あらすじ
仕事とはなにか。「いい仕事」はどこから生まれるのか。仕事を「自分の仕事」にするためにはなにが必要か。八木保を、柳宗理を、ヨーガン・レールを、パタゴニア社を、ルヴァンを、象設計集団を、さまざまな「いい仕事」の現場を訪ねた貴重な記録。働き方が多様になってきた時代、迷ったら立ち戻りたい働き方のバイブル。文庫化にあたり10年後のインタビューを2本追加。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
示唆に富みまくったとてもいい本。
こういう仕事人でありたいという理想を
地に足つけてやってる人達がいる、
そのこと自体が励みになる。
考えてくれるし、考えさせられる本。
Posted by ブクログ
仕事を作るという発想すらなかった・・・。どこかの会社に入るのが当然だと思っていました、少なくとも若い頃は。
最近はだいぶ頭も柔らかくなってきたし、そういう働き方を見聞きするようになってきたので、突飛な発想だとは思いませんが、自分で作れるとも思いません(涙)
「そういう教育を受けてきたんだ。日本の教育ってそういうものでしょ。」と、開き直ってはいけません。だって、現に自分の仕事を作っている人たちを訪ねて行った記録が本書に残っているんですから。柳宗理さんやパタゴニア社は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
本書は著者の西村さんが気になる仕事をしている人に会いにいき、インタビューをしたものであると同時に、著者自身が鋭くアンテナを張っている「仕事」や「働き方」に関する様々な角度からの思考がちりばめてあり、かなり内容の濃いものでした。
インタビューは、主にモノづくりやデザイナーといった人たちなので、いやいや事務仕事の私には関係ないわ、などと思ってはいけません。自分事に置き換え、自分の仕事、働き方を変えられるエッセンスは一杯詰まっていました。(細谷功さんの「具体と抽象」を読んだから、抽象化力が高まってるかも・・・!)
気になるフレーズ、エピソードはたくさんありすぎて、いちいち挙げていたらキリがないので、ぜひ本書を読んでいただきたいのですが、まだまだ理解できていないところもあり、これはまた期間をあけて読み直したい一冊だと思いました。というか、仕事に悩んだら、パラりとめくってみるといいかも。
本来、仕事とは自分が他者にギブできて、他者が求めているものやサービスを作り出すことだったはずなのに、いつの間にか仕事は会社で売られるものになった。我々サラリーマンは、会社で、仕事を自分の時間と引き換えに買っていると表現されると、ちょっとぞっとします。自分の時間の価値を思うと、とたんに。
著者も書いていたとおり、本書に書かれている内容で、こんな働き方があるんだとせっかく刺激を受けても、「でも、私はデザイナーじゃないし、モノづくりなんてしないし」と思ってしまってはもったいないことです。たとえ与えられた仕事であっても、「こなす」のではなく、「自分の仕事」として受け止め遂行する、まずはここからだと思いました。
早期退職を視野に入れている身としては、早期退職後の仕事について何か掴めそうな、でもまだまだ掴めないようなもどかしい読後感でもありました。
良い本でした。初版が2009年。もうそんな頃から、こんなことを考えて書籍にした人がいたんだな~と最後のページを見て思いました。古い本と思わず、ぜひ。
Posted by ブクログ
いろんなジャンルの人の働き方、仕事で大事にすること、の紹介をもとに、「仕事とは何か?」「"自分"の仕事をするためには?」ということがわかりやすく述べられている。
ビジネス書というほど難解ではなく容易で、エッセイに近い部分もありながら、「仕事」に関する洞察が鋭く感じる。また時間が経ったら読み直してみたいと思う。
・ 好きだけど理由がわからないものをいくつか並べてみる。どんな要素が含まれているか、探っていく。
・ デザインもものづくりも、その人が感じた世界、経験した出来事がそこに結晶化する。
・仕事においては「今この瞬間の自分」に向けられている。その仕事が価値を持つ。
・どんな状況でも、自分の働き方は自分でデザインできる。「今日どう働くか」は、自分で選択できるからだ。ポイントは,仕事に自分を合わせるのではなく、自分の方に仕事を合わせる力にある。
