李箱のレビュー一覧
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母国である観光ではその名を冠する賞も樹立されているほどの評価を受けている李箱さんの作品集。全体的に厭世的で無気力な雰囲気が漂っている作風で、この世を俯瞰しているかのような達観した思考を持った主人公が多かったです。
話の流れはどれも不明瞭かつ難解だと感じましたが、左記も登場人物の各々が、自己の殻に閉じこもって一人この世の実質を思考し続けた末の結果なのかなと考えました。
表題にもなっている「翼」においては収録作の中では最も理解しやすい話だと感じており、また相当な感動を受けました。左記作品を読むためだけに買ってもおつりが来ると私は思いました。
本作の約1/3ほどは作者である李箱さんの解説に費 -
Posted by ブクログ
「翼」だけ読んだ。
怠惰なヒモ男の話。はじめの「剥製にされた天才」云々の部分は意味がよく分からず読み解けなかった。それ以降はするする読めたが、特別印象に残った部分はなく。結構あっさり終わった。
ヒモ男は子どものようで、読んでいて意外とイライラしないが、かといってチャーミングだと感じるほどでもない。
ヒモ男の魅力(?)ならば、坂口安吾「いずこへ」や「私は海をだきしめていたい」の主人公の方が断然優っていると個人的には思う。魅力といってよいのかはよく分からないが…とにかくかなり印象的ではあった。
解説曰く、彼らや彼らの部屋は「資本主義化された京城(ソウル)のメタファー」とのこと。そして、冒頭の私に -
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植民地時代の朝鮮にも
モダニズム文化は日本から流入した
そしてやはり古い文化との軋轢が生じたんだ
李箱という人は新旧文化の…
別の言い方をすれば日本と朝鮮のはざまで
一足早くポストモダン的なものに目覚めたらしい
将来の家父長たるべき若旦那として
消費社会の恩恵もいっぺんに受けたいという
ぼんくらの願いそのもの、と僕には見えるんだけど
でもまあそれが人の本音というものですよね
ドストエフスキーなんか捨てちゃって
マルメラードフのように生きたいね
「烏瞰図 詩第一号」
群衆のなかに「私」は存在しない
透明な存在として溶け込んでいる
「翼」
妻に飼われて生きてる亭主
飯を出してもらった上に寝てば