【感想・ネタバレ】右から二番目の星へのレビュー

あらすじ

結末に涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語。

ノイズに溢れたこの世界で、
「大人になる」とは一体どういうことなのだろうか。

「子どもの土地」で永遠の子どもだった「その子」は、心に曇りが生まれ、ある日飛べなくなってしまった。だから、地上に堕とされた……自らの代わりとなる子を一人、連れ去るために。
夏休みの始め、青森のボーイスカウトで、スナメリが座礁した熊本の海岸で、埼玉から繋ぐオンラインゲーム内で、悩める子どもたち3人に奇妙な出会いが訪れる。いなくなる子は、誰なのか。自由と不自由のあいだでもがく少年少女、それぞれの決意とは。

誰もが経験し、忘れてしまう、「あの頃」の怒りと光にいま向き合う。
意外なその結末にきっと涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語。

最後の2行に込められた意味を
理解できる「大人」でありたいと思いました。
……青山美智子氏

人が生きる底の底から、子どもという存在を見詰めれば
こんなにも不思議で美しく、残酷な物語が生まれる。
……あさのあつこ氏

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

本の世界は
時々 過去の自分と向き合わせてくれる。

だから やめられないのだけれど
一気に10代の頃の自分へと戻された。

いつからだろう
心が自由に飛べなくなったのは。。。
『大人』というカテゴリーに 詰め込まれて
『そんな気』になった時からかな??

でも思う
『あの頃』のままの『心』であったならば
私は今 どんなふうに生きていたのか。。。
『あの頃』のまま夏休みが続いていたら
どんな『心』だったのかな。。。

6人の少年少女の夏休みの出来事は
私の少女時代と向き合わせてくれた。。。

0
2025年11月26日

Posted by ブクログ

いつまでも子どもの心を忘れないピーターパンの皆様こんにちは✩.*˚

「右から二番目の星」とはネバーランドへの道しるべを意味するんですね✩.*˚

みなさんは 子どもの頃、早く大人になりたかったですか?
大人になる怖さはありませんでしたか?

✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
プロローグ

右から二番目の星「永遠の子どもでいられる【子供の土地】」で、飛び方を忘れてしまった子どもが「変わりの子ども」を連れてくることを命じられ
、地上にある「大人の土地」に降ろされた。

「大人になりたくない。」そんな素質を持った子どもを連れさるために。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
御伽噺のようなプロローグですが、
本編は3人の少年少女が
夏休みに不思議な出会いと 苦い経験をし
少し大人になる物語でした。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

青森
小学五年生の理沙
真面目な性格の理沙。大人からの評判は良いが 学校では「いい子ちゃん」と揶揄されている。家庭内では 父の不倫が発覚し 両親の仲がぎくしゃく。理沙の唯一の楽しみはボーイスカウトだった。
自分の真面目さが思う存分発揮出来るボーイスカウトに 環という美少女が体験入部してくる。何一つまともに出来ない環に懐かれる理沙。やがて二人の距離が近づいてきた頃、二人は思いもよらない事態に巻き込まれ…。

大人の「嫌な部分」をどうにか自分の中で処理しようとする理沙の姿が健気で切ない。


熊本
中学二年生の海璃は、年金で暮らす祖母と二人暮し。生活の足しにと新聞配達をする毎日。ある日、浜辺に打ち上げられた大量のスナメリを見に海へと自転車を走らせた海璃。そこで、標準語を話す可憐な少女と出会う。助けられた一頭のスナメリは水族館に保護され、少女は毎日 水槽の外から見守る。海璃は少女に会うために自転車で水族館へ通う。海璃が初めて抱いた少女への想い。そして、夏休み最終日に少女から打ち明けられた衝撃的な真実…。

どんな場面に直面しても「諦めることはもう慣れた」という海璃の言葉が胸にささって痛いです。

埼玉
小学六年生の大成。一日の大半を部屋でゲームをすることに費やす毎日。オンラインゲームで知り合った「颯太」と「ラビちゃん」だけが唯一の友達。ゲームに勝っても負けても「楽しい」と純真な颯太に心が救われる大成。ある日 自分たちがゲームでコテンパンにやられた動画がSNSに上がっているのを見つける。その日から颯太の様子がおかしくなり始め…。

現実社会と バーチャルの世界
自分で触れた出会いと SNSに流れる情報
それぞれの事情で箱の中に閉じこもっている大成と颯太は 外の世界に飛び出せるのか。

✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「私はずっと思ってる。大人になんてなりたくないって。あんな風にはなりたくない。みんな子どもだったはずなのに、そのことを忘れてる。」

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どの少年少女の話も ラストはほろ苦いと言うよりもヘビーで…
「大人になんてなりたくない」と思わせちゃう大人がこの世に溢れているんじゃないかと思って悲しくなります。


『子どもの土地』の番人が 地上に降りる子どもに向かって
「醜い場所で 醜く生きて 醜い大人になる」と吐き捨てるシーンがありますが、
地上で生きてる自分は醜い大人にならないように気を引き締めて生きていこうと!子どもに幻滅される大人にはなるまいと!今この瞬間は思ってます。数時間後はわかりませんが。(おい!)

そしてそして、プロローグで地上へ降りた「あの子」の正体がわかる場面は衝撃で…

「待って待って!なんでだよ、そんなのイヤだ!」となります!

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「大人になるってどういうことか。その答えを探すには大人になるしかないだろ」

ほんとその通りだよ!!

「窓は開けておくから」

いつでも帰っておいで



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2025年10月17日

Posted by ブクログ

プロローグとどこでつながるの…?と最初は淡々と読み進めていたけれど、なんだこれは。みんな大変じゃないか。というか、そもそもみんな大変なのか。生きづらさを密かに抱えて、子どもなのに心は大人にならなければならない辛さ。エピローグは、そこか!と驚いた。ただ、もう少し深くその子のことを知りたかったな。表面的な感じがして、それだけで判断するのはSNSを信じるのと似たり寄ったりで危うくないかしら、と。

子どもへの性教育は、考えものだね。今の中学生ってこんな感じなの??ドラマじゃん、て思う私はもう時代遅れな大人なんだろうな。スマホの影響はかなりあるよなぁ。大人が子どもをダメにしているよね。本当に申し訳ないです。

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2025年09月28日

Posted by ブクログ

読みながら、そして読み終えても、解釈が難しい作品と思いました。
登場した子供たちの多くは、大人の身勝手によって生きづらさを強いられているというのが、胸が苦しくなります。
生きていくために、その大人たちに依存せざるを得ない時期を過ぎたら、それぞれの場所で幸せを掴んでほしいと思います。
今の中学生は、自分の時よりもある意味では大人で、そしてある意味では幼いな、とも思いました。
理解するのが難しい出来事も起こるはずだと。
でも、海璃君のように、優しくて真っ直ぐな心はずっと持ち続けてほしいと願っています。

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2025年10月01日

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