Posted by ブクログ
会社員として
自営業として
仕事構えを反省する時に
この本を読むと、数十年後の自分を変える働き方につながると思われる
うーーーーん、いいね、、
読後、何かが残る本
「ワークデザイン研究室との出会い」
のお話が1番好奇心が高まった
現ワークデザイン研究室が発行するウェブで見れる機関誌はこれからチェックしていきたい
仕事を楽しくデザインするって楽しいなと思わせてくれた、啓蒙書?なのかな
(個人的意見)
変わりたい人より、変化が欲しい人がほとんど。
ちゃんと変わりたいな(願望…)
居場所を作る↔︎居場所が惜しい
Posted by ブクログ
現代は生産性を上げること、効率的に物事を進めることばかりが重視されている。ときには、品質を下げてまでも。
(この値段ならこの品質でいいよね?的な)
でも、そんなふうに妥協して作られたもの産物を私達は大切にしたいと思えるだろうか?思えないよね。。
働くとは「生」を感じるための手段であり、大切なものをこだわってつくることにこそ意味がある。
適当なものをとりあえずつくって、そんなものが溢れている今の社会に疑問を投げかけるようなお話。
ーーーーー
あるパン屋さんのお話
→色んな職を転々としていたけど、自分にとって一番矛盾のない仕事が小さなパン屋だった。
ダブルバインド(言っていることとやっていることに乖離があり、矛盾を感じる状態)になっているビジネスがたくさんある中で、矛盾なく正直に生きられる職業って極わずかしかないのかもしれない。
Posted by ブクログ
登場する人がみんな、自分の言葉で仕事を語っているのが印象的な本。自分自身がぼんやり思っていた不安やちょっと世の中のこれ違うよなぁという思いが言語化されているのには驚いた。何度も読み返し、立ち返りたい本。
Posted by ブクログ
自分がしたいこと、社会のために貢献できる自分自身の目的、もっとシンプルにいうと、人生の目的。そんなことを考えさせられる本。
お金、家族、社会的地位、会社の文化、人間関係。普段、いろんな外部からの影響を受けて自分は生きている。それが充足感につながることもあれば、しばりにつながることを。そういうしがらみをすべて取っ払って、シンプルに自分はどう生きたいか?それを探求し、そしてその心の声に従って勇気を持って生きていくことが果たしてできるのか、考えてしまう。どんな道を歩みたいか。
・モノづくりと身体感覚
・自分で考えることを考える。
・心臓のチャックを開く。
・あなたには価値があると口で言うのではなく、どれほど真剣に思っているかを態度と行動で体現する。
・いい仕事とは嘘のない仕事
Posted by ブクログ
多くの気づきを得られる本です。
ただ与えられた仕事をこなすのではなく、魂を込めてその先の人を見据えること。
自分から率先して取り組むことができる仕事をして、人を幸せにすることができたら最高です。
やらされ仕事ではなく、自分の仕事にできるよう心がけていきます。
Posted by ブクログ
1年ぶりに再読。
読み終えて、しみじみと残っているのは以下のようなこと。
---
「どのように仕事をするのか」から自分起点でつくる。組み立て直し続けていく。そうしながらなされていく仕事は、「その人の仕事」になる。そうして生み出されたものからは作り手の存在を感じられる。
良い仕事のやり方は、ありものを吟味せず組み合わせるのではない。観察力を持ってやり方から作る。その結果として生まれるのがよい仕事。
---
感受性や観察力という「よい仕事」の最初の一歩は今の自分が熱量を持っているテーマなので、それについて色々な人の多種多様な言葉を通して見られたのはちょうどよかった。読むたびに響く場所が変わる本。
Posted by ブクログ
何度も読み返そうと思える一冊でした。
自分の仕事をつくる。自分にしかできない仕事っていうのはデザイナーなどの専門職だけでなく、スーパーのレジ打ちにだってつくれる。
思っていた以上に疎外されない本で、明日からの仕事をまたがんばろうと思えました。
Posted by ブクログ
メモする手が止まらない。
