作品一覧

  • アショーカ王伝
    4.0
    1巻1,100円 (税込)
    インド亜大陸のほぼすべての地を統一したマウリヤ朝第三代の王・アショーカ。ダルマ(法)による政治を行い、八万四千におよぶ塔の建立、五年大会の開催など、仏教の守護者として歴史的に名高い。本書は、その生涯をサンスクリット原典から訳出。王はいかにして熱烈な仏教徒となったのか──。家族をめぐる劇的な出来事をはじめ、伝記は興味深い逸話に満ちている。古代インドにおける仏教徒の世界観や人生観が王の行跡から垣間見えるとともに、凡夫の煩悩を持ちながら聖なる世界を希求したアショーカの姿は、現代を生きるわれわれを引きつけてやまない。巻末には本書をめぐる詳細な解説を付す。
  • 須弥山と極楽 ――仏教の宇宙観
    5.0
    須弥山とは、高さ約56万キロメートル、天神らが暮らす想像上の高峰である。5世紀頃インドで書かれた仏教論書『倶舎論』はこの須弥山を中心とする壮大な宇宙を描き出し、仏教が宇宙をどう捉えたかを詳細に解説した。本書は、『倶舎論』を基礎に他説も参照し、仏教宇宙観を簡明に記す。人間より優るが欲望の虜である天神とはいかなる存在か。「蛆虫に骨をうがたれる」といった地獄の責苦、世界を構成する四大と極微、宇宙の消滅と生成のサイクルなど、幅広く解説。後代に現れる極楽浄土の思想をも取り上げて、人生を苦とし、輪廻と解脱の思想を根底とするこのユニークな体系の変遷をたどる。長年読み継がれてきた入門書。

ユーザーレビュー

  • 須弥山と極楽 ――仏教の宇宙観

    Posted by ブクログ

    新版が出る前の新書で読んだ
    普段使っている言葉が何処から来たのか
    仏教の用語が私たちの日常にいかに深く浸透しているのかがよくわかる一冊。必読書

    0
    2024年12月25日
  • アショーカ王伝

    Posted by ブクログ

     読みやすく整えられた翻訳。これまで、逐語訳の方が多かったから新鮮。詩句は語感というか、七音や八音の後に五音で終わる、という、日本人に心地よいリズム感になるよう意識して訳されていて、拘りを感じた。解説曰く、原文の方も韻文として作られているから拘ったとのこと。さすが。

     立派な人だった、という触れ込みで読み始めたというのに、最初に出会うアショーカ王が「残忍アショーカ」。そこから立派な王になったというのに、愛する息子クナーラの受けた仕打ちから、本人が許しているというのに怒りを抑えきれずに行動してしまっている辺り、性根は変わっていないというか、善悪どちらも併せ持つ存在なのかな、と。アショーカ王もク

    0
    2025年10月13日

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