ロビン・ダンバーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
メイン邦題『起源』ですがサブ邦題は『なぜ神が必要だったのか』。いつものごとくなくならないなら仕方ないとしてもその仕方なさを何度も読みたがる私。精神科医とかからすれば『その態度こそが信仰心の表れ。自分に合う神を探そうとしてるだけだ。』とか言われちゃうのかな。そうなのかも。世の中あまりにも寄るべきところがなさすぎて神(自分の脳内でどうにでもできるシロモノなので裏切られようがない)にでも縋らないと生きていけないですものね。さてこの本、しょっぱなからおもろい。
はじめに
この本がこれから考えていく基本的な問題を2つあげる。1つは『なんで人間はこんなに宗教を信じようとするのか(信念に関する疑問)』もう1つは『なんで宗教はこんなたくさんあるのか(歴史に関する疑問)』でもこれよね。この2点。ここを80億人全員がほんの少しでも冷静に考えることができたら世界はもっと優しくなるのにね。自身の信仰心の正当性を疑うのが難しいなら異教でもなんでもいいし、加えて異教でなくても同じ宗教のなかに派みたいなのがあるんでしょ?そこを『あいつらは間違ってる。悪魔だ。俺だけが正しいんだ。』じゃなくてなんで自分はこんなに宗教に拘ってるのか、なんで同じ宗教ですら派があるのかと考えればいい。ついでにあげると宗教の寿命もね。
第1章 宗教をどう研究するか
宗教の歴史を文字通り駆け足で。
第1章 神秘志向
トランスやシャーマンについての記述が続き章最後には『霊的世界への信仰(神秘志向)は大昔からあってそれが我々の心から引き出すのは言葉では説明しがたい圧倒的な生身の感情、どんな(原始的宗教に見えても洗練された最終系真理の宗教だと戯言をたれても)宗教も全ての宗教行動の土台となっていると思うわ。それが信仰心の原動力、宗教的経験に生彩を与えるんとちゃいます?』としている。
そうそう。宗教ってキモチイイから続いてるんだと思う。それについては5章で。
第2章 信じるものはなぜ救われるのか?
ここも書き出しがいい。『正当な進化的理由で存在する心理機構の非適応副産物っていうのもまるっきり間違いとはいわへんよ。人間は生物学的心理学的に正当な進化の副産物ってたくさんあるからね。でもこんだけ時間・感情(労力と言わずに感情ときたよ)・金を浪費すんのに完全に非適応で無益ってそんなことあるか?さすがに進化はそこまで非効率ちゃうやろ。』とのこと。ここまでの記述もそうなんですが特定の宗教への肩入れを一切感じさせないさっぱりした口調がいいですね。(AIに筆者の信仰を聞いたところ『無神論者』とのこと。だよね。まさに無を感じる。宗教を嫌ってたらこういうフラットな感じにはならんよな。子供の頃アフリカにいて様々な宗教が身近にあったことから無神論者として客観的に宗教を考えているんだとか。AIは平気で嘘をつくので本当かどうかわからんけど。)
個人・社会レベルのメリット、共同体の結束。まぁ内容は書いてある通り。そりゃありますよね。いつも議論になるのはメリットがあるかどうかではなく(あるのは明白)デメリットが大きすぎることだもの。
めっちゃ身近な例でいくと例の宗教って入るといろんな横のつながりができそうですもんね。仕事や結婚相手を斡旋されたり。芸能人に多いのもなんか納得。
第3章 共同体と信者集団
人間の自然な共同体、個人の社会ネットワーク、教会の信者集団、人間の脳の大きさから測定する適切な集団規模=150人。
楽しいのは個人の社会ネットワーク同心円。自分=1.5、親友=5、かなり親しい友人=15、良い友人=50、友人=150、知人=500、名前を知ってる=1500。なんでか分からんけど3倍ゲーム。
1日のうち平均3.5時間を社会的交流に使用。4割は5人に。6割は15人に。良い関係をキープするためには時間と努力が必要。友情は薄れやすくたえず強化する必要あり。そうだよねー。私は古い友人らと連絡を取らない(取れない、取ってもらえない)ことにちょっと罪悪感というか、自身の無価値具合をひけめに感じるところがあるんですがこうやって数字とともに説明されるとなんかうれしい。あと古い友人って良くなってるケースもあるけど悪くなってることも多々ありそうだしね。性格も経済的にも健康面でも。思い出は若く無邪気で綺麗なまま脳内で美化を進めた方が結果いいような気もするし。