いろいろな「自分の仕事」をしている人たちへのインタビューと、それを通して感じた筆者の言葉が綴られているのだが、具体例から本質的なところに繋 いでくれるので、非常に納得感がある。デザインやものづくり系の方が多いが、本質的なところは、どの仕事にも共通すると改めて思う。「なるほど!」と気づき「そうだよなー」と共感することがなんと多いこと。
働きながらも少し違和感を持つ人や、美しいものや美味しいものが好きな人、これからの働き方や暮らし方を考えている人など、いろいろな人におすすめできる。
すごい人は、最初からすごかったわけでも、天才だったわけでもきっとない。
自分らしく働き、それを社会に共有することで、誰かが喜んでくれる可能性を信じているのだ。
楽しそうに自分の仕事をしている人たちを見て、元気が出た。
Posted by ブクログ
頼まれにもしないのにする仕事。極めて個人的な事柄に対しての課題や考えが、実は自分だけの問題と到底思えず、もっと多くの人も困っていて他の人とも共有できる予感があり、形にする。それが自分が生み出す仕事。デザインや形とかじゃなくて、最後には人が見えて人が使いやすいか、人に対してどのようにギフトできるか。凄く良い考え方を得た気がする。
Posted by ブクログ
もともとは10年ほど前に書かれたものですが、
むしろ今のタイミングで触れることができたことに、感謝しています。
描かれているのは、やりたいことを仕事にしている人々、と言う程の単純さではなく、
社会とのつながりを求めての"仕事"の模索している人々、と言うと漠然としすぎでしょうか。
- マーケットの売れ行きに応じてデザインしているわけでじゃない。
それを使う人が実際に何を求めているかに、常に関心があります。
- デザインしなければならないのは、モノそのものではなく、
それを通じて得られる経験だ。
同時期に読んだ『パーミッション・マーケティング』でも同じようなことが述べられていて、
こちらも同じく10年前に書かれたものであることを考えると、これもまた先見性なのでしょう。
- デザインという仕事の本質はモノを形作ることよりも、むしろ"提案する"ことの方にある。
ここ数年でも、バリュープロポジションなどの言葉に代表されるような、
本当の意味での「顧客中心」の考え方が広がってきています。
ようやく時代が追い付いてきたのでしょうか、なんて。
- 自己疎外の度合いが強いと、それは仕事というよりただの労働になってしまう。
自身の「仕事」に誇りを持てないと、それはただの作業、労働にしかならないのでしょう。
目的のない労働の積み重ねは、社会に"何を"残していくというのでしょうか。
- 「自分」の切り売りになってしまうような仕事は、すごく辛いこと
その"積み重ね"のままで是とするのも選択肢の一つですが、その中であっても、
社会とのつながりを意識するのであれば、その時点でただの積み重ねではなくなるかと。
- 人間が社会的な生き物である以上、その生涯における「仕事」の重要性は変わることがない
ん、"自身"と"仕事"と"社会"との距離感を考えていく際の指針の一つとできそうな、そんな一冊。
Posted by ブクログ
こうでありたい。と思わせるような働き方をしている人たちの紹介本
・自分が好きなものを作り、少し作りすぎたからどうぞという作り方
・目的のための道具にこだわるのは悪くはないが、突き詰めすぎるとその目的がどこに行ってしまうのかわからなくなる
あたりは心に残りました。
どんな仕事でも変換できるようなテキストだったと思う
Posted by ブクログ
「働き方」について、様々な人(主にデザイナー)へのインタビューを通して筆者の考察が書かれている。
なんというか、インタビューされている人も、筆者の文章も書き口も、雑誌に掲載されている文章のようだった。ぶっちゃけ雑誌の文章って、じっくり読むより、掲載されている写真やレイアウトをもとに、雰囲気を味わうためのもののような気がするので、目が滑ってしまった。
以下、いくつか印象に残った点
1働き方が違うから結果も違う
【八木保 デザイナー】
「完成度の高い仕事には、その働き方の随所に、物事に対する観察力を高め、解像度を上げる工夫があらかじめ含まれている。」
→省略されたインターフェイスは、モノづくりをめぐる前提条件として学習・認識されてしまう。(1995年でもそれだからね。AIで絵描いてると知ったら卒倒するんじゃないか?)
