西村佳哲のレビュー一覧
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そしてさらに、仕事そのものに含まれる意味を醸成しない限 り、人々が生き生きと創造的に働く姿はあり得ないのだ。
他人事ではない、自分の仕事。働くことを通じて「これが自 分です」と示せるような、そんな質をもつ働き方をすることが、 個々の充実ばかりでなく、社会の豊かさにもつながるんじゃないか
自分の内面に生まれる小さな違和感を手がかりに、次 の絵筆を重ねる。仕事はこのくり返しの中で進む。そして自分 の中にもう違和感がないことに気づいた時に、「ん。できた!」 となる。
こころの実感に触れて、その質を感じとる力能を内的感受性 (self sensitivity)と呼んでみる。ものづくりにはこれが欠か せないと書いたが、つくるものが企画書であれ、あるいは接客 にせよどんな仕事においてもこの力は欠かせないものだろう。 それがなかったら、自分の仕事に対する判断は常に外から与え られるものに依存してしまう。
一方、多くの人に喜ばれ・共感される成果を形にしている人 には、自身の実感に触れるこの力能と同時に、もう一つ、この 社会で生きている、他の人々が感じていることを感じる力能。 社会的感受性 (social sensitivity) とでもいうものが具わって いると思う。これは、他者の視線や評価を気にすることではな
い。他者の願いや喜びやつらさを、ともに感じる力だ。
自分が感じている 「なにか」が、単に個人的なものだとしたら、わざわざ人と共有するまでのことはない。
でも自分だけのこととは思えないから、なんらかの形にして、 社会に差し出してみることが出来る。そのとき仕事は、「自 分」の仕事であると同時に、「わたしたち」の仕事になる。 -
Posted by ブクログ
「自分の仕事をつくる」というタイトルから、起業や副業、0→1の仕事の生み出し方を期待すると肩透かしを食う。実態は「どんな姿勢・こだわり・アイデアで仕事に向き合うか」という、仕事の質と哲学についての本だ。
「つくる」は仕事そのものを生み出すことではなく、仕事への向き合い方を自分でデザインすること、と読み替えると腑に落ちる。
インタビュー対象者の語りと、著者の哲学的考察が交互に登場する構成。ただ、著者の考察部分がやや観念的で、「自分の仕事をつくる」というタイトルの問いに対して直接答えているかは疑問が残る。どちらかというと「いい仕事とはこういうものだ」という美学の提示に近い。
登場するのはデザイン・アート・toC製品(家具・雑誌など)のものづくり職人や経営者が中心。そのため、
∙語られる「いい仕事」のイメージが特定職種に偏っている
∙サービス業・事務職・組織の中間管理職などには当てはめにくい場面もある
インタビュー対象の当人の言葉と、著者の分析という2つの視点が交差するのは面白い構成だが、サンプルの偏りは意識して読む必要がある。
2003年刊行でありながら、時間が経ったからこそ輝きを増している概念がある。効率・スピード・コスパが優先される現代だからこそ、「丁寧に時間をかけた仕事」「こだわりを持つこと」の話が、むしろ希少で重く響く。
古びていないというより、今の時代が追いついてきた、という感覚に近いかもしれない。
「仕事を0からつくる本」ではなく、「仕事への向き合い方をゼロから問い直す本」。読み方を合わせれば、刺さるものが多い。 -
Posted by ブクログ
先日読んだ「千年の読書」というブックガイドから、
気になった本を読んでみた。
専業主婦となってからウン十年。
そんなわたしがなぜこの本のタイトルに惹かれたかは
あまりに個人的なことなので感想には書きませんが- - -
ここに登場し、インタビューを受けた方々は
主にクリエイティブな仕事をされている方ばかり。
なのでこの本を読むことで、今、仕事のことで悩んでたりする人が、その悩みや迷いを解消できるのかというと、そこはちょっと人によるかなー、と思った。
でもそういったクリエイティブな方が紡ぐ言葉は
理解できないこともあるけど、ハッとさせらるものも多々あった。
わたしたちが何か始めようとする時、
すでにあるもの、確立されているものを土台にすることがある。
その方が失敗が少なくて済むから。
だけど、本当に何かを始めたい、作り出したいと願うなら、たくさんのトライアルアンドエラーを繰り返すことこそが大事なんだ、というようなことが書かれていて、
ちょっと目から鱗だった。
出版されてから少し時間が経った本ではあるけど
学びはあった。 -
Posted by ブクログ
いまを捨てて、自分が気持ちいい方向に向かっていく。
1人だったらしていたかもしれない。
でもできなくて、、搾取の姿勢がない仕事がしたい。
・自分事として徹底的に考えること
・しっかり体験すること
この2つが大事なこともわかっていて。
働き方も、生き方も考えさせられた。
この前、付き合いの長い、いろんな話をしている美容師さんに言われた、「1対1で向かい合える仕事が向いてるんじゃない?」って言葉が、ずっと頭の片隅にある。
し、そういう仕事がいいんじゃないかなとも思っている。
とりあえず、ルヴァンに行こう。
ヨーガンレールは考え方は好きだなと思ったけど、ちょうど出ていた求人を見たら、こんな給料じゃ都心じゃ暮らしていけないなという額で興ざめ。
心地よく生きることはとても大事だけど、給料がよくなきゃ自分たちが扱っているものは買えないし、給料が低いから本物が手に取りづらく、結果本物のよさが実感として分かりづらそう。
いくら仕事が好きだからって、現実問題、都心で暮らすなら、いまの社会の仕組みではお金がないと生きていけないよ。
でもこういう、経済至上主義になってしまう感じが嫌だなあ…ほんとはみんながしたい仕事をして、それでもちゃんと幸せに生きていける世界だったらいいのに。