斎堂琴湖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本作が2作目とは思えないほど丁寧で綿密な小説だった。
冒頭のバラバラ死体、スーツケース、火、札束、杖、武蔵野線、自殺。衝撃的な場面描写に一気にこの小説への興味がわき、緊張感ある物語に誘われ読み始めた。
犯罪者東郷の婚約者の誕生日ウエディングドレス、真面目なベンチャー企業の社長、並木理伽に対する結婚詐欺という2つの相反する東郷という人間の心情。
不可思議な事件の捜査で明らかになる様々な伏線の回収に、無理なく引き込まれる快感があった。
犯罪者に対する一方的な断罪ではなく、このような方法でしか自らの怨念を解消でくなかった犯人に同情すらしてしまう。
様々な要素を丁寧に積み重ねて物語を帰結させる作者の -
Posted by ブクログ
読み易いとは言えない文章表現。自分の読解力のなさかもしれない。頭の中で映像がイメージできにくかった。
主人公はアラフィフの女性刑事。離婚はしてないが別居中の夫がいる。彼も警察官。女性刑事のバディは夫と警察学校の同期だった刑事、何かと好意をアピールして来る。この3人の関係性を中心にストーリーが展開していく。女性刑事はかつて自分の小学生の息子を事件で亡くしていた。その犯人は未だに見つかっていなかった。
ある日、駅前で車ごと男が爆死させられた。その男は自分の息子の葬儀を取り扱った葬儀会社の人間だった。未解決事件と現在の事件がリンクして一気に捜査の糸は絡まっていく。
貧困のシングルマザーに近づき、美味 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大宮署の刑事・蝶野未希の息子遥希は、17年前、廃工場の冷蔵庫に閉じこめられて死んだ。一緒に遊んでいた二人の友達のうち、一人は行方不明。一人は親の都合で外国に行った。犯人は捕まっていない。その後刑事から交通課に異動した夫・隼人と入れ替わりに刑事になり、事件を忘れるように言う夫と別居する。
ある日、未希は、同期で県警刑事の宇月と大宮駅前で発生したドライアイスを使った車の爆破事件に遭遇。被害者は、遥希の葬儀を執り行った葬儀社の社員で独立して葬儀社を営む三上だった。因縁を感じた未希は、息子の事件との関係を探り始める。
女性の生きづらさを背景にしつつ、真犯人の歪んだ愛情と復讐心を描く。さまざまな親子 -
Posted by ブクログ
ドライアイスを使った殺人事件が起き、蝶野未希と宇月刑事が捜査する。
蝶野は17年前に息子を冷蔵庫に閉じ込められ亡くしていた。
その後に次々とドライアイスを使った爆弾や窒息死の事件が続き、ドライアイスから葬儀社の男に疑惑を向けるのだが。
捜査を進める過程が面白い。なかなか核心に迫れない中で、事件周辺に関わる人物たちの切ない事情や悪徳業者の裏の顔が明らかにされる。
ただ事件解決の過程は面白いのだが、犯人が判明した後の犯罪過程を犯人が説明するのは興醒めの感があった。
警察刑事と夫婦、警察官であり女性であり母親である苦悩が、女性犯罪者と共鳴する感情は女性作家ならではの観点として好ましかった。