→映画のチラシや雑誌の1ページをコンピュータで完全に模倣せよ、とすると、そのデフォルトから離れたデザインの細部まで気にしなければならない。そこで観察力が上がる。
指し示す言葉の厚みはそれに対する感受性を示す。イヌイットは雪を示す言葉を100種類以上持つという。
【宮田織 デザイナー】
ファシリテート技術。相手の良さを引き出す。
作るべきものが明確でない時代になってる(インタビューは1999年 このころから試行錯誤してるんだな。)
癒しの時代と言われているが、むしろエネルギーが有り余っているのではないか。どのように燃焼させればいいのか分からないエネルギーが存在しているように思える。買い物はエネルギーの燃焼。狩猟のようなものかもしれない。
2他人事の仕事と「自分の仕事」
「大衆から支持されるもの」も、「自分」の感覚が出発点になっている。「自分」がいいと思ったものに深掘りを重ねることで他人の無意識と繋がる層に達する。(中途半端な深掘りはマスターベーションに過ぎないが)
日本の企業組織には、社内の意見は過小評価し、社外からの意見は過大評価する傾向がある。そうした目線を自分自身にもむけていないだろうか。
【甲田幹夫 パン職人】
ダブルバインド(顧客の資産を守りたいとしつつも、本当は利益を追求することが目的の証券会社など、本音と建前に矛盾が有る仕事)ではなく、自分がいいと思ったものをつくる。「いい仕事」とは嘘のない仕事を指すのかもしれない。
【ノーガンレール デザイナー】
つくるなら、永久に使えるものを作りたい。単純に、ゴミを出したくないから。ほんの数年間のために何かを作り出すなんて、考えるのも勿体無いし、そういうことに時間をかけたくない。
そのモノ自身が大事。対象への没入感。木々が一つ一つ違うように、布の素材も、一つ一つ違う。
→デザインのためのデザインでない。自分の身の回りに必要なものをつくる。いろんな仕事を、自分の仕事を、他人に委ねてはいないだろうか。食事や洗濯、旅行、クリーニングなど。自らの仕事を外に出すことは、人生を空洞化させていないだろうか。
3「ワーク・デザイン」の発見
2008年に書かれた本とのことで、10年以上前だが示唆に富んでいる。
働く場がコミュニケーションをつくる。
リモートワークは、カフェでやるには良いが、恒常的に行うと弊害がある。働く側が気を揉みすぎる。
人は意味のないことより意味のあることを選ぶ。自分が意味を見出せることがモチベーションにつながる。
我々は、時間を対価に会社から仕事を買っていないだろうか?本来は、会社に能力を売ることで対価を得るはずなのに。(ジョブ型とメンバーシップ型だろうな。)
文庫版あとがき
ここが一番的を得ている。最後まで通読してきて、モヤモヤした気持ちを言語化してくれた。
読者からの感想→綺麗なところだけ切り抜き過ぎていない?こんなもんでいいでしょ、的な記事を書く人、「駄目」なテレビ番組をつくる人、も、そうせざるを得ない状況(納期や顧客のニーズに迫られ)にあるのだ。それを有名なデザイナーと対比されては、悔しく思う。広告の多い雑誌が駄目で、手作りのコーヒーカップがいいというのは、あまりにも紋切り型ではないか。
作者のそれに対する回答→「それを言われると困ってしまう」という弱い部分に踏み込んだ書き口は、確かにいやらしいと思う。ただ、言いたかったのは、「こんなもんでいい」というような他人を軽んじる働き方は、お互いを傷つけるということ。自己疎外の連鎖が増えていく。仕事の中で自身の気持ちを抑えたりすることは、当然生じることだし、それは人の成熟を示すモノ。でもできれば、自分を生かして生きていくことこそ、労働ではなく仕事だし、できれば殺さないでほしい。ベストを尽くして記事を書いている人を責める気はない。そこは、そのような状況の中でなんとか人間性を出そうとしているのだから。ただ、それを搾取する人間は許せない。
あるいは、都会に固執せず、それを手放してそのゲームから降りることで、人間的なものを取り戻せるのではないか。
書いてある内容はすごくいいと思う。あと、これを本当にすごくいいと思えるかどうかは、価値観の問題だと思う。
