斎堂琴湖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
斎堂琴湖『燃える氷華』光文社文庫。
第27回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作の警察ミステリー小説。
前半はイマイチ盛り上がりに欠ける、ありふれたストーリーだと思っていたら、後半からの驚愕のストーリー展開と予想外の真犯人、感涙の結末に圧倒された。
最後にはプロローグの意味も判り、少し出来過ぎではあると思うが、本編からタイトルに至るまで見事に伏線を全て回収出来ていることに気付いた。
これは絶対に読んでみるべき作品、読まねば、一生後悔するというレベルの作品である。
17年前に小学生の息子を亡くし、それが切っ掛けで、夫の隼人と別居しながら大宮署で刑事を続ける蝶野未希はある日、非番で訪れた -
Posted by ブクログ
ネタバレ悲しみの悲しみによる悲しみのための悲しい事件が描かれたなんとも悲しいお話だった。
このようなミステリー小説を読みながら泣きそうになったのは初めてかもしれない。
私の心にはまだ悲哀の感情が合ったのだと安心したのと同時に、久々にそこを揺さぶられる素晴らしい作品に出会えたことに歓喜しておりますです。
もちろん殺人もろもろの犯罪行為は許されることではないんだけど、それを犯した理由が居た堪れなさ過ぎて、共感とまでは言わないが、さすがに責める気持ちにはなれなかった……。
世の中に蔓延る数多くの理不尽に負けてしまった人たちそれぞれがちょっとしたボタンの掛け違いによって悲劇の連鎖を生んでしまったともいうべき -
Posted by ブクログ
本作が2作目とは思えないほど丁寧で綿密な小説だった。
冒頭のバラバラ死体、スーツケース、火、札束、杖、武蔵野線、自殺。衝撃的な場面描写に一気にこの小説への興味がわき、緊張感ある物語に誘われ読み始めた。
犯罪者東郷の婚約者の誕生日ウエディングドレス、真面目なベンチャー企業の社長、並木理伽に対する結婚詐欺という2つの相反する東郷という人間の心情。
不可思議な事件の捜査で明らかになる様々な伏線の回収に、無理なく引き込まれる快感があった。
犯罪者に対する一方的な断罪ではなく、このような方法でしか自らの怨念を解消でくなかった犯人に同情すらしてしまう。
様々な要素を丁寧に積み重ねて物語を帰結させる作者の -
Posted by ブクログ
駅で撒かれたバラバラ死体、浦和周辺駅への爆破予告… 様々な事件が絡み合う超胸アツな警察小説 #桜葬
■あらすじ
埼玉県の武蔵浦和駅、杖をついた男がホームに立っていた。彼は線路にバラバラにした死体を投げ入れ、札束を撒き、さらにそのまま飛び込み自殺をしたのだ。
異様とも見える事件を捜査するのは埼玉県警の刑事たち。かつて浦和周辺で起こった爆弾予告事件との関連が見え始め…
■きっと読みたくなるレビュー
身が切り裂かれる思いになる… 仏教の教えにもあるけど「執着」ってのが如何に愚かなことなのかよくわかる作品です。
本作は武蔵浦和駅で発生した不可解な事件を追う警察小説。駅でばら撒かれたバラバラ死体 -
Posted by ブクログ
ネタバレSNSで見かけた煽り文と、装丁の美しさに惹かれて購入。
プロローグはインパクトがあり、どうしてこんな事件が起きたのか気になって、読書欲を掻き立てられた。
が、だんだん名前を覚えづらい登場人物が増え、事件の真相とは無関係な登場人物同士の人間関係が若干ノイズに感じられてしまった。
誰もが人生に何かしらの理不尽を抱えており、その理不尽に対して「正しい」立ち向かい方を見つけられる人間もいれば、そうではない人間もいる。おそらくそういうことを伝えたい物語なのだと思う。
私の評価は☆3だが、好きな人は絶対に好きな一冊に違いないので、自分で読んで確かめてほしい。 -
Posted by ブクログ
職場の人に面白いよ、と貸してもらった本。
舞台がまさに職場の最寄り駅、知っている場所で凄惨な事件が起きる。
電車の乗り降りに使う駅だけに臨場感たっぷりだ。
人生の何処かで躓いてしまった人達が、ちょっとしたきっかけで人生を狂わせてしまう。
こんなことでそこまでする?と思うけど、本人はちょっとだけ、という気持ちなのかもしれない。
みんな少しずつ間違いをしながら生きているのかもしれない、それに気が付かないままに生きているのかもしれない。
自分ばかり割の合わない人生を生きている、悪いのは自分じゃない、そんなふうに思う人は多いかも。
冒頭の展開からはいったいどんなことが隠されているのだろう、と思ったけど