李箱のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「翼」だけ読んだ。
怠惰なヒモ男の話。はじめの「剥製にされた天才」云々の部分は意味がよく分からず読み解けなかった。それ以降はするする読めたが、特別印象に残った部分はなく。結構あっさり終わった。
ヒモ男は子どものようで、読んでいて意外とイライラしないが、かといってチャーミングだと感じるほどでもない。
ヒモ男の魅力(?)ならば、坂口安吾「いずこへ」や「私は海をだきしめていたい」の主人公の方が断然優っていると個人的には思う。魅力といってよいのかはよく分からないが…とにかくかなり印象的ではあった。
解説曰く、彼らや彼らの部屋は「資本主義化された京城(ソウル)のメタファー」とのこと。そして、冒頭の私に -
Posted by ブクログ
植民地時代の朝鮮にも
モダニズム文化は日本から流入した
そしてやはり古い文化との軋轢が生じたんだ
李箱という人は新旧文化の…
別の言い方をすれば日本と朝鮮のはざまで
一足早くポストモダン的なものに目覚めたらしい
将来の家父長たるべき若旦那として
消費社会の恩恵もいっぺんに受けたいという
ぼんくらの願いそのもの、と僕には見えるんだけど
でもまあそれが人の本音というものですよね
ドストエフスキーなんか捨てちゃって
マルメラードフのように生きたいね
「烏瞰図 詩第一号」
群衆のなかに「私」は存在しない
透明な存在として溶け込んでいる
「翼」
妻に飼われて生きてる亭主
飯を出してもらった上に寝てば