステリ
そことそこが繋がるのかー!と徐々に明かされるストーリーは面白かったが、数学と科学が苦手な私は細かく説明されても理解できないところがあり悔しい限り
数学と科学が好きな人にはもっと楽しめると思う!
登場人物もキャラが立っており、各位にバックストーリーがあるので、感情移入しやすかった
肝心の科捜研・小春のバックストーリーが解明されなかったということは、今後続編として描かれるのか気になるところ
これが一番の見せ場のような気もするが、説明だけで全く触れられなかったのは少し残念
ラストは悲惨な結果を予想していたが、なるほど!となり満足
まだまだ知らない法律がいっぱいありますね -
Posted by ブクログ
ネタバレ表紙に描かれている人数が一気に出てきたら、キャラ把握が大変そうだなと思っていたら、順番に出してくれたので、混乱はなかった。
助かる。
絵画から声が聞こえてきたり、幽霊騒ぎだったり、閉鎖的な村での集団感染だったりなど、オカルトや因習村的な事件を科学的分析で解き明かしていく物語。
自分も仕事で使用する機器が多数登場してテンションが上がったが、割と専門的な装置も分かりやすく噛み砕いて説明してくれていたので、馴染みのない人でも感覚がつかみやすかったのではないだろうか。
自分では、なかなかああも噛み砕いては説明できる気がしない。
分析は専門的ながら、事件のトリックそのものは割とシンプルなものが多かった印象。
最後の事件以外。
なので、どう分析すればいいのか分かれば、後はさくっと解決していたような気がする。
最後の事件以外。
最後の事件は、メンバー総動員で得意分野を活かす展開で熱かった。
意外に主人公くん、役に立つ。
分析手法に重きを置いた話としつつ、主人公くんの進路に関する話も重点が置かれていたように思う。
就活での苦悩、老舗和菓子店を営む父親からの圧力、同級生との差などなど。
悩み多き大学生の一面も、割とページ数を割いて描かれていたのは印象的だった。
物語の最後に、彼は一つの答えを出すので、ぜひ事件の結末と共に彼の決断も見届けてほしいと思う。 -
Posted by ブクログ
総合応用科学研究所ICASに新設された、奇異事案科学分析課。
そこに持ち込まれる幽霊、祟り、不可思議な現象を、研究員・彩野ヒカリと大学生アルバイトの航が、科学の視点から解き明かしていく連作ミステリー。
各話を簡単にまとめると、
・亡くなった祖父の声が聞こえる絵画をめぐる謎。
・大学に現れる首なし幽霊の正体に迫る話。
・村で相次ぐ体調不良と祟り神の噂をめぐる話。
・奇異事案科学分析課としてのチーム感がより見えてくる話。
「オカルト×科学捜査」というテーマがまず面白かった。
幽霊や祟りのように見える出来事を、ただ不思議なまま終わらせるのではなく、科学の視点から一つずつほどいていく構造に、ミステリーとしての楽しさがしっかりあった。
がっつり考察型というよりは、エンタメ寄りで読みやすい作品。だからこそ、難しく構えずに楽しめるし、短編4作という構成もテンポが良かった。文系の自分には科学的な説明が少し難しく感じるところもあったが、それも含めて「知らない世界をのぞく面白さ」があった。
ヒカリと航の掛け合いも読みやすく、事件を追うごとに分析課としての形が少しずつ見えてくるのも良かった。ようやくチームとして動き出したところで終わった印象なので、この設定とキャラクターでもう少し読んでみたい。ぜひ続編に期待したい一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ身に覚えのないインサイダー取引を疑われた男性サイド、養護施設の火事からある少年を追う警察サイド(一応この警察側の熊さんこと熊谷が主役)、そして追われる少年サイドと複数の視点が入り乱れるので、特に前半は混乱した。
特にインサイダー取引の件と火事の件が全く繋がりがなさそうなので、より混乱を誘うという。
中盤「公彦おじさん」なる人物の立ち位置が分かってくると、途端に物語の解像度が上がったのを感じた。
そういうことだったか!
しかもこの「公彦おじさん」の謎は二段構えなので、最後の最後でしてやられました。
それは予想していなかった!
一応作中に伏線はあったんですけど。
毒舌な科捜研所属の女性(小春女史)と、ある理由から爪弾きに遭っている特殊捜査班の男性(熊さん)が、段々とバディになって事件を解決する物語。
人物も事件も複雑に絡み合うし、某ドラマに比べて随分と泥臭い捜査に、組織との衝突、厳しい現実などなど、生々しい話だったように思う。
キャラ設定はラノベ寄りなので、小難しさなく読めるのが魅力か。
それでいて、各キャラ基本的に何かしら重い設定持ちなので油断なりませんが。
熊さんの家族問題、今後いい方向に進んでくれるといいが。
あと、インサイダー取引疑われた彼、結果的に完全にとばっちりだったので気の毒すぎた。
杜撰な捜査した某部署は謝れやと切に思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・面白かったです。ライトなガリレオという感じ。
・専門家の監修も受けて作られた、科学知識を活かしたトリックは4話とも完成度が高い。
・キャラ立ちもよいのでもう少し読みたくなる
・九重ちゃん周りは作者さんの筆も乗ってるように感じた。もっと活躍を見たい
・逆転裁判や都市伝説解体センターのようなゲームっぽさもあるかも。
・引っかかったこと2点、好みの問題かもしれないが
・1.主人公が独白内においてヒカリに対して終始偉そう(自己肯定感の低いキャラなのに、知識も立場も上の相手に対してやたら上から目線)
・2.因習村チックな話があるが、昨今の因習村批判を踏まえないあまりに無邪気な田舎怖い描写
・これは作者さんは悪くないのだが、帯だけ見て怪異が出ると思ったが、すべて合理的説明のつくものでそこはやや肩透かし
・などと言いつつも楽しめたので、続きがでたらまた読みます -
Posted by ブクログ
養護施設が煙草の不始末により全焼。
その煙草の片づけを命じられていたのは
行方不明になった少年。
少年は一体どこに消えたのか、も謎ですが
合間に出てくる会社員の事件も謎。
過去なのか今なのか…と思っていたら
ここに繋がるのか、と。
少しずつ、しかし一気に分かっていく目的。
そのために、と貫き通そう、というのはいいですが
失敗したときの事は考えてなかったのか、と。
行方不明になった少年も、それ以外は子供回路で
だからこそ、な事件解決だったかも?
しかしなぜ少年は、頭脳を上級生に使わなかったのか。
そこまで捻くれてなかった、という事でしょうか。
一番何が起こってどうしたのかさっぱり、なのは
冤罪かけたれた人、かと。