【感想・ネタバレ】アショーカ王伝のレビュー

あらすじ

インド亜大陸のほぼすべての地を統一したマウリヤ朝第三代の王・アショーカ。ダルマ(法)による政治を行い、八万四千におよぶ塔の建立、五年大会の開催など、仏教の守護者として歴史的に名高い。本書は、その生涯をサンスクリット原典から訳出。王はいかにして熱烈な仏教徒となったのか──。家族をめぐる劇的な出来事をはじめ、伝記は興味深い逸話に満ちている。古代インドにおける仏教徒の世界観や人生観が王の行跡から垣間見えるとともに、凡夫の煩悩を持ちながら聖なる世界を希求したアショーカの姿は、現代を生きるわれわれを引きつけてやまない。巻末には本書をめぐる詳細な解説を付す。

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Posted by ブクログ

 読みやすく整えられた翻訳。これまで、逐語訳の方が多かったから新鮮。詩句は語感というか、七音や八音の後に五音で終わる、という、日本人に心地よいリズム感になるよう意識して訳されていて、拘りを感じた。解説曰く、原文の方も韻文として作られているから拘ったとのこと。さすが。

 立派な人だった、という触れ込みで読み始めたというのに、最初に出会うアショーカ王が「残忍アショーカ」。そこから立派な王になったというのに、愛する息子クナーラの受けた仕打ちから、本人が許しているというのに怒りを抑えきれずに行動してしまっている辺り、性根は変わっていないというか、善悪どちらも併せ持つ存在なのかな、と。アショーカ王もクナーラ王子も、前世の行いから繋がった現世の姿になっているので、輪廻転生が当たり前の世界観だな、と。

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2025年10月13日

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