山崎努のレビュー一覧

  • 俳優のノート

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    ネタバレ

    こんなに凄い本を読まずにいた己を哄ってしまった。恥ずかしい!!!

    演劇の教科書と言ってしまうと堅苦しい。
    でもそうなのよ。日記なので、氏の一本の芝居への取り組みに時系列で同化して、のめり込んでしまう。名優の芝居創りを追体験出来るのだ。
    (勿論出来るものではないけど)
    ものを創ることに対する心の在り様を教えてもらえる。
    (勿論教えてもらえるものではないけど)

    本当にこの本が世の中にあって良かった。
    読めて良かった。
    人生楽しくなるかもしれない。

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    2025年06月22日
  • 「俳優」の肩ごしに

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    初めて「演技」を意識した苦い思い出が胸を打つ。父の復員の知らせに裸足で飛び出す努少年。親戚のうちに着いた父に会いに山道を駆けながらも「ウソだな、おれ、おしばいしてるな」と思う。
    僕が喜ぶと思ってる母たちの期待に応えないといけないと思い必死に走る…。

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    2025年01月14日
  • 俳優のノート

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    私はシェイクスピアとの関わりからこの本を手に取りました。そしてこの本では『リア王』と真摯に向き合った山﨑さんの姿を知ることができました。

    単に頭で考えて理論を組み立てるのではなく、生活すべてをかけて全身でリア王にぶつかる!そうして生まれてきた深い思索がこの本で語られます。これには驚くしかありません。シェイクスピアを学ぶ上でも非常にありがたい作品でした。

    俳優という職業とはいかなるものなのか、そして俳優という一つの仕事の枠組みを超えてあらゆる職業におけるプロフェッショナリズムというものも考えさせられる作品です。

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    2024年08月22日
  • 俳優のノート

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    読み始めた時はこの本を最後まで読めないかと思った。馴染みのないシェイクスピアの台本(改行なくページに余白なくびっしり)を読み飛ばそうかと思った。でもひとつひとつ丁寧によんでいってよかった。山崎努さんがそれらをどう捉えてどう表現するのか、その軌跡を一緒に辿ることができたから。
    舞台が段々と終わりに近づくにつれ寂しい気持ちになった。

    俳優という仕事は演技をする仕事ということは知っているし、なんならいつも見ているけど、あとがきの香川照之さんが言う「具体的な実態や確かな有効性が酷く曖昧な俳優という仕事」をここまで言語化し曝け出したものを拝見する機会は中々ないと思う。
    そして役と徹底的に向き合う=自分

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    2024年02月05日
  • 俳優のノート

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    ネタバレ

    名言の嵐で、読むたびに内容の濃さと熱量に圧倒されます。
    ひとつのことをつき詰めた人には、実際神が宿るんだなあ…風姿花伝ぽい。現代の風姿花伝。

    朗読を習っているので、練習中の思いを呼び返しつつ読むとさらに重みが増します。「俳優は登場人物に溶け込んで消えなければいけない」というくだりには濃いマーカーが引いてあり、マーカーやら書き込みやら本がもうカラフル。

    山崎さん、思いを文章にして世に出していただいて本っ当にありがとうございます(拝礼x10)

    一人芝居で、舞台上で兄と対話しながら兄の具体的な人物像を脳内に浮かべられないでいた時、後で観客から「兄が見えてこなかった」と言われた、というお話にわあ

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    2024年02月24日
  • モリカズさんと私

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    「モリのいる場所」はとても私好みの映画だった。映画は画家の熊谷守一のある一日を描いていて、この本は映画にも出てくる写真家の藤森武さんご本人、熊谷守一本人を演じた山崎努、沖田修一監督、生前の熊谷に取材した記者の田村祥蔵氏の文章四本立て。超豪華。
    どの文章も面白い。

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    2018年08月18日
  • モリカズさんと私

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    俳優・監督・助監督等々の映画に携わる人々の情熱を感じました。映画を見てから読んだ方がいいかなと思います。

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    2018年07月04日
  • 俳優のノート

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    俳優がここまで一本の演劇に情熱を注ぎ込むのか、ということが実感として迫ってくる作品。自分自身の仕事への取り組み姿勢を反省させられる。松岡訳の『リア王』は読んだことがないので、来年読みたい。本書のもとになった芝居をみたかった。

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    2016年12月31日
  • 俳優のノート

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    「『リア王』の稽古は一九九七年十二月から始まる。初日が年を越して一九九八年一月十七日だから約一ヶ月間、休日と舞台稽古を除いた稽古実数は三十四日である。〜 この日記は、稽古開始四ヶ月前からのものである。」

    この一文から全てが始まる。


    まず、この本を知ったのは、ある女優さんがブログで紹介していたから。

    短く簡潔な一文だったけれども、とても読みたくなる一文だったので、翌日には、即購入。

    とても、濃密な読書体験でした。


    「走り書きで書いたもの」でありながら、準備段階からの「リア王」のイメージ作り、毎日の稽古の内容、些細な日常での出来事など、かなり丁寧に、子細に書かれている。

    山崎さんの

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    2016年05月19日
  • 俳優のノート

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    これまた凄い本です。一つの作品をここまで掘下げるのか,ここまで考え抜くのかと感動しました。この本も,自分で自分を叱る本リストに登録します。

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    2014年07月29日
  • 俳優のノート

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    ネタバレ

    俳優にとっては刺さるところしか無い一冊。内臓まで曝け出す覚悟が、わたしにはあるだろうか?作品のパーツとして、あるべき働きをしたいと思う今日この頃。あー、芝居がしたい!

