西村佳哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
仕事を作るという発想すらなかった・・・。どこかの会社に入るのが当然だと思っていました、少なくとも若い頃は。
最近はだいぶ頭も柔らかくなってきたし、そういう働き方を見聞きするようになってきたので、突飛な発想だとは思いませんが、自分で作れるとも思いません(涙)
「そういう教育を受けてきたんだ。日本の教育ってそういうものでしょ。」と、開き直ってはいけません。だって、現に自分の仕事を作っている人たちを訪ねて行った記録が本書に残っているんですから。柳宗理さんやパタゴニア社は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
本書は著者の西村さんが気になる仕事をしている人に会いにいき、インタビューをしたも -
Posted by ブクログ
いろんなジャンルの人の働き方、仕事で大事にすること、の紹介をもとに、「仕事とは何か?」「"自分"の仕事をするためには?」ということがわかりやすく述べられている。
ビジネス書というほど難解ではなく容易で、エッセイに近い部分もありながら、「仕事」に関する洞察が鋭く感じる。また時間が経ったら読み直してみたいと思う。
・ 好きだけど理由がわからないものをいくつか並べてみる。どんな要素が含まれているか、探っていく。
・ デザインもものづくりも、その人が感じた世界、経験した出来事がそこに結晶化する。
・仕事においては「今この瞬間の自分」に向けられている。その仕事が価値を持つ。
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Posted by ブクログ
現代は生産性を上げること、効率的に物事を進めることばかりが重視されている。ときには、品質を下げてまでも。
(この値段ならこの品質でいいよね?的な)
でも、そんなふうに妥協して作られたもの産物を私達は大切にしたいと思えるだろうか?思えないよね。。
働くとは「生」を感じるための手段であり、大切なものをこだわってつくることにこそ意味がある。
適当なものをとりあえずつくって、そんなものが溢れている今の社会に疑問を投げかけるようなお話。
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あるパン屋さんのお話
→色んな職を転々としていたけど、自分にとって一番矛盾のない仕事が小さなパン屋だった。
ダブルバインド(言っていることとやっている -
Posted by ブクログ
ネタバレ自分がしたいこと、社会のために貢献できる自分自身の目的、もっとシンプルにいうと、人生の目的。そんなことを考えさせられる本。
お金、家族、社会的地位、会社の文化、人間関係。普段、いろんな外部からの影響を受けて自分は生きている。それが充足感につながることもあれば、しばりにつながることを。そういうしがらみをすべて取っ払って、シンプルに自分はどう生きたいか?それを探求し、そしてその心の声に従って勇気を持って生きていくことが果たしてできるのか、考えてしまう。どんな道を歩みたいか。
・モノづくりと身体感覚
・自分で考えることを考える。
・心臓のチャックを開く。
・あなたには価値があると口で言うのではなく -
Posted by ブクログ
1年ぶりに再読。
読み終えて、しみじみと残っているのは以下のようなこと。
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「どのように仕事をするのか」から自分起点でつくる。組み立て直し続けていく。そうしながらなされていく仕事は、「その人の仕事」になる。そうして生み出されたものからは作り手の存在を感じられる。
良い仕事のやり方は、ありものを吟味せず組み合わせるのではない。観察力を持ってやり方から作る。その結果として生まれるのがよい仕事。
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感受性や観察力という「よい仕事」の最初の一歩は今の自分が熱量を持っているテーマなので、それについて色々な人の多種多様な言葉を通して見られたのはちょうどよかった。読むたびに響く場所が変わる -
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メモする手が止まらない。
いろいろな「自分の仕事」をしている人たちへのインタビューと、それを通して感じた筆者の言葉が綴られているのだが、具体例から本質的なところに繋 いでくれるので、非常に納得感がある。デザインやものづくり系の方が多いが、本質的なところは、どの仕事にも共通すると改めて思う。「なるほど!」と気づき「そうだよなー」と共感することがなんと多いこと。
働きながらも少し違和感を持つ人や、美しいものや美味しいものが好きな人、これからの働き方や暮らし方を考えている人など、いろいろな人におすすめできる。
すごい人は、最初からすごかったわけでも、天才だったわけでもきっとない。
自分らしく働き、そ -
Posted by ブクログ
もともとは10年ほど前に書かれたものですが、
むしろ今のタイミングで触れることができたことに、感謝しています。
描かれているのは、やりたいことを仕事にしている人々、と言う程の単純さではなく、
社会とのつながりを求めての"仕事"の模索している人々、と言うと漠然としすぎでしょうか。
- マーケットの売れ行きに応じてデザインしているわけでじゃない。
それを使う人が実際に何を求めているかに、常に関心があります。
- デザインしなければならないのは、モノそのものではなく、
それを通じて得られる経験だ。
同時期に読んだ『パーミッション・マーケティング』でも同じような -
Posted by ブクログ
「働き方」について、様々な人(主にデザイナー)へのインタビューを通して筆者の考察が書かれている。
なんというか、インタビューされている人も、筆者の文章も書き口も、雑誌に掲載されている文章のようだった。ぶっちゃけ雑誌の文章って、じっくり読むより、掲載されている写真やレイアウトをもとに、雰囲気を味わうためのもののような気がするので、目が滑ってしまった。
以下、いくつか印象に残った点
1働き方が違うから結果も違う
【八木保 デザイナー】
「完成度の高い仕事には、その働き方の随所に、物事に対する観察力を高め、解像度を上げる工夫があらかじめ含まれている。」
→省略されたインターフェイスは、モノづく -
Posted by ブクログ
私は普通の会社員ですが、この本を読んで、いい「仕事」をしよう、と思いました。自分の仕事に活かそうと思ったことを以下に記します。
枠や型に囚われない。ツールでできる範囲の決まった型にとらわれず広く自由な発想をもつ
パソコンに向き合う以外の生きた時間を大切にする。つくる前に体験の時間を重視する。そこから生きたアイデアが生まれる。
仕事の質的価値は効率性とは別物。雑務で効率を上げ、「つくる」仕事では生まれた時間をめいいっぱい使って質の高いものを。
早い段階からトライ&エラーを重ね、失敗を重ねることが成功への道筋。
それは自分が本当につくりたいものか、常に問いかけることを忘れない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ・人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを常に探し求めている生き物であると思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には先進バランスを崩してしまう。
・本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。
・仕事の質はその人の在り方にも直結する。
・生産性を上げるということは、そのデザインがファストフード化するということである。
・生きていうことは、いろんな人の仕事ぶりに24時間365日接し続けるということである。そして「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで・・・」という感覚をジワジワと人々に伝えてしまう。