古河絶水のレビュー一覧

  • かくて謀反の冬は去り 2

    Posted by ブクログ

    前巻は基本的に宮廷内で話が展開していましたが、遂に本書では、奇智彦殿下が軍隊を動かすまでになりました。
    クライマックスの戦闘シーンは、スペクタクルでド派手です。
    これは映像化すると映えるでしょう。
    また、表紙やあらすじでは新キャラの愛蚕姫が前に出てきているので、荒良女の出番は減るのかと、少し残念に思っていたのですが、豈図らんや、八面六臂の活躍ではないですか。
    石麿と咲にもちゃんと見せ場が用意されており、総じて満足です。
    ここで終わっても大丈夫な作りにはなっていますが、あとがきを読む限りでは、まだまだ続くようなので楽しみです。

    0
    2024年11月22日
  • かくて謀反の冬は去り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    言い回し、構成が素晴らしい。この架空歴史ロマンからしか得られない脳への栄養がある。
    恐らく大正〜昭和初期の日本がモチーフだが世界観の説明は多くない。説明は多くないのだが描写が多いので独特な世界観でありながらするりと頭に入ってくる。
    登場人物の掛け合いもそのキャラの教養を感じさせる面白さで個性が立っている。
    何より前半から中盤まで奇智彦の視点で物語は進み彼の性格や立ち回り、立場を自然に分かる様に読ませる。そして決意してからの終盤までのシーンはそれぞれの登場人物に視点を移動する。これが奇智彦の格や魅力を底上げするとともに、それぞれの魅力も際立たせる。とても上手い構成だ。
    何より終章のカタルシスも良

    0
    2024年11月08日
  • かくて謀反の冬は去り

    Posted by ブクログ

    著者の受賞インタビューで、石川博品さんの耳刈ネルリを読んで面白く感じたので、小説を書こうと思ったという発言があったのが、本書を読むきっかけでした。
    読んでみて、確かに「非実在異国」情緒があふれている点では、耳刈ネルリと類似しているように感じます。
    お話は全然似てませんが、キャラ的にいえば、ネルリ(異民族出身で非常識かつ強い)のポジションにいるのが熊ですね。
    あと、石川博品さんの最新刊のタイトルが「冬にそむく」なのですが、これは偶然の一致なのでしょうか。

    優しくもあり非情でもある主人公、奇智彦の暗躍がこれからも見られるのか、続刊を楽しみに待ちたいと思います。

    0
    2024年04月02日
  • かくて謀反の冬は去り

    Posted by ブクログ

    こりゃまた特徴的なお話だったなと。登場人物だけラノベ風にした、大河ドラマみたいな印象。この作品を出版できるの、ガガガ文庫ぐらいで無かろうか。
    一言で言えば、日本からヨーロッパ、はたまた古代ローマまで、世界観がごちゃまぜになった王位継承戦争の物語。
    陰謀が渦巻く王位を巡る争い、そしてその結末に向けての策略が主軸に置かれたお話。それぞれの軸の絡まり具合が絶妙で、結末は中々に唸らせてくれるものであった。
    ただ、特殊な当て字の漢字が沢山用いた情報量の詰まった文章で話が展開してく事もあり、かなり好みが分かれる作品であろう。

    0
    2023年08月20日
  • かくて謀反の冬は去り 2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いやあ、面白かった。一巻よりもさらに面白さが増したかも

    摂政に就任した奇智彦にこれでもかと襲いかかる困難の数々。
    東の有力豪族の来襲に、押し付けられた許嫁。
    国軍のクーデターによる内乱を、やっと乗り切ったと思ったら、更なる危機。
    そして身近な者の密かな陰謀。

    いやあ前巻にも増してスリリングな展開にドキドキとしてしまった。
    戦闘場面がかっこいいね。喝采を上げてしまった。
    軍神コルネリア、いいキャラだ。
    奇智彦の婚約者になった愛蚕姫もなかなかいいキャラ。
    それにしてもこの世界では、男は頼りなく、荒良女は言わずもがな咲も含めて、女性の方が色んな意味で強いね。

    そしてまだまだ波瀾が満ちていそう。

    0
    2024年06月13日
  • かくて謀反の冬は去り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    世界観が独特。でも、さほどとっつきにくくはない。珍しいタイプの作品だなぁと思った。二巻出るみたいなのをどっかで見たから、ちょっと気になる。

    0
    2023年10月05日
  • かくて謀反の冬は去り

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いやあ面白かった。
    宮廷陰謀劇とでも言えばいいのだろうか。
    和洋ごちゃ混ぜの架空の世界の王国で、身体障害を持つ王弟奇智彦が直面する兄王の死という青天の霹靂。
    自分に降り掛かる暗殺の嫌疑。
    そこから始まる彼の策略。
    なかなか読み応えがあった。

    巧みなのはその構成。
    前半ずっと奇智彦視点で物語が進むのに、彼が生き残る覚悟を決める、つまりは陰謀の覚悟を決めるや、その後の視点はずっと彼以外の人になり、彼の真の狙いや心の中は読者も分からない状況に追い込まれる。
    だからこそ陰謀劇のゆくへに驚きもカタルシスもあるのだ。
    ラストのどんでん返し的真相もその展開にゾクゾクして実にこの物語らしかった。

    個人的に

    0
    2023年08月25日