水庭れんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「うるうの朝顔」から注目していた作家さん、水庭れんさんの最新作です。なんとも、可愛い猫の表紙ですよね!この表紙を眺めるだけでも大満足です(猫好きなので♡)。
物語は4部構成で、4匹の猫が主役です。猫たちは4姉妹で、多頭飼育から保護猫となり、みな別々の家にもらわれています。4姉妹の猫たちは離れていても、ゴロゴロ喉を鳴らすことでテレパシー交信をすることができます。4姉妹の猫たちと、それぞれの飼い主たちとの心温まる物語になっています。
〇ふみふみスタンプ
季穂と等志夫婦と末っ子の猫、めい子とのお話。
めい子が飼い主を健気に思う姿が印象的。
〇がりがりリムバー
うららと3番目の猫、シュトレインとのお話。
うららのカレ、ダメダメなヤツだった…。
〇すりすりクリソベリル
清時と2番目の猫、きせきとのお話。
宝石加工の仕事をする清時、ハラハラした…。
〇ごろごろスヌーズ
真白と一番上の猫、宵とのお話。
血のつながりより、家族を思う気持ちの方が大事っ!
「お姉ちゃんですから!」って、いつも気にかけている宵がまたいいな~!そして、そんなお姉ちゃんを思う妹猫たちの思いもまたあったかくて、癒されました!それぞれの飼い主さんを思う4姉妹の思い…ホント健気!ストーリーも可愛くってたまりませんっ(=^・・^=)♡ -
Posted by ブクログ
ネタバレ猫を主人公にしたお話。猫好きなら、より楽しめるはず。4つのお話の主人公は4姉妹の猫たちで、引き取られた先々での出来事が描かれている。猫姉妹の性格も違うし、引き取られた先も違うから、それぞれにいろいろな事件が起き、猫なりに?解決に導いていくお話。個人的には1つ目の四女めい子の話が好きだった。めい子が無邪気で可愛かったー!めい子が暮らすのは若い夫婦の家。ある日、大好きなドラマを見ながら留守番をしていためい子は離婚届を見つけてしまう。大好きな二人が離婚?!と、めい子はどうにか阻止しようとするが…。
2作目はシュトレンと飼い主であるうららさんの話。うららさんは綺麗で努力家。彼氏とも上手く行っているよう。ある日、うららさんが旅行のために不在の日にお世話をしにきてくれたのは、うららの会社の同僚、冴。ある日、うららさんは家の前に怪しい人物がいることに気づき、ストーカーと思い彼氏を呼ぶ。そのストーカーは意外な人物で…。
3作目はきせきと飼い主の宝石加工職人の清時の話。清時は耳が聞こえず、支えてくれていた妻を亡くし、きせきと暮らしていた。ある日、清時の腕に惚れたという若者、神定がやってきて清時の加工した宝石を海外で売らせて欲しいという。しかし神定の正体は…。
4作目はお姉ちゃん猫である宵のお話。
タクシー会社である宵のおうちには会社の相続問題が。宵はお姉ちゃんとして妹たちの問題を助けてきたが、宵にも秘密があって…。
めい子は一人で留守番の時はリモコンを使ってテレビを見ていたり、シュトレンは可愛くなきゃ!と鏡で可愛いポーズを練習したり、きせきは一緒に暮らしている主人との暮らしのおかげで文字が読めたり、何だか猫なんだけど思っていたより人間との生活に馴染んでいるんだなぁと思った。猫を飼ったことはないけど、友人宅の猫ちゃんも実は一人の時はテレビを見ていたりして…とか考えてしまった。猫が主人公ではあるけど、家族を思いやる気持ちも描かれていて温かいお話でした。表紙の猫が宵ちゃんかな。裏には三匹の猫が描かれていたけど、きっと妹猫たちと思われる。デザインもかわいい。 -
Posted by ブクログ
★★★⒊5
5話の連作短編集
「チョコレートの種」
「ルビーの種」
「汐の種」
「いろみずの種」
「雨粒の種」
咲かせた人の『ズレ』を正す花、
「うるうの朝顔」
霊園で出会った、人生に大きな後悔を持ち続けて
生きている4人の人物に、主人公の墓守の
日置凪は、「うるうの朝顔」の種を手渡していく。
花を咲かせ、現実とは1秒だけ違う過去を
再体験した彼ら達は、それまでの自身の見方が
全く違っていた事に気づき、衝撃を受けることに
なる。登場人物に感情移入しながら読んでいるため、読み手である自分としても、心に響くものが
あった。
最終章では、日置凪の、彼自身の目線で
話が進む。なぜ彼が、4人に「うるうの種」を
渡したのか。
ファンタジー小説のようでいて、
ほわほわしたような感じはない。
全ての話がハッピーエンドになるわけでも
なく、どちらかと言えば少しほろ苦い、
それでもたった1秒の『ズレ』を直した、
彼ら達の、再び歩もうとする姿に心を打たれる。
私も、「うるうの朝顔」の種が欲しい‥ -
Posted by ブクログ
蜃気楼が出る間だけ会える過去のひととのお話。
現実味がなさすぎてファンタジー?幻覚?と思ってしまうけど、
蜃気楼の専門家堺さんの説明にあるように、
蜃気楼はないものを映しているのではない、
というのは春作と遠海さんの限られた時間が嘘じゃないって肯定してくれているようで温かい気持ちになった。
今を生きるために、過去を捨てたり、忘れたりする必要はない。
時間が進もうと、昔も今も全部自分のものだから、
大切にしようと思った。
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「虚像といっても、存在しない架空のものまでを見せる幻影の類ではないということだけ強調しておきます。蜃気楼は、あくまで現実の光景に作用するものです。...最初からないものだけ見ることのできる、自然が描いた印象派絵画みたいなものなんです。幻よりもその方がロマンチックでしょう?」(p.15)
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実家が富山にある僕としては、親近感のある内容だった。
ただ、一回も蜃気楼見たことないけどね笑
ミラージュランドは一回行ったかな、、?笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一秒だけ現実と異なる過去を追体験できるという「うるうの朝顔」の種。
悩む人たちにそれを渡す凪は、そうやって人を救うのが役目の御使的何かかと想像していたら全然違った。
彼こそ、その「うるうの朝顔」の力に縋りたい、それなのにその力を顕現できない、作中である意味一番悩んでいる等身大の青年だった。
最終章はこれまでの人々の話を凪視点で振り返りつつ、様々な伏線が一気に回収されるミステリのような構成になっていてわくわくした。
真相はやはり切ないのだけれども。
冒頭に出てきた蝶の正体が分かった時も、驚きとやはり切なさが込み上げて、いいラストだなあとしみじみ。
途中が割と辛かったり、しんどい現実を突きつけてくる話もあったから余計に。