まぁそれはいいのよ。
ちょっとページ戻って友達が多い人は脳の特定領域の容量が大きいと書いてある。こういうのもなんか嬉しいわ。俺に友達がいないのは生まれつきの脳(ちょっと小さい、ちょっとね)のせいかも知れないんでしょ?俺の性格とか努力不足じゃなくてさ。芸能人がポジティブ奇形のように、陽気で友達が多い人も脳のポジティブ奇形なのかもだし。
第4章 社会的な脳と宗教的な心
霊長類やサルは平均50。狩猟民族は50より小さいがバンドが集まって共同体を形成しさらにメガバンドが出来てそれが集まってひとつの部族になる。人間はどうやって50を超えて結束集団を作りえたのか、を考える章。で、集団結束力を高めるものとして脳内麻薬、エンドルフィン登場。
グルーミングに時間をかけるサルや類人猿。グルーミングは毛づくろいが真の社会的価値ではない。毛の中に指をすべりこませ皮膚に軽くゆっくりと触れる手の動きにあるそうで、ここで脳直結のC触覚線維(求心性神経)が反応、この神経の唯一の仕事は脳内でのエンドルフィン分泌を促すこと。
へーーーーーーーーーーーー。
エンドルフィンは気分が明るくなり、相手との強いつながり(帰属意識)を生じさせ免疫調整も行い健康状態の維持につながる。我々人間は200万年前に大半の毛を失っているがそれでも触れることでグルーミングとエンドルフィン分泌は受け継いでいるそうな。
でも、と。(こっから好き)グルーミングは数に限りがある→社会集団拡大の必要に迫られたときに2人以上に同時にグルーミングする方法を考え出した→触れずともエンドルフィン分泌を促す方法(獲得した順)笑う、歌う、踊る、感情に訴える物語を語る、宴を開く(飲んで食べる)、宗教儀式。
へーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
私は常日頃『人間は仕事とか社会的役割とかそんなゴミみたいなことのために生きてるんじゃない。ただ笑えること、歌えること、踊れること、この3つのために生きてるんだ』と話して周りから早く話終わんないかなこのキチガイという目で見られるんですがまさにこの順番(確かに必要な動作が大きくなってる)で新たに獲得した遠隔疑似グルーミングだったのね。これからはこの3つの前に『触れ合う』を入れないといけないんだ。んでこの並びに宗教が入ってるのがちょっと無理あるくない?と思ったものの一部の宗教感情は恋愛に似てるとの記述があって納得。
んで次にメンタライジング(マインドリーディング、相手の意図を理解する)の話なんだけど。
心の理論,メンタライジング,志向姿勢の次数などが解説されている)ここも気持ちいい話。
宗教が成りたつには人知を超えた別の宇宙があり霊的存在がそこにいることを想像できなければならないし伝道には自分の観念を他者に伝達する能力がなければならない→メンタライジング→5次志向性必要
どうせすぐ忘れるから書いとくけど『会議は2時からだと思ってるんじゃないかとピーターがスーザンに確認するつもりがあるかどうか、ジェニファーが知りたがっているとビルは思っているのではないかと私は思う』 これが5次だそうな。6次になると2割の人しか理解できないそうで大体3次から6次に分布すると。んでまた前頭前皮質・側頭頭頂接合部・側頭葉の一部・大脳辺縁系特に偏桃体とメンタライジング能力、友人の数、扱える言葉の複雑度、面白いと思える小説の複雑度、会話集団の大きさに相関関係があるとのこと。後にまた別の表現が出てくるからいいんだけど宗教に向いてる人って実は賢くて友達が多い人で向いてない人はその逆ってこと?私が宗教に嵌らないのは脳が小さくて友達がいなくて言葉選びが幼稚でアホみたいな本にしか興味が持てないからってこと?たとえ事実だとしても言い過ぎじゃない?