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    2025年05月11日
  • 柔らかな犀の角

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    名優山崎努の読書にまつわる事柄は、紹介する書籍から見える世界への傾倒を愚直に伝えてくれる。読みたくなる、このシンプルな情感を抱かせる彼の筆致は楽しい時間を読者に与えてくれる。文化芸術というと敷居が高く感じるけど、実はそんなことはない、生活の片隅にひっそりと佇んでいる。そこに気付くか否か、世間の目や常識とは無縁の個人としての面白みを大切にしようではないか。

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    2023年09月06日
  • 俳優のノート

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    俳優の役の臨み方が、日記を追うごとにわかる。セリフやストーリに自分をはめるのではなく、自分の腹に落とし込んでから演じることで、人ごとから自分ごとに変えていく本質が見える。

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    2022年10月26日
  • 俳優のノート

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    山崎努さん大好きなので読みました
    ひとつの作品に対しての考え方とか準備とか、どんな思いでやっているのかとか知れて良かった
    リア王未読なので読んでからまた読みたい

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    2020年06月09日
  • モリカズさんと私

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    映画「モリのいる場所」の主人公 熊谷守一。
    この芸術家に関係する方々のお話。
    映画のモリ役、山崎努さんはロケ中の話を日記的に。
    その映画監督や写真集「独楽」を出版しているカメラマン・・・・
    先日、映画行ってしまいました。
    樹木希林さんは、相変わらずいい味出してましたね。

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    2018年06月11日
  • 柔らかな犀の角

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    フリーマーケットで100円で売っていて、タイトルと概要は前から知っていたので買った。帰りしなに、その店の店主の知り合いらしきお婆さんが「きっと良い本買われたと思いますよ!」と声を掛けてきた。内心で、そんなこと分かってるよなんて思いながら帰ったのだか、読んでみて自分の生意気さを恥じる結果になった。良い本だ。この本に出てきた本で、読みたくなって買ったものがいくつかある。俳優業の中で培われたのだろう筆者の言葉も有難い。曰く「人生で避けるべきは危険ではなく安全」なのだそうだ。しびれる。こんな老人になりたい。
    フリマで声を掛けてきたお婆さんは本の内容を知っていたのか、あるいは何か感じるものがあったのか。

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    2018年06月10日
  • 柔らかな犀の角

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    ネタバレ

    好きな俳優さん。
    その、深く、つかみどころのないような
    渋い演技が好きなのだけれど
    その胸の内には
    何冊もの読書と思考が
    沈んでいて
    すくいとられた
    人間についての考察が
    ああいった素晴らしい演技として
    表現されているのだと
    改めて思った。

    ますます好きになり、
    紹介されている本も
    心して読みたいと思った。

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    2018年06月06日
  • 柔らかな犀の角

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    何気なく手にとって数ページ読んだら本棚に返したくなくなった。
    文章がすごくうまい。
    連載コラムのまとめ本であるから、好きな節から拾い読みできる。
    “連載コラムのまとめ本”ではあるが、よくある有名人のエッセイ集とは別格、老優の分厚い含蓄のある文章が冴える。

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    2015年01月17日
  • 「俳優」の肩ごしに

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    日経新聞の「私の履歴書」を一冊にまとめた物。生い立ちから現在までを俳優業とは何か演技とは何かというのを淡々として語っている。俳優にありがちなエゴを全面に出すのではなく、与えられた役割をこなしていくのを信条としているので、あまり演じたキャラクターへの思い入れがないようだ。自分は必殺仕置人の念仏の鉄が大好きだったので、その辺を語ってくれるかと期待していたが、ほとんどなかったので残念。どちらかというと文芸作品映画、テレビ、シェークスピアの舞台などが話の中心で少し私にとっては退屈でした。

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    2025年02月04日
  • 俳優のノート

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    ネタバレ

     演技をすること、芝居をすることは、自分を知るための探索の旅をすることだと思う。役の人物を掘り返すことは、自分の内を掘り返すことでもある。そして、役の人物を見つけ、その人物を生きること。演技を見せるのではなくその人物に滑り込むこと。役を生きることで、自分という始末に負えない化けものの正体を、その一部を発見すること。
     効率を狙って安心を得るのではなく、勇気を持って危険な冒険の旅に出て行かなくてはならない。手に入れた獲物はすぐに腐る。習得した表現術はどんどん捨てて行くこと。

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    2021年07月25日