あらすじ
学校教育で習う宗教のあり方とは!? アニミズム、神仏習合、鎌倉新仏教、国家神道、キリスト教、景教、イスラム教etc... 本書では、日本史をメインに世界史・公民も含めた教科書記述を取り上げつつ、宗教に関する議論の最前線を紹介。歴史を通じて宗教を捉えなおし、宗教への理解をアップデートできる一冊。
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Posted by ブクログ
カトリックの改革運動としてプロテスタントが出現した。過去の日本史教科書では、腐敗した旧宗教の改革運動として鎌倉新仏教を位置づけていた。
しかしながら、そうした解釈は史実に照らすと妥当でないそうだ。
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<目次>
第1部 日本宗教史の現在
第1章 縄文時代の精神文化
第2章 仏教伝来、神仏習合をどう捉えるか
第3章 鎌倉新仏教史観の破綻と教科書叙述
第4章 キリスト教はなぜ禁じられたのか
第5章 近世宗教史像の更新
第6章 「国家神道」再考
第2部 社会科の中の宗教
第1章 分極化する現代社会
第2章 世界史の中の宗教
第3章 公民教育と宗教
第3部 教室で語る宗教
第1章 教科書記述の変遷
第2章 高校生のイスラム教への「偏見」をどう克服するか
第3章 日本史探究で宗教を読み解く
<内容>
日本人は「無宗教」と答えるものが多い中、宗教史を教える事はなかなか難しい。そのなかで、この本の出版社である「山川出版社」の日本史・世界史の教科書のシェアは圧倒的であり、今回の学習指導要領の改訂でも(日本史B→日本史探究、世界史B→世界史探究)、その教科書内容に大きな変化はなかった。この本の筆者たちは、そうした傾向に批判的であるが、”大山川”はその辺に寛容なのであろう。まして「教科書を教える」ではなく、「教科書で教える」ことを考えれば、別に教科書記述はネタなので、ここをいかに深めつつ、生徒に理解と批判的思考を持たせられるかは、教師の力量なのだから。
そういう意味で、示唆に富むものであった。特に現代政治の右傾化とキリスト教の関係は納得のいくものであった。