エルブリッジ・A・コルビーのレビュー一覧

  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    エルブリッジ・コルビー博士の原著を防衛研究所の塚本氏等が訳出したもの。これは原文でなんと書いてあるのだろうという訳もたまにあるが、全体としてはうまく訳されていて、原著にあたるよりは大分楽に読めた。

    コルビー氏は、トランプ第一次政権で国家防衛戦略をリードし、対中シフトを軍事面から支えた人物であり、何を隠そうつい先日、議会承認を経て前回よりもランクを上げて、政策担当国防次官としてペンタゴンに帰ってきた。

    氏の筆致は冷酷なまでに論理的であり、リスクと便益の冷徹な計算に基づいている。大掴みの論旨は明快で、米国はインド太平洋の平和と安定に最も重大な国益を持っており、そこに覇権を敷こうとする中国に対し

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    2025年05月01日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    ネタバレ

    軍事力のみが人を強制的に従わせる力であり、その源泉は経済力。アメリカが自国の繁栄と安全のためには中国がアジアで覇権を握るのを防ぐ必要がある。アメリカの目線から見ると至極真っ当な論理。日本の目線で、中国による軍拡を、真剣にリスクとして捉えて、対処しようとしている政治家はいるのか?

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    2025年02月24日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    「中国に勝つ」ではなく、「中国の拡大を止める」ための「反覇権連合」による「対中抑止」。
    これは、「自由で開かれたインド太平洋」戦略の延長線上であり、現実的な線なのではないだろうか?
    ただし、そのためのコストを日本がきちんと負担できなければ、絵に描いた餅である。

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    2025年01月24日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    中国を抑止する事がアメリカにとって最優先課題という話。
    今やその重要性は誰も否定しないと思うけど、問題はトランプがその戦略を追求するのに、自己規律を欠いている事であって、ロシアや中東に拘っている様にしか見えないし、言動も二転三転していて、まともな戦略がない様に映る。
    あと、日本も軍備拡張とか核許容の議論がそんなに急進的に進むと思えない。それも大きな問題か。

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    2025年10月26日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    現米国トランプ2次政権の国防次官であるコルビー氏による(国防次官就任前の)著作。
    氏が提唱する国防・外交戦略である「拒否戦略(Strategy of Denial)」について平易、具体的に解説されている。

    「拒否戦略」とは一言で「中国の覇権を拒否すること」。
    誤解されがちだが、その目的は米国の覇権の確保・維持でも、中国(共産党)の崩壊でもない。
    中国が他国に(軍事力を背景に)自らの意志を押しつけてくるのを「反覇権連合」によって防ぎ、中国がアジアの覇権国にならないようにできるのであれば、「中華民族の偉大な復興」を実現しても構わない、とさえ著者はいう。

    冷戦が冷戦で済んだのは、戦争の可能性を前

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    2025年09月25日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    現在、米国の国防次官として活躍するコルビー氏の一冊。彼は、トランプ政権における安全保障戦略の軸となる考えを提唱した人である。それは、ウクライナ、中東よりも、喫緊の課題であるアジアに集中して対処すべきというものである。本書執筆後、2次トランプ政権のブレインとして、様々な場で交渉を行っている彼が、その前提となる考え方を発表したのが本書の位置づけである。
    複雑化する国際安全保障について、問題を冷静に分析し、目標を明確にして、すべき対処を組み立てていく。彼のロジカルな論の展開に圧倒される。

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    2025年05月02日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    彼の議論は彼の主著『拒否戦略』や彼のポスト、インタビューから相当読んだものの、日本向けに書かれたものであるために入ってきやすさがある。また、2021年の主著からウクライナ戦争が始まり、中東の泥沼化が進む今日の世界。どう見てもアメリカが現在の2正面で必ずしもうまくいっているとは言えない状況。そこにおいて本来割くはずだった中国や西太平洋への優先度が下がっている。また、日本が拒否戦略としての防衛戦略を選択したのもこの間。そうした中であえて言えば「拒否戦略のあとで」と言える新著。来週迎える総選挙にも関わる内容であり、多くのことを日本人に考えさせる。特に最後の5章「日本には大軍拡が必要だ」は彼の持論で私

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    2024年10月20日
  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    筆者であるエルブリッジ・コルビーはアメリカのトランプ政権のNational Defense Strategy作成メンバーの1人である。そんな彼が書いた本であり、英語版は多くの文献で引用されている。そのような本が英語版が出てから2年程で日本語版が出たのはありがたい限りである。
    内容としては中国の地域覇権を阻止するために何ができるかである。アメリカのすべきこと、各地域ができること、また我が国日本に求められることなどが書かれる。また、想定される軍事行動に対してどう対処するのか、またそのために何ができるのか、するべきなのか、もしくはしてはならないのかが書かれている。
    英語版が出されてから2年が経った

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    2024年01月19日
  • 拒否戦略 中国覇権阻止への米国の防衛戦略

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    C国の覇権を阻止するための米国の戦略について、かなり理論的に詳細に検討していて面白い。

    のだが。

    これは現覇権国たる米国が、自国の安全自由繫栄を脅かさないために、覇権挑戦国を許さないという本で、ぶっちゃけ、「中国」を「米国」に差し替えても国によっては首肯できる。昨今の、某大統領貿易についての横暴ぶりを見るに、一皮むけばさほど変わんねえと思うところもある。

    ただ、我が国としてはそれでも米国の方がかなりまし、という話であって、C国の覇権なぞ現実化なぞ目も当てられないのも事実。

    なぜかは、C国が胸に手を当てて考えてもらいたいものだが。

    米国は、自領土自体は相当程度安全という前提が薄ら透けて

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    2025年08月20日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    アメリカは中国に勝てないから逃げ出すので日本や韓国や台湾が盾になれや、と言っているようにしか見えない。
    とは言え逆説ながら日本人が中国と戦争する覚悟を決めないとこの本の通りになるだろう、というのが悲しい現実ではある。

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    2025年04月25日
  • アジア・ファースト 新・アメリカの軍事戦略

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    アジアが世界の中心
    PPP購買力平価  中国がアメリカを超えている 
    世界のGDPの40% 東アジア沿岸部から東南アジアにかけて ヨーロッパ20%以下
     重要な理由:マーケット、ライバル(=中国)、アンバランス(=対中国)

    拒否戦略 (中国の偉大な復興は否定しない 台湾独立も賛成しない 現状維持)
     戦狼外交の中国への服従を拒否する
     反覇権連合 侵略を不可能にするパワーバランス
     経済パワーの代替え手段は軍事力しかない  台湾の次はフィリピン

    ITや金融サービスや娯楽は紛争が起こったらパワーに直結しない
    アメリカ一極は無理 GDP25%
    経済制裁やプロパガンダではなく ハードパワーが必要

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    2025年02月16日