くりたゆきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不登校から全寮制のフリースクールに入所することにした中学2年生の主人公がの1年半にわたる生活を描いた小説です。
「学校に通う」ということだけがすべてではない。相手がどのように感じ、考えているかは決してわからないのだから、思い悩んで苦しむのではなく、自分の気持ちに正直に生きればいい。他人から指示されたことや望まれることに従うのではなく、自分が何をしたいのか、自分はどう考えたいのかということにじっくりと向き合うことがよい。
そんな、「ありのままでいること」の価値を改めて感じさせてくれる物語でした。
ぎくしゃくしていたり、どうしてもわかり合えずに反発している家族であっても、しばらく距離を置いて -
Posted by ブクログ
中学2年生の夏、学校に行けなくなってから引きこもり気味だった主人公の少年が、東京の山の中にある寮制のフリースクールに入る話。小中学生向けかな。
そこにいる子供たちは、皆心のどこかに傷を抱えている。
最初は心を開けず、ぶつかり合っていた子供たちが、そこで共に過ごすことによって心の内を打ち明け合うことが出来るようになり、少しずつ心の傷を癒していく。
主人公の抱えていた傷が痛くて、スタバで涙してしまい、慌てて読むのを止めた。そして家に帰って続きを読んで号泣した…。
スタンド・バイ・ミー(そばにいて)より、スタンド・バイ・ユー(そばにいるよ)。
とても心に響いた。
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Posted by ブクログ
こんなフリースクールがあったらいいなぁ。
でもきっと、家や学校から遠く離れた場所に一人で飛び込むのは相当な勇気がいるだろう。
そうまでして主人公薫が選んだのは森にある寮付きのフリースクール。
何を学ぶかは自分次第。
これまでの生活や勉強との違いに戸惑うが、やがて自分なりのペースを掴み、同い年の仲間とも友情以上のものを築いていく。
そしてここに来ることになった、自分の心の中の傷にもゆっくりと向き合えるようになっていく...
そう、今の時代は何でも速すぎるのだ。
流れ作業のように短期間で課題の答えを出さなければならない。
でも人生はそう簡単に答えが見つかることばかりではない。
本当はちょっと立 -
Posted by ブクログ
不登校になった薫、山の中の全寮制のフリースクールに入ることになる。
そこには色々な事情を抱えた子ども達がいた。
そこで生活しているうちに同じ学年のイズミと銀河と心を通わせるようになる。
薫が抱えている心の闇は親友の死に原因がある。
他の2人は家庭に問題があるようだ。
このフリースクールは、学習をするところではなく、生活する力をつけ、元の社会へ戻っていく。
理想的な環境のようだ。
学校へ行けなくなった子どもだけでなく、みんなこんなところでは成長できれば、なんて思う。
生きづらい世の中、ここはきっと理想郷だ。
近所の一人暮らしのおばあさんの最期に偶然にも出会ってしまうのだが、今の社会、こんな風に人