定方晟のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすく整えられた翻訳。これまで、逐語訳の方が多かったから新鮮。詩句は語感というか、七音や八音の後に五音で終わる、という、日本人に心地よいリズム感になるよう意識して訳されていて、拘りを感じた。解説曰く、原文の方も韻文として作られているから拘ったとのこと。さすが。
立派な人だった、という触れ込みで読み始めたというのに、最初に出会うアショーカ王が「残忍アショーカ」。そこから立派な王になったというのに、愛する息子クナーラの受けた仕打ちから、本人が許しているというのに怒りを抑えきれずに行動してしまっている辺り、性根は変わっていないというか、善悪どちらも併せ持つ存在なのかな、と。アショーカ王もク