と、ヒステリックになってみたものの、頭の中にベン図を描いてみるとそれだけではまだ悲観することはないなと気を取り直して次に。
でさぁ。この章で最も好きな箇所なんですがね(P.142)
『メンタライジングは行為主体検出傾向や統合失調症と関係なく主教に正の影響を及ぼしている。また行為主体検出傾向と統合失調症には密接な関係があり統合失調症的な思考をする人は行為主体を過敏に検出する傾向がある。宗教心を持つ人は幻視を見やすかったり人智を超えた世界を想像して神の精神状態を深く考察できる人であることが示唆される。この結果は宗教心の強い人には2種類あって没入型と教義型とという全く異なる2つのタイプの宗教を信じている可能性を示唆している。』
ロングイヤーの違和感が説明されてるわ
○○を信仰していますっていう人たちを見ると、そのー。。。。真ん中がいないような気がしてたんですよね。上にちょろっと、下に大勢というか。えぇ勿論人間に上も下もないですよ。そんなことあるわけないじゃないですか。国とか肌の色とかそんなの関係ありません。あくまでも私の頭の中の整理の仕方の話です。行為主体過敏検出っていい言葉ですね。私の辞書で言い換えれば『何様?指数が高い』でしょうか。自分の人生に意味があると思ってる奴ら。物語の主人公は自分だと思ってる奴ら。(実際私も含めて脇役ですらない、ただの有機。)自分に神からのメッセージが届くと思ってる傲慢な奴ら。(自分にメッセージが来る前に行方不明の少女を探す両親や警察、小児がんで一度も外気に触れたことがない子供、とかに行くと思わないのかな。もし神がいたとしてもお前にメッセージを出すのはおそらく2000年後だよ。)ひどいのになると自分が野球場に観戦しにいったら。もしくはTVで観戦したらひいきのチームが勝つとか負けるとか言い出す奴もいますよね。まぁでもイライラするのはやめましょうか。統合失調症的なんですよと言われたらもう何も言っちゃいけないし。
続けて同ページ。『自閉症と診断される人はメンタライジング能力が低く体系化傾向(規則に基づく整然とした精神世界を好む、集める・並べる・整理する)が強いが、神を信じるかどうかはメンタライジング能力のみ。男は女性より自閉症傾向が強く体系化傾向がありメンタライジング能力が低い。』
それだけじゃない。ええ。それだけじゃないけど。信じる奴は統合失調症だし信じない奴は自閉症ってことでいいですかね。今までこんな簡単な解決法あった?誰も傷つかない。お前宗教やってるってさては統合失調症だな?って言われたらお前こそ自閉症だろ黙って切手でもペットボトルのキャップでもシールでも集めてろよ、で終わり。平和。だって全員キチガイなんだから。宗教にどっぷり嵌って金貢いで結婚相手勝手に決めてもらって霊感商法してサリン作って政治や大学箱根駅伝に侵入するのもキチガイ。神なんているわけねぇだろと整然と整理された部屋で自慢のコレクションを眺めてる奴もキチガイ。ステキやん。
P.144 さらっと書いてることなんだけど『アメリカの調査で人格神を信じている男は女性の半分だった』てことはよ。調査したアメリカ成人の半分以下はキリストを信じてないってこと?あいつらにそんなことある?調査対象にイスラム教徒入ってるだけなのでは?みたいな。ここさすがにおかしくないかな。
第6章 儀式と同調
『なんで儀式があるかっていうのはシボレテ仮説(作法を知ってることで自分がちゃんとした共同体の構成員であることを示す)、コストリーシグナル仮説(不便苦痛時間費用がその宗教から離れずづらくさせる),向社会性仮説(そのまんま)、共同体結束仮説(そのまんま)とか言われてるし互いに対立するとか言われてるけどそんなことないで。要は儀式がエンドルフィン分泌を促すかどうかが重要なんやで。エンドルフィンは脳の疼痛抑制やから痛み誘発で分泌されるけどめっちゃ出やすいのはジョギングとか踊りみたいなリズミカルな動きで持続的で弱い痛みで出るんやで。さらにカギになるのは同期性、みんなで同じ動きをすることやで。(エンドルフィン効果を増幅することは確かやけど仕組みはようわからんままや)』
