川野一宇のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ名言集を読むよりも先に普通に作品を読むべきか、とも思いつつ読み始めたが、第1回のカフカの回で早速引き込まれてしまった。辛かった時の感情を思い出してあの時にこの本またはカフカに出会いたかったなと思ったり、今の気持ちを表現してくれる名言に出会えて救われた気持ちになったり、もっと作品に触れてみたい作家・作曲家と出会えたり、読んでよかった。
辛い時にはポジティブな言葉よりも絶望名言の方が沁みたり救いになることがある。若い時に13年間の闘病生活をしていた頭木さんが共感したり救われた名言とその背景、人物の紹介をしていくラジオを書籍化したもの。
カフカ、ドストエフスキー、ゲーテ、太宰治、芥川龍之介、シェ -
Posted by ブクログ
NHKラジオ番組『絶望名言』で放送されていた番組の内容を一冊の本に纏めた本。
息が詰まったり、イライラしたり、ストレスフルな毎日を過ごす内に気持ちもネガティブに...。そんな中にしっとりと寄り添う、“絶望名言”。カフカ、芥川龍之介、ゴッホ、ゲーテ、ベートーヴェンなどなど各分野の偉人達の書籍や脚本内の台詞などを紹介しながら、出演者のお二人が自分の病気の経験を踏まえながら進めていく斬新なスタイルに興味が引かれました。
気持ちが沈んでいるときにはポジティブな名言よりネガティブな名言の方が心に残り
人に寄り添うことが出来ると思う。前向きな言葉ばかりでは正直、味気ないとすら思える。だからこそ、絶望名言は -
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Posted by ブクログ
ポジティブ思考が跳梁跋扈する今の社会において、本書はその潮流に逆らって、クソみたいな「キャッキャ、うふふ」風土に風穴を開けてくれるだろう。
落ち込む時は徹底的に落ち込む─
人生、万事上手くいくわけではない。そんなことありえない。人生には必ず「良いこと」と「悪いこと」の二つ糸が織り交ぜられ、赤黒い糸を紡いでいる。人生という無色の糸の中に幸不幸という名の赤黒い糸が混じっているのだ。その糸を解きほぐして分解し、端から端まで一インチきざみに明るみへさらけだして見せるのが、「絶望名言」の任務なのである。
失恋したときは失恋ソングを聴いて徹底して落ち込む。失恋している自分に酔いしれるくらい落ち込め -
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Posted by ブクログ
NHKの深夜ラジオで放送されていたものを書籍化したもの。
題名の通り著名人の絶望に関する名言と、その名言が発せられた背景、著名人の人生を中心に解説されている。
指南役の頭木さんの闘病時の体験談がプラスされるところに、ただの名言紹介よりも魅力がある。
名言を変にポジティブに還元していないところが良いと思った。
ネガティブな経験をした分、人生に活きるとか人生が有意義になるとか
無理にネガティブな経験をポジティブに持って行かず、ただ辛いと言う気持ちに寄り添う姿勢を終始貫いているので、そこにこの番組の優しさを感じた。
ブックガイドも付いているので、気になる本は読んでみようと思う。 -
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Posted by ブクログ
NHKラジオ深夜便のコンテンツ。カフカやドストエフスキー、ベートーベンの言葉は、読む前から絶望名言という予想の範囲内。太宰もそうだ。ゲーテは“希望の人”だから、ある意味絶望を知っているからこそ、なのだろうと思いながら読んだ。「絶望することができないものは、生きるに値しない」「快適な暮らしの中で想像力を失った人は、無限の苦悩というものを認めようとしない」と。これらの言葉は、幸い?なとこに、絶望と言えるほどの苦悩は知らないと言える自分自身に対する警句として心に留めたい言葉たちだった。
芥川の「人生を幸福にするためには、日常の瑣事を愛さなければならぬ。日常の瑣事に苦しまねばならぬ」という言葉は、今時