ロビン・ダンバーのレビュー一覧
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キリスト教の本質を読んだあとにきになっていた本。紹介文でアニミズムやシャーマン文化について触れていたのが手に取るきっかけだったのだけれど、宗教が脳の発達や増えすぎた人間の適応の結果であることや、人間の社会的集団の人数の限界についての考察が面白い。宗教がある一定の信者数を超えると分裂することがわかり、それを超えないようにしている宗教があることなどタイトルからは思いもよらなかった内容に驚いた。
集団人数についてパーティーに置きかえると、予々思っていた大規模になりすぎると野暮な客や調和しない客が混ざって雰囲気が損なわれることが多々あり、適切な規模のやや閉ざされたパーティーが良いのではないか?と考えて -
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私が改めて述べるまでもないような名著。人間の脳のサイズから、集団が安定的な社会関係を維持できるとされる人数の認知的な上限(約150人)を示したロビン・ダンバー。彼の名を取ったダンバー数という言葉もよく聞くが、本書ではそうした考察を基礎とし、宗教について考える。
宗教といっても大きく「シャーマニズム宗教」と「教義宗教」ということで本書では区別して定義され、前者は道徳的な戒律が必ずしもあるわけではなくロールプレイを基礎とした儀式が主となるが、後者は、道徳的な戒律、聖書や仏典のような書物、教会のような空間、ロールプレイを規定した儀式がパッケージ化されたものだ。この教義宗教において、独自の「解釈」が -
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ネタバレなぜ組織の人員が増えると物事がうまく進まなくなるなるのか、について事例や研究結果を交えて答えてくれる本。
組織が成功する要因を、目的、文化、学習、価値観、帰属意識、つながりの6要素とするスライブモデルを提案している。
噛み砕いてしまえば、居心地の良い職場、気のおける同僚を作ろう、一緒の空間で仕事をしよう、ということだが、
それを丁寧に解説、理論立てて説明している。
読んでいて面白く、職場に対する気持ちが変わる本。
生来のコミュ障にはかなり辛い内容ではある。コミュ障はメンタライジング能力低いか、ダンバー数の上限が人よりも低いのだろうか。 -
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宗教は人間の脳が大きくなるにつれ、共同体の規模が大きくなるにつれ、必然的に生まれた。
宗教の最大の意義は共同体を安定的に維持すること。
人間が親密さを持って接することができる人数の上限は150人前後。共同体の人数がこの数を越えると帰属意識が薄れていく。それを防ぎ共同体を継続して維持していくために儀式を伴う宗教で人々を団結させる必要があった。儀式や歌は人々を高揚させトランス状態に導く。トランス状態に入ることで巨大な共同体につきものの人間関係のトラブルはリセットされる。
周囲と一体感を得ることでエンドルフィンが分泌され幸福感が起こり、NK細胞が活発化して免疫が高まり、利他的な気持ちになって共同 -
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タイトルに魅かれて読んだ。
私自身、特に信仰している宗教はない。
だからこそ、何故人々は神を信じ、信仰するのか。何故、宗教は存在するのかと常々疑問に思っていた。
著者の考察は大変興味深かった。
著者は、宗教には大きな二つの流れがあると考える。一つは、連続的共同体で実践される慣行体系と位置づけて、儀式などの慣行が果たす実用的な役割、つまり「行なうもの」。
もう一つは、より哲学的で、心理的な観点から、宗教を包括的な世界観ととらえる。共同体のなかで、さしたる証拠もなく受けいれられている一連の信念であり、この場合の宗教は「信じるもの」である。(p18)
特に興味深かったいくつかの項目を挙げる。
まず -
Posted by ブクログ
難しかったけど面白かった。
まず翻訳はとても自然で、翻訳による読みにくさはほぼない。
「宗教は何で生まれたのか?」「なぜ人間は宗教を信じるのか?」「宗教はどうやって他人に共有されるのか?」「宗教はいつ生まれたのか?」といった、宗教に関する根源的な問いを考察している。
そのアプローチが物凄く幅広い。脳科学、文化人類学、地理学、進化論など、様々な分野を一冊で横断している。「ん?これって宗教の話だったよね?」と思うほど、各章で宗教ではない分野を深く論じた後に最終的に宗教の話に戻って来る、という構成になっている。
最後の解説が好き。イギリス人の著者が宗教を論じているので、宗教との距離感が独特な日本 -
Posted by ブクログ
生物学的な考え方から組織のあり方、リーダーシップのあり方を説いた一冊。
ダンバー数が150人ということは何となく聞いたことがありましたが、それがどういう意味で現代社会にどう影響をしているかということを改めて知ることができました。
冒頭で、著者はこの本の目的について、このように述べています。
○私たちの心理と行動が適応しているのは非常に小さな世界であって、現代人が暮らす大都市や仕事をするメガ組織ではないのだ。現代社会においてあらゆる人間の組織が直面するジレンマとストレスは、私たちの本来の姿と現在暮らしている環境間の緊張状態によって生み出されるのだ。これが本書の要諦である。
動物の脳の大きさなどに -
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