私はマラソンやサウナを愛する人たちへの嫉妬(私には何十キロも走る気力も体力もなければ非常識な高温多湿な箱に閉じこもっていられるほど安定した自律神経もないので)としていつも心の中で『脳内麻薬中毒患者がなんかほざいてるわ。そりゃ脳内で麻薬がドバドバ出るからやめられへんやろうけどそんだけお前の身体は危険な状態やと警告発生してるってことちゃうんけ?せいぜい膝、脳や心臓の血管を大事にしぃや。』とつぶやいていますが(嫌われるので声にはしません。まぁ目には出てるかも。)、宗教儀式にも同じようなことがありそれは笑い・歌・踊りに近いと。まぁ近いどころか大声で歌って踊ったりしますもんね一部の宗教では。私たちに自由意志なんて贅沢なものはなくて目に見えないほどのホルモンによって動いてるだけなんでしょうねぇ。蟹とかカブトムシと一体何が違うというのか。犬や猫のようにとびきりかわいいわけでもなく。
本筋からずれるサイドメニューのような話題ですが、儀式の中で重要な歌唱。男の声がきっちり1オクターブ違う(オクターブ等価性)ことで大きな集団での結束を固めることに役立ってる仕組みだそう。しかも対格差から考えても男の声は低すぎてなぜきっちり1オクターブなのか説明がつかないとか。なんでしょうね。1オクターブ下(もしくは上)の音域で話す個体に性的魅力を感じるようにできてるのか。高すぎると耳障りで、低すぎると聞き取れないとか?
第7章 先史時代の宗教
宗教が人間から分かつごとができないとして、じゃあいつからなのよということでまた宗教の歴史に。ネアンデルタール人は声を合わせて歌いトランス状態になることがあったかも知れないがシャーマンの登場はないだろうと。メンタライジングが5次に到達したのがホモサピエンスからであろうし我々が考える宗教(極めて原始的なもの)のスタートは20万年前あたりからなのでは、とのこと。
P.182『死後世界への信仰は普遍的でなくシャーマニズムや祖先崇拝とともにアニミズムよりあとにまとまって進化したようだ』『至高神はアニミズム・シャーマニズム・祖先崇拝・死後世界信仰・特定場所の地域神信仰とは違って狩猟採取社会の人たちはほとんど信じていない。農耕や牧畜とだけ結びつくのだろう。』欧米の人たちはそういった部族を見つけると『神様の存在も知らない可哀そうな未開の人(動物同然)』とさっそく布教するんでしょうけども至高神は集団がメガ規模になったから(人々の脳内に)現れたOR植え付けられただけなんですね。なんか繰り返し書いてるうちにこの考え方がより馴染んできた。
第8章 新石器時代に起きた危機
『農耕のための労働力確保=定住化は間違ってる。①自給自足なら家族単位でいい。大量の労働力が必要になるのは産業規模になる時。②農業の歴史は古く、定住が始まった後もしばらくは狩猟採取がメイン。③農業は労少なく栄養大と刷り込みされているが発掘された骨はそうは言ってない。農耕は狩猟生活よりストレスフルだ。農業は重労働で狩猟に戻りたくてももう戻れない。集落が一定の規模になってからは村で生活するために農業を始めた。』わざわざデメリットの大きい方大きい方を選んでますよね人間は。人間の中の無意識がもし喋れるならずっと そっちじゃないってば! と叫んでるかも。いや、人間に搭載されてる限り正しいことは何もしないか。
労働集約のためでなく収穫物防御のために始まったであろう農耕で定住化が進むと、対人関係のストレスも高まる。狩猟民族なら分裂すれば解決だができない。ならばと様々な戦略を試しただろう。歌・踊り・指導者、そして教義宗教。儀式。教義宗教は巨大国家を目指すうえでの最終手段であり至高神は住民の数が膨大になったときのみに出現する発展の最終段階を表す。
