三木三奈のレビュー一覧

  • アイスネルワイゼン

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    ネタバレ

    仕事先で理不尽な要求されたり、馬鹿にされたりする不条理な話だと思ってたのに、端々に主人公の毒を吐き出すシーンが出てきて、ラストには暴れちちらかして元に戻るのが不可能な所まで突っ走る爽快な終わり。
    どんどん面白くなっていくあんまり感じたことのないワクワクを体験出来た、主人公が1番狂っている人だということははじめ分からないので徐々に本性を表してからがめっちゃ面白いです。

    もうひとつ短編が付いてますがこっちは普通かな。

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    2024年12月17日
  • アイスネルワイゼン

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    第170回芥川賞候補作『アイスネルワイゼン』
    いろんな話が交差して気持ちが溢れていく描写が上手だった。

    文學界新人賞受賞『アキちゃん』
    残酷。自らのカルマを清算したという言葉が印象に残った。
    良いことをしたら良いことが、悪いことをしたら悪いことが返ってくる。

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    2024年05月22日
  • アイスネルワイゼン

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    朝井リョウさんが「気持ち悪い話」と紹介していたので、それは読むしかないので読みました。

    なんか、とんでもなく大きな事が起きるわけでもなく淡々と物語は進んでいくんだけど、ずっとジメジメとした雰囲気がつきまとっている。こういう湿度みたいなものを文章で表現するのって凄いなと思った。

    途中に出てくる子供の話で少しだけウルッとするんだけど、その感動を容赦なくぶち壊していく主人公のどうしようもない言動がすごい。

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    2025年09月30日
  • アイスネルワイゼン

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    登場人物の状況や特徴とかを直接的な言葉で書いてないし会話も噛み合ってなかったりして物語的には分かりにくいんだけど現実ってこんな感じかもと思った
    多分誰かと不倫して仕事やめたんだろなとか彼氏とか言ってたのに付き合ってないやんみたいな、断片的なセリフからその人を推測していく感じが今までに読んだことない感じだったしリアルに近い感じして面白かった

    ずっと現実的なお話しだったのにラストは急に物語チックになった気がする
    解釈が合ってるかわかんないけど現実が嫌になって何もかも重すぎる感覚は共感できる

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    2024年07月22日
  • アイスネルワイゼン

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    女同士の電話のやりとりや
    密やかなおしゃべりを
    わざわざ聞かされているようで
    そこには嘘や駆け引き
    見栄、嫉妬みたいなものが
    むせるほど渦巻いているから
    ずっと息苦しくて落ち着かなかった。
    主人公を含めた女の人たちみんな
    幸せそうではなく
    情緒不安定な感じで
    ときどき感情を爆発させながらも
    それぞれの関係は
    なんとかバランスを保っていて
    それがいつ、どのように崩れるのか
    最後まで緊張感があった。
    PTSD→PPAP
    人間じゃない→人間味がない
    友人の言い間違いに吹き出していたら
    主人公の鬱屈や焦燥の中
    もがき、苦しみ、怒り、あきらめ…
    いろいろな感情をぶつけられた。

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    2024年03月05日
  • アイスネルワイゼン

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    アイスネルワイゼン
    琴音の、苛立ち、揺れ、仮面、悪意、不本意な選択…。上手くいかない日常に潰されそうな、どうしようもない状況。
    このどうしようもなさを諦めず超えるには大きな苦しみを伴う。完全に壊れてしまわないように自分を大切にし、時間をかけて超えて欲しい。そして、苦しんでいるからこそ、彼女の弱さや、脆さ、浅はかな行動が、優しさ、強さ、思慮深さにいつか繋がって欲しい。でもやはり、できれば全てをそのまま包み込んでくれる信頼できる人に出会えることを祈る。

    アキちゃん
    「人を憎むということは、ほとほと疲れ果てることなのだ。 それは火柱を遠くからながめることではなく、自らを燃やして火柱をつくることなの

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    2024年02月14日
  • アイスネルワイゼン

