図野象のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公美帆のどうしようもなさにあきれながら、この話しどこに向かっていくのだろうかと興味本位で読み進む。
頼れる家族も仲間も友だちもないと思っていて、買い物とセックスに依存。借金でどうにもならない状態。心を虚無にして、どうでもいいやと思う。自分の心を守るために現実から目を背けるしかない心境は理解できる気がする。でも、加代子を突き落とすことになったことへ罪の意識はあるのかとか、ナムちゃんを自殺へ追い込むことになっていることとか、何となく共感できない部分があってしっくりこない。
最後は、家族の愛情を確かめ合ったり、宇津木くんがすごくいい奴だったり、お涙頂戴的な話になってしまって、話の展開にも少し残念 -
Posted by ブクログ
カラフルな装丁に惹かれて。
なかなかの衝撃作だったな〜(°_°)
買い物依存で性依存、借金まみれのメンヘラな主人公の美帆。
この作品、美帆ももちろんだけど、その周りの人達もだいぶイカれててヤバかった〜
だけどこういう現状の人って結構いるんだろうな〜ってなんかリアルを感じる。
破滅的で自暴な美帆の生き方は、ほんとなら嫌悪感持つし共感も出来ないのだけど、語りが明るく軽快なタッチだからか、ちょっとミステリ要素もあったからなのか、しんどくならず面白く読めた。
それにしても、出てくる人がみんな不器用すぎた。
母親の『人がちゃんと正しいことができるのは、健康な時だけ』という言葉には、ほんとそう -
Posted by ブクログ
遠い昔、『限りなく透明に近いブルー』を読んだ時のような、なんとも言えない倦怠感みたいな、虚無感みたいな説明不能の感情に支配された。しかしながら一気読み。
お母さんの「わたしより先に死なないでね」の言葉は、こういうストーリーの中での良心。ファッションとしての「死」とか、中二みたいに思えてしまう。
p121
一家離散寸前に母親から手切れ金3万円を渡されて「男はいるの?」と聞かれる。
それに対して美帆が「貧乏でバカでなんの才能もない女は男に媚びるしかないの?
?」と言うのに対して母親が
*「それの何が嫌なのよ。あれかしら、女が下に見られるのが嫌、女を敬え、みたいなこと? 最近の女の人たちってよくあ