主要宗教はいずれも北半球の亜熱帯地方で出現。熱帯は農業生産に有利だが人口密度が上がった場合の病原体への感染リスクは高い。亜熱帯地方は栽培期間が十分に長く感染負荷が小さく人口急増しやすい。それへの対応として至高神を持つ組織宗教が興ったと考えられる。
第9章 カルト,セクト,カリスマ
統合失調症患者は他の人よりも激しい形で宗教現象を経験する。5章の続きのような。
統合失調症って100人に1人とかでしょ?でも進化心理学的には大半の人間が統合失調症的なんじゃなかったっけ。十字架がどうこう豚肉がどうこう言ってる人たちに統合失調症の検査受けました?って聞いたら殺されるんだろうけど。こっちはこっちでASDだし。
第10章 対立と分裂
結論1つめ。信者集団の最適な大きさは多少の入れ替わりがあっても動じないほどの大きさと帰属意識が薄れない程度の小ささが必要。つまり150人程度。んで、それを超えると急速に結束が失われていき分裂の危機に対応するためには階層構造が必要になるが代償としての帰属意識希薄化は不可避。
結論2つめ。宗教は帰属意識を高めるために「私たちvsあいつら」というヒトの自然な心理を利用するんだけど狩猟採集社会では社会は最適規模なのでうまく作用したが農業革命以降これは分裂や宗教戦争を
現代西洋では宗教が衰退しつつあるように見えるけどこれからどんな影響が?とか代替宗教の創設って可能?とかいくつか疑問は湧いてくるけどまぁ宗教は深く人間に根差したものだから中身は時代とともに変わっていくだろうけど私たちから離れることはないだろう。(分かってたけど。。。はぁぁぁぁぁ)
宗教には多大なメリットがあるのは疑いようのない事実だし、人間から取り外せないならばせめて少しでも利用していくしかないんだけどさ。。。でもあまりにも害となるものも大きすぎてやはりため息。まぁでも仕方ないか人間がやることだから。まともなわけがない。1人1人の人間が他人を不幸にするために生まれてきたのだから。
どうせまた3日後には全ての内容を忘れるんだけど、この本で最も良かった点は3つ。
① (めちゃくちゃ乱暴に言いきっちゃうならば)宗教にどっぷり嵌りやすい人(統合失調症的)も全く嵌らず興味ゼロの人(自閉症的)もどっちも脳に問題(障害)があるかもねとやんわり言ってるところ。私が無神論者なのはそういう風に生まれついたから。以上。
② 大きくなった集団は分裂不可避。つまり各宗教の○○派とかは生まれるべくしてそうなってる。本人らは『分裂があらゆる共同体の運命だとしても真実の教義は我々が信仰しているものだ』って言い張るんだろうけどやっぱ無理でしょ。神の教え()が分裂しちゃだめよ。
③ 宗教も所詮脳内麻薬のためにやってるだけ。しかもドーパミンでもセロトニンでもアドレナリンでもない。エンドルフィン。これから宗教の話をされることがあったら『うん、信仰してる。肌に触れること、笑うこと、歌うこと、踊ること。あと激辛料理も。』って言おう。宗教も含めてすべてエンドルフィンブラザーズなのだから。
星5。 -
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ネタバレ著者の提唱している人間にとって安定的な集団サイズである「ダンバー数」について書かれた4章が興味深かった。
本書のテーマからは逸れるが3年会わなければ、かつての親友もただの知人になる。継続的に会う努力を惜しめば友情はすぐに薄れるという部分に思わずハッとなった。
アニミズム信仰からシャーマンの登場、教義宗教の成り立ちがわかりやすく書かれている。
人類の歩みの中で人間の性質上必然的に発生し、時にとんでもない悲惨な事件や戦争を起こしてしまう宗教とは、人類の味方なのか敵なのか?
