佐藤雄基のレビュー一覧

  • 〈日本史〉教科書を世界史から読みなおす

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    高校日本史の教員向けの書籍で授業の工夫例や構成の提案をしている。大昔のセンター試験世代としては、今は教科書が日本史Bとかではないんだなとか、歴史総合という科目があるんだとか、興味深い点が多かった。グローバルヒストリーとしての日本史の情報もありつつ、現在の高校生がどのような感じで歴史科目を学んでいるのか、その一端を知ることができる面白い本だと思う。

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    2026年09月21日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    初の武家法が生まれた時代背景と前史を踏まえ、その運用と受容の実像から中世社会の在り方にも迫る内容。研究史の整理や、現代に及ぶ歴史的な影響の推移も面白かった。

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    2026年03月24日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    御成敗式目が当時の人びとにどう読まれ、どう活用されたのか、その結果、どういった影響を後世に及ぼしたのかをわかりやすく解説した好著。導入部分はやや退屈な記述が続くのであるが、後半は俄然面白くなってくる。また史学史的なフォローも多く、中世史分野でどういった議論がされてきたのかも素人なりに得心できた。

    本書を読んで、難しくてちょっと挫折しかかっている安野眞幸『日本中世市場論ー制度の歴史分析ー』も再チャレンジしようと思ったし、佐藤雄基氏が編者に名を列ねている『史学科の比較史』も手元にあるので読んでみたい。

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    2023年12月16日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    「自分の耕す土地は自分で所有したい」朝廷=国司管理から地頭の現地支配が優勢となる鎌倉時代。寛喜の大飢饉1231に際して生まれ、そして1258正嘉の大飢饉対処との法として定着していった…/幕府の構成員である御家人の訴えを裁く法であったが、生産力の向上(農地の定着)と武士は農民であるから女性も労働力として尊重され、財産分与・分与の「考え直し」とどこまで認めるかなど「お家」維持を尊重する/武家恣意的な裁定ではない司法の法治主義、成文法の古典として建武の新政でも受け継がれ…明治憲法の淵源とまで持ち上げる向きもある

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    2023年11月26日
  • 日本史を宗教で読みなおす

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    カトリックの改革運動としてプロテスタントが出現した。過去の日本史教科書では、腐敗した旧宗教の改革運動として鎌倉新仏教を位置づけていた。
    しかしながら、そうした解釈は史実に照らすと妥当でないそうだ。

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    2025年08月30日
  • 日本史を宗教で読みなおす

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    <目次>
    第1部  日本宗教史の現在
     第1章  縄文時代の精神文化
     第2章  仏教伝来、神仏習合をどう捉えるか
     第3章  鎌倉新仏教史観の破綻と教科書叙述
     第4章  キリスト教はなぜ禁じられたのか
     第5章  近世宗教史像の更新
     第6章  「国家神道」再考
    第2部  社会科の中の宗教
     第1章  分極化する現代社会
     第2章  世界史の中の宗教
     第3章  公民教育と宗教
    第3部  教室で語る宗教
     第1章  教科書記述の変遷
     第2章  高校生のイスラム教への「偏見」をどう克服するか
     第3章  日本史探究で宗教を読み解く

    <内容>
    日本人は「無宗教」と答えるものが多い中、宗教史を教える事はなかなか難しい。そのなかで、この本の出版社である「山川出版社」の日本史・世界史の教科書のシェアは圧倒的であり、今回の学習指導要領の改訂でも(日本史B→日本史探究、世界史B→世界史探究)、その教科書内容に大きな変化はなかった。この本の筆者たちは、そうした傾向に批判的であるが、”大山川”はその辺に寛容なのであろう。まして「教科書を教える」ではなく、「教科書で教える」ことを考えれば、別に教科書記述はネタなので、ここをいかに深めつつ、生徒に理解と批判的思考を持たせられるかは、教師の力量なのだから。
    そういう意味で、示唆に富むものであった。特に現代政治の右傾化とキリスト教の関係は納得のいくものであった。

