村上智彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大部分に賛同!
現場で、もがきながらも必死に闘っている先生の言霊が詰まった本。
一部分への批判ではなく、本当に聖域なく多方面に対して辛口コメントを発信している。現場で、実際に行動を起こしている方の心の声がヒシヒシと、確かな力として伝わってくる。自戒の書として、じっくりと読みたい。
日本人が陥りがちな「思考停止」は、どこまで続くのだろうか。。。
最近5年間、自分の中に少しずつ湧いて出てきた嫌悪感を、見事なまでに表現されていた。もちろん村上先生ほどの大きな問題ではないが。
もともと薬剤師だったことに驚いた。しかし、やはり、医師でないと、行動は出来なかったのだろうか。。。 -
Posted by ブクログ
例外も聖域もなく徹底的に叩きます、と宣言した通り、高齢者や行政、マスコミに対しても容赦なくて痛快。努力もせず権利だけ主張してくる患者については日頃からも経験しているので、(生活習慣病なのに薬飲んでるから大丈夫と言って摂生しない、大した症状でもないのに薬を要求、やたらと検査したがる等)よくぞ言ってくれたという感じ。一般の人の健康志向を高める必要もあると思う。生活習慣病なら、一部遺伝的な要因もあるが健康に対する意識の問題。健康維持や疾病や治療、死について、学校で教え、向き合うべきでは?医療の知識をもっと共有し、身近にすることが必要だと思う。予防医療を進めなければ、日本の保険医療の未来はない。
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Posted by ブクログ
著者は、医師であり、地域医療の専門家。
財政破綻した夕張市の医療再生にも取り組んだ人物。
著者は、夕張市を数十年先の高齢化が進んだ日本の「縮図」と見る。
悪化した財政に思い医療福祉支出がのしかかる。
その裏側では、日本社会に巣食う甘えとごまかしの構造が元凶となっていると。
「弱者救済」をタテマエに、自らの不摂生を棚に上げて医療にたかる市民、それに乗っかる行政とマスコミ。
自身が夕張などの地域医療に取り組んだ経験から、この国の病理を暴いていく。
特に強調されるのは、保健・医療・福祉の3つの役割を、きちんと分別して包括的にあるべき姿を考えなければならないということ。
保健とは、予防医療のこと -
Posted by ブクログ
夕張市立総合病院の再生などに取り組んできた「戦う」医師、村上智彦氏による医療論。政治、行政、財界、マスコミ、医師・病院職員、そして「弱者」と捉えられがちな市民(患者)も含めて、あらゆる「敵」を名指しして、例外も生起もなく徹底的に叩くという趣旨で書かれている。
本人が過激すぎるように思うかもしれないというように、論調はかなり厳しいが、言っていることはかなり正論であると感じた。「戦う医療」から「ささえる医療」への転換は、超高齢社会を迎えるこれからの日本にとって必須であろう。予防医療の重要性は言うまでもない。また、市民(患者)自身が、病院依存体質を改め、健康意識を持ち、自らが医療をささえるという意識