最大の役割は信念と儀式を共有することによって帰属意識を作り出すことというのが腑に落ちた。 -
Posted by ブクログ
特定の宗教の成り立ちを論じているのではなく、ヒトという生き物が宗教というものを必要としてきた歴史を解き明かしている。
著者自身が開拓してきた進化心理学・進化人類学の知見のみならず、あらゆるジャンルの研究を横断的に分析し、人類の共同体拡大の歴史と宗教の密接な関係性があらわになってゆく過程が見事だった。まさに「巨人の肩の上に立つ」喜びを最初から最後まで提供し続けてくれる。
そもそも、霊長類研究に端を発し進化心理学において偉大な業績を残してきた著者の関心が最終的に「宗教」に結び付いたことが面白い。本書終盤の記述通り、宗教の役割が後景化したように思えても、宗教の代替物は見つからっておらず、宗教が不要となる世界が長続きすることは立証できない。それ故に宗教は、偉大な研究者をも惹きつける研究対象としての魅力に溢れているのだろう。
その事を裏付けるかのような長谷川眞理子氏の解説に登場するエピソードも非常に良かった。個人的体験の域を出ないはずのエピソードが、本書を読んだ後だと非常に示唆的で意義深いものに見える。 -
Posted by ブクログ
キリスト教の本質を読んだあとにきになっていた本。紹介文でアニミズムやシャーマン文化について触れていたのが手に取るきっかけだったのだけれど、宗教が脳の発達や増えすぎた人間の適応の結果であることや、人間の社会的集団の人数の限界についての考察が面白い。宗教がある一定の信者数を超えると分裂することがわかり、それを超えないようにしている宗教があることなどタイトルからは思いもよらなかった内容に驚いた。
集団人数についてパーティーに置きかえると、予々思っていた大規模になりすぎると野暮な客や調和しない客が混ざって雰囲気が損なわれることが多々あり、適切な規模のやや閉ざされたパーティーが良いのではないか?と考えていたことと重なる。
カルチャー全体に視点を当てても、パーティー、スケートボード、キャンプ、釣り、などなどあらゆるカルチャーの一般化により、かろうじて保たれていたカルチャー自体の反社会性が多数の人の流入により崩れたことも頭をよぎる。
SNSが普及した今はもう受け入れるしかない事態なのだけれど、これらの問題が社会的にに問題になった後の再構築はどう為されるのか。
結びで宗教は人間の本質であり、宗教に取って代わる何かの存在を証明するのは難しいとあるが、日常のストレスを和らげ共同体の結束を強くするパーティーは現代の宗教だなと思う。
宗教の起源を読んで様々なことに思いを馳せることになった良書でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜ組織の人員が増えると物事がうまく進まなくなるなるのか、について事例や研究結果を交えて答えてくれる本。
組織が成功する要因を、目的、文化、学習、価値観、帰属意識、つながりの6要素とするスライブモデルを提案している。
噛み砕いてしまえば、居心地の良い職場、気のおける同僚を作ろう、一緒の空間で仕事をしよう、ということだが、
それを丁寧に解説、理論立てて説明している。
読んでいて面白く、職場に対する気持ちが変わる本。
生来のコミュ障にはかなり辛い内容ではある。コミュ障はメンタライジング能力低いか、ダンバー数の上限が人よりも低いのだろうか。 -
Posted by ブクログ
まず翻訳本にも関わらず日本語が非常に読みやすい。記述されている内容も興味深く、実社会でも役に立ちそうなことが多い。最も興味深いのは社会脳仮説と「ダンバー数」で、これは会社の組織にも当てはまるのかもしれない。組織のまとまりに対して分裂・崩壊しようとする力が働くのに対して、エンドルフィンの分泌を促すような行動が組織の構成員の社会性を促し、組織を強固にする働きがあるという。その行動が一緒に歌を歌ったり、笑ったり、食事をしたり、宴会をしたり、そして宗教行事に参加したりすることであるとのこと。これはまさに昭和のサラリーマンの「飲みニケーション」であり、またブラック企業がどこか宗教じみているのも同じ説明が十分説得力ある。