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    2025年08月12日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    1232年、鎌倉幕府三代執権北条泰時により制定され、源頼朝以来の先例や武士社会の道理に基づく初の武家法として名高く、日本の歴史上「最も有名な法」の一つともいえる御成敗式目について、その成立の背景、主要な条文の内容、構成への影響などを解説し、その実像を明らかにする。
    名前や能書きだけは知っていた御成敗式目のリアルな姿について理解が深まった。全51箇条の書き下し文を本書の最後に付けてくれているのも、原点重視で有り難い。
    また、現代を含め、後世の歴史における御成敗式目の受容の過程も詳しく述べられていたが、その時々の関心から度々(ある意味恣意的に)参照される様子に歴史のアクチュアリティを感じた。だからこそ、恣意的な歴史の利用を見抜くためにも、史料批判をもとに、対象を相対化して検証する歴史学とその成果の普及が重要だと再認識した。

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    2024年05月06日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    学生時代、御成敗式目は武家にとって初めての法律、と習った記憶がある。なので、判断集に近いものと記述がおり、新鮮であった。
    泰時の御成敗式目に対する思いや位置付けなどが分かりやすい。 

    ただ、他者の資料批判はやや辛辣であり、本書の面白さを減少させている印象がある。

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    2023年12月07日
  • 〈日本史〉教科書を世界史から読みなおす

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    ネタバレ

    <目次>
    第1部  <日本史>教科書を外国史料から問いなおす
     第1章  「漢委奴国王」金印がひらく世界史への扉
     第2章  アイヌ史・北方史からみる日本
     第3章  日明両国の史料からみる足利義満の「冊封」
     第4章  南欧語史料から戦国時代の日本をみる
     第5章  幕末の「不平等条約」を同時代の文脈から考えなおす
     第6章  蒋介石からみた近代日本
    第2部  グローバルヒストリーとしの<日本史>
     第1章  大化改新と東アジア~朝鮮半島諸国との比較
     第2章  蒙古襲来と鎌倉幕府~戦争は避けることができたのか
     第3章  近世日本列島は太平洋世界とつながる~「唐船」、漂民、「きもの」の流通から考える
     第4章  近代の日本人移民
    第3部  教室でつなぐ世界史と<日本史>
     第1章  日本史探究と世界史探究を問題群でつなげる
     第2章  <日本史>教科書の中の世界史へのまなざし

    <内容>
    知らなかった視点(第2部第3章や第1部第2章など)や知っていた事象の確認(伊坂幸太郎:新潮文庫)第1部第5章など)と、まあよかったと思われるが、自分はいい加減な教師なので、第3部のような考え方はできないし、ちょっと理解しかねる点もあった…。

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    2026年07月18日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    御成敗式目というのは、昔教科書で読んだことはあるけれど、中身をよく知らなかったので、手に取って見た一冊。
    法律というよりも武士が国家を支配し始めた時期に、起こる様々なことに対する行動規範というか「べからず集」、対処事例集的な側面もあったようなのが面白かった。それに合わせて貴族(朝廷)との関係も、その成立に影響与えているとか、色々勉強になりました。

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    2025年01月14日
  • 御成敗式目 鎌倉武士の法と生活

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    著名な御成敗式目。必ず歴史の授業で習う奴。

    が。
    周知徹底されていた事自体が、実は稀有だったという。
    それまでの「法」は、そもそも記録されてなかったり、評定の時に突然出て来たりのレベルだったようだがこの式目は、「周知徹底」されたよう。

    内乱と、実力脳筋鎌倉武士をどう収めるか、朝廷とどうバランス取るかと、かなり苦心の策だったようだ。

    内容はかなりの悪筆で、主語が分かんなかったり、どうにでも取れるようなものがあったりしたようだけど、前例がないところで四苦八苦して作ったもんだから、そこはすごいと思う。

    研究対象としても、51ヶ条の内容については殆ど言及されてこなかったと言うこともある意味すごい。

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    2024年09月26日