井上昌次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は脳科学・睡眠学を専門とする著者によって書かれた睡眠についての本だ。ヒト(や他の動物)にとってなぜ睡眠が必要なのか,眠っている時に脳のなかでは何が起こっているのか。本書では,睡眠に影響を与える身体の周期(概日リズムや半日リズム)や覚醒・睡眠状態を修飾する睡眠物質などについて説明しながら,これらの質問に対する答えが分かりやすく解説されている。
本文の記述は非常に簡単で,またイラストや写真が豊富なためとても読みやすい。また,睡眠の仕組みを理解するのに有用なグラフや表が多数掲載されているのも本書の特徴のひとつだろう。分量も200頁程度なので,楽しみながら一気に読み終えられるはずだ。
本書じた -
Posted by ブクログ
ヒトは何故眠るのか?考えてみれば不思議な話だ。睡眠を取らなければ次第に精神に支障を引起すという経験則から睡眠は脳が必要とするものであり脳が求めているものだとある。
だが脳が疲れるというのはどういうことであろうか?一生懸命考えれば確かに疲労感はあるが、それは仕事など根を詰める姿勢を継続することによる身体的な疲労であって必ずしも「脳の疲労」ではないような気もする。良く脳は疲れないから一生懸命考えろ、などとも言う。
一方では人間の基礎代謝のナント約20%も脳が占めていると言われており、やはりそれなりに脳はエネルギーを消費しているし疲れているようにも思える。例えば座って動かない代表のような将棋の棋