アンデシュ・リデルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本を焼いたのは知られているが占領地でユダヤの本を片端から集めていたのは知られていまぜんでした。
その奇妙な性癖についての本です。
善悪からはちょっと身を引いて書いています。
集められた本が今どうなっているのかを同時にレポートした書き方がすぐれています。
また、ナチスのユダヤ人差別の「思想」がどのようにして起こっていったかがくわしくわかりやすく書かれています。
ユダヤ人差別がナチス、ドイツだけの問題ではなかったことが、ナチスの蛮に世界が震撼した理由なのだとわかります。
ユダヤ人への差別を持っていない日本人がひどいというのと性質が違うのです。 -
Posted by ブクログ
本年の春にテッサロニキを訪れたとき、この地はアリストテレスやアレクサンドロス大王ゆかりのギリシア第二の都市と称揚されるわりには荒廃した印象が拭えず、不思議な思いがしたものであった。ところが図らずも本書には、そのよってきたる原因が記されていた。
第二次世界大戦でナチスの占領されるまでは、テッサロニキは過去何百年も世界最大のユダヤ人都市であった。つまりユダヤ人がマジョリティであり、そのもとで文化、経済が花咲く唯一の都市だったのである。第二次世界大戦勃発の時点でユダヤ人は5万を数えたが、この大戦を生き延びたユダヤ人はわずか2~3000人だったそうである。ナチスはユダヤ人を虐殺しただけでなく、ユダ