大浦康介のレビュー一覧

  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    ネタバレ

    「読んだ」と「読んでいない」の境界の曖昧さ。
    「ある本を読む」ということは、「それ以外の本を読まない」ということ。さらには人の記憶の曖昧さから、「読んだ」本は記憶の中で変形され、作品そのものとは別のものになる。作品そのものは、会話のきっかけになるにすぎない。
    重要なのは、文学全体の中でのその本の位置を把握すること、自分自身の位置を把握することであって、その本自体を読んだかどうかはさほど重要なことではない。

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    2022年04月14日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    ネタバレ

    テクニック本ではないので自分が語れるようになるかどうかは別の話。だけど、世にある全ての本をよめなかったり、読めても全ページを読んでいなかったり、読んだ本の内容を忘れたりすることは当然のことと認識できるようになった。
    「きちんと読めないこと」への羞恥心が消えていったのが一番の収穫。

    本の紹介がうまいので、作中に出てくる本たちも読みたくなる。

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    2022年03月20日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    著者は「読んでいない状態」および「読んでいない本について堂々と語る方法」について展開し、読んでいない本について語るという複雑な状況に対するテクニックを私たちに教授してくれるわけだが、そこで重要なのは「自分自身について語ること」だと言う。本について語るのではなく、本を接触点として作品と距離を置く。そして、自分自身について語ることで、創造的な活動が可能になるという。

    「読んでいない本について語ることが正真正銘の創造活動であり、そこでは他の諸芸術の場合と同じレベルの対応が要求されることは明らかである。」とピエール・バイヤールは記しているが、その創造の起点がたとえ読んでいないとしても「本」である以上

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    2025年06月28日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    タイトルに釣られてしまいましたが、あまり読書をしない方や本を読むことに高いハードルを感じている方にはお薦めの一冊です。
    また、読書バカになり、目的もなく読み漁ってしまう自分自身にも教訓として読み返したくなる本でした。

    「読書の程度」は、人それぞれで異なり、「読んだ」「内容が理解できた」と決定するのは自分自身であるいう主張は最もであり、現代では本の要約や感想をこのようなサイトを通じて情報として得ることも容易に出来てしまうため、情報として取り入れるだけであれば、読まなくてもこと足りる。自分よりも多くの知識や深い理解で感想や意見を述べられている方も多いので、興味を惹かれる本があればその感想や要約を

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    2025年02月14日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    てっきり目次やあとがきだけを読んで…といったような実践的なHow toが書かれていると思っていたが、実際のところは書物の脱神聖化(語りや共通認識の醸成のためのツールでしかない)や書物(ヴァーチャルな意味での)の可変性を再確認する本だった。し、ずっと本の中身の話してましたからね。(敢えて記憶誤り的な要素醸し出してたけど)
    私はこうして、頭からお尻まで一応読み通した本をケチケチと一冊ずつ記録しているのだが、果たしてこれが人と話す契機になっているのか…むむむ
    読まなければならない本かと言われればそうでないかも。

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    2024年12月27日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    著者が大学の文学の教授とのことで、本書は主に読んだことがない文学・小説に焦点を当てて論じる構成だった。

    書物を教養として考えるのなら、各書物の個別具体的な内容を知るよりも、その書物がどんな影響を受けて書かれ、どんな影響を周囲に及ぼしたのか、など、文学界での位置づけを理解するほうが重要とのこと。
    実際、著者は読んだことがある本・ない本の両方を、本書で論じる上で使っており、なるほど読んでいなくてもこんなに文章を書けるものなんだなと感心した。
    ところで本書の面白いところは、読書はしなくていい・流し読みでも大丈夫、と言いながらも、著者が言いたいことを理解しようと思ったらじっくり読まないといけないとこ

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    2023年11月26日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    木を見ずに森を見ろ、的な着想は色々と応用出来そうだと思った。一方で記載内容は全体的に抽象度が高く理解が難しかった

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    2023年11月12日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    なんかニヤニヤしながら読んじゃった。面白い。べつに読まなくても「どんな本か」という位置づけを知っていれば十分、とのこと。
    京極堂の師匠もそうおっしゃっていましたね。
    本と本は繋がっているし、人間は日々変化するし忘れるので実際読まなくてもOK、ということで励まされる(?)本でした。

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    2023年08月26日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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    読んでない本について語ることは正真正銘の創造活動。他の諸芸術の場合と同じレベルの対応が要求される。

    気後れせずに
    自分の考えを押し付けて
    本をでっち上げて
    自分自身について語る
    という心構えでいればそれでOK!!!

    訳者あとがきの、
    本書の目的の一つは、読書コンプレックスからわれわれを解放することである。との一説は面白い。

    本を読んだとラーメンを食べたで考えると、
    ラーメンを完食は分かりやすいが本の完読は何を目安にするのかな?

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    2023年04月09日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

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     本を読んだ人は誰しもがその時点で自分なりの解釈や意見を持つ。つまり、読んだ文章は一緒でも、受け止め方は十人十色なのだ〈スクリーンの書物〉。それは何を意味するのか。

     すなわち、本を読まずに感想を述べても、本の「全体の見晴らし」を理解していれば読んでいない本について堂々と語ることができるのだ。読んだ人全員が同じ意見を持つわけでもないし、読んだ本の詳細な内容を完全に暗記している人はいないのだから。

     どうせ本の内容は悲しいかな、忘れるのだからタイトルや作者から内容を創造〈横断〉するのも良いのではないか。

     本書では、本を読む人の持つ感想のあいまい性を一貫して主張している。本文となる説明は知

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    2022年10月03日