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    表題作の「アイスネルワイゼン」は、差別的表現かもしれないが、女性の振る舞いの怖さを表現しているように感じた。本音と建前を越える本能的な行動のように思え、そこに人間の業を感じる。私には刺激が強すぎてクラクラした。著者が文學界新人賞を受賞した「アキちゃん」も収録。こちらは、途中からの違和感が最後にすっきりするわけではなく、こちらも救いがない作品だった。悪い意味ではない。記憶に残る作品だった。

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    2024年02月14日
  • アイスネルワイゼン

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    清々しいほどに性格が悪い主人公の表題作
    そこまで追い詰められる理由はあるにはあるけど、応援も共感もできない
    冷たい雨や雪が読んでる方にも染み入ってくるようで心の通わない主人公に心が冷えた
    ここまで突き放されてしまうのが気の毒になるほど
    この先どうするのかなと老婆心ながら心配になる

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    2025年11月22日
  • アイスネルワイゼン

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    帯にあった「静かな崖っぷち」という表現がぴったりだと思った。仕事もうまくいかない、プライベートもうまくいかない、でも周りの人たちは結婚して子育てをしていて、自分とは違う....そんな焦りというか、手探りで進んでいるような感覚 暗闇で崖っぷちを歩いているような感じ。いつ落ちてもおかしくない、限界スレスレを歩いて踏み外す瞬間.....読んでてずっとなんとなく緊張感があって、(いい意味で)ストレスを感じながら読んだ

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    2025年11月08日
  • アイスネルワイゼン

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    ネタバレ

    アイスネルワイゼンとアキちゃんの二本立て。
    アイスネルワイゼンは心情ゼロ。会話ベース。
    いろいろ心無いこと言われて、最後は立つことさえできなくなってしまう。会話だけで、その人の考え、心だとは思わないようにしないと。

    アキちゃん
    いじめられたことがある人は共感できそう。普通に女子みたいなイメージで読んでたけど、男の子に産まれた心は女の子の話。でもそれにしたってイジメは最悪だよ。
    憎しみについて詳しく書かれていておもしろい。憎しみにもパワーがいるんだよね。カルマとか宗教的なことも書かれていたんだけど、これってアレのことかな?と思ってしまった。

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    2025年10月16日
  • アイスネルワイゼン

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    コミュニケーションが上手く取れずに他人とすれ違い続けるピアノ教師のクリスマスの1日が描かれた作品

    登場人物がみな自己中心的で歪んでいるため
    読んでいるだけで具合が悪くなる
    会話文が多くかなりライトに読めるためすぐ読み終えたが終始胸がしんどかった
    人間の底意地の悪さみたいなのをうまく描いている

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    2025年10月12日
  • アイスネルワイゼン

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    静かに嫌味が堆積していく感じ。悪意に気付いてて、でもおバカでピュアで気付かないふりをすることってたまにある。それの積み重ねに耐えられなくなった主人公の話。
    二篇とも本ならではのミスリードをされてしまう。ん?ってなった。

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    2025年10月11日
  • アイスネルワイゼン

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    ネタバレ

    浅井リョウさんが、おすすめしていて読んでみた。確かに会話がずっと続いて、、、主人公の気持ちが一切書かれていないことに、歯痒さ、気持ち悪さを感じる。どうなの?どう思ってるの?と思わせる様な、災難や、相手との会話が淡々と綴られて最後、立っていられなくなるくらい泣くと言う終わりかたに、あぁ、やっぱりそうだったんだ。と自分ながらに、主人公の気持ちを汲み取って終わった。うーん、、、まだ続きがあるなら読みたい感じ。
    二本立てのアキちゃん。
    これは、素晴らしい!!自分も同じ様な経験した事のある!一喜一憂に、同調してしまうくらい、気持ちの再現、表現の仕方が素晴らしい!
    小学校の苦い思い出を彷彿とさせる様に、憎

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    2025年09月17日
  • アイスネルワイゼン

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    主人公の暴言が気になった。



    自分より、弱者の友達には、相槌をうちながら

    優しい言葉をかけながら、

    相手の幸せにジェラシーを感じると

    チクリと意地悪なことを言ったり。



    自分と対立する友達には

    敵対モードで、暴言。



    自分より上の立場の女性には

    へいへいと、したがって、

    なんでもかんでも

    謝ったりするけれど

    心の中で、「ババア」と言って暴言。



    読んで、嫌な感じが残ったんだけれど

    たぶん、自分達、一人一人にも

    おおかれ、少なかれ

    対応する人によって

    言葉や態度

    少し変わってしまうような

    本質的な、人間の問題があるのかも。



    会話が多く

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    2025年09月15日
  • アイスネルワイゼン

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    ネタバレ

    芥川賞候補とあるから、こういうのが純文学なのだろうか。
    普段読まないジャンルの本だが、出版区の本ツイで朝井リョウがおすすめしていて気になった本。
    朝井リョウ曰く「めっちゃ嫌な話」。
    「主人公の心情が一切書かれない。濃淡なく出来事が描かれ、最後の最後で歩けなくなる瞬間が見られる。」
    めっちゃ嫌な話なのに推すなんて気になる!と思い読んでみたら、比喩ではなく文字通り"歩けなくなる"話だった。

    主人公の言動が裏表ありまくりな上、気持ちの起伏が激しく態度がコロコロ変わるので、なんか怖い、不気味だな…と思いながら読んだが、最後まで不安定さが落ち着くことなく、急に話が終わってびっくり。

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    2025年09月11日
  • アイスネルワイゼン

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    一度読んで、するする読めるのに全然頭に入ってこなくて時間を置いてもう一回読んでみました

    主人公、琴音の言動と行動が人によってちぐはぐすぎて

    そうか、これがよくわからなかった原因か
    と、思えました

    上手くやっていきたいのに、何もかも上手くいかないし、空回りし続ける
    確かに、静かな崖っぷちです

    キャリーケース…重いですね

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    2025年01月21日
  • アイスネルワイゼン

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    優しいお話なのかなと思って読んでみました。
    ですが…私は登場人物に感情移入できませんでした。親切にしてくれる友達に悪態ついたり、どんどん悪い方に事が転がっていく…だんだん腹が立ってしまった…

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    2024年05月31日
  • アイスネルワイゼン

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    ネタバレ

    仕事では不得手なことを任され悔しい思いをして、好意でプレゼントすればかぶるし、妊娠かもって不安を煽られるし、恋人とはうまくいかないし、発表会にゆあなちゃんを出させようとするお母さんにマンガ教室をすすめるのは、こじれた小林に再度連絡とりたくないからだし、亡くなった加藤美咲との思い出にビッグマックを買おうとすれば販売してないし、あれもこれもうまくいかずなかば自暴自棄になって人生が追いつめられていく感じで読んでてツラかった。

    ラスト。
    キャリーケースの中身を空っぽにして髪形も変えて心機一転やり直そうと決意したとき、
    そこで不意にアイスネルワイゼンのメロディが鼻歌になって出てきた。
    もう亡くなったか

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    2024年05月26日
  • アイスネルワイゼン

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    アイスネルワイゼンは、芥川賞候補作(第170回)。
    こんな嫌な気持ちになる小説は、なかなかないと思うくらい
    イライラする小説だった。(それも狙いだろうけど)

    セリフと状況説明(表情とか行動とか)だけで
    主人公の心情描写がないのが特徴的。
    よって説明されず、たぶんこうなのかな?という予想の部分が多い。


    アキちゃんも芥川賞候補作(第163回)で、
    今まで書籍化されておらず気になっていたので
    併録されて、読めたので良かった。
    こちらも子供の頃の嫌なことを思い出す小説。
    そして驚きもある。

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    2024年04月27日
  • アイスネルワイゼン

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    表題作より「アキちゃん」の方がソリッドで勢いがあって力強さを感じた。一点を除いて誰でもある程度の経験がある話だからだ。単純な人にも共感を生みやすいのだろう。

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    2024年04月26日