全体的な感想として、確かにこんな「オシャレ」な働き方をすれば、そりゃ自分の仕事に満足できるよな、と思う。ただ、筆者があとがきで言うように、こんな働き方を目指すのは、ある意味耳の痛い話だと思う。今働いている人のほとんどは、こんな、自分のスキルをもとに、自分のいいと思っている働き方はできていないと思うし、しようとも思っていないんじゃないかと思う。筆者は、そのような状況の中でも、自分を活かすように足掻けば、「自分の仕事」が取り戻せる、と力説しているし、それは正しいことだとも思う。ただ、個人的には、もうこの時代、「自分の仕事」を得るのは、労働の場に限らないことだとも思う。人生の大半を占めるのが仕事なのだから、その仕事をめいいっぱい自分のものにすると言うのはもっともなことなのだが、そうもいかないのも真実だし、結局その努力は経済成長とか、企業の理念とかに搾取されてしまう。あと個人的には、仕事に対しては、「自分の仕事を取り戻す」とかいう崇高な理念よりも、「如何に理不尽な社会の中で、どれだけ自分の身を守れるか」ということが根底の価値観にあるような気がしている。そんな中では、「自分を出す」と言うのは、仕事に任せるよりも、仕事以外のところに任せたい。幸い、今は仕事以外にも自分を活かせる可能性のある回路が沢山ある。仕事仕事に注力するのではなく、仕事に対しては必要最低限の努力(自分を壊さないためのスキルを活用)をしつつ、それ以外のところで充実を図っていきたい所存である。
Posted by ブクログ
私は普通の会社員ですが、この本を読んで、いい「仕事」をしよう、と思いました。自分の仕事に活かそうと思ったことを以下に記します。
枠や型に囚われない。ツールでできる範囲の決まった型にとらわれず広く自由な発想をもつ
パソコンに向き合う以外の生きた時間を大切にする。つくる前に体験の時間を重視する。そこから生きたアイデアが生まれる。
仕事の質的価値は効率性とは別物。雑務で効率を上げ、「つくる」仕事では生まれた時間をめいいっぱい使って質の高いものを。
早い段階からトライ&エラーを重ね、失敗を重ねることが成功への道筋。
それは自分が本当につくりたいものか、常に問いかけることを忘れない。
細部までこだわりをもつ。
仕事をする環境も大事。自然と触れ合い、自然の美しさを感じる体験をとおして「つくる」ためのアイデアが生まれることもある。
未来よりも今現在の充実、幸せを考える。働くいまこの瞬間に喜びや快感を得られるような働き方をする。
いまの仕事は意味がある仕事か。どんな仕事でも、価値ある仕事、働き方は自分でつくることができる。自分の仕事のオーナーシップは常に自分がもつこと。そして、その仕事を通じて、学び続けること。
自分を満たし、人に感謝される仕事をする。相手が何に喜び、何を望んでいるのか知るために、相手としっかり向き合う。
「労働」ではなく、「仕事」をする。
Posted by ブクログ
・人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを常に探し求めている生き物であると思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には先進バランスを崩してしまう。
・本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。
・仕事の質はその人の在り方にも直結する。
・生産性を上げるということは、そのデザインがファストフード化するということである。
・生きていうことは、いろんな人の仕事ぶりに24時間365日接し続けるということである。そして「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで・・・」という感覚をジワジワと人々に伝えてしまう。
・イメージは最初からあるんじゃなくて、徐々に変化して固まっていくんだよね。その前はごちゃごちゃ。どんなものが出てくるかなんて分からないんだよ。
・一番最初に考えたものが最後まで続くなんてありえないんだよ。
・どのような分野でも技術の進化過程で起きる倒錯現象が起きる。写真ではなくカメラ収集、機能性ではなくデザイン。
・五感の豊かさは人生の豊かさである。
・大切なのは、本当の問題を発見する能力。表面的に目につく問題点は、より根本的な問題が引き起こしている現象の一つに過ぎない。
・他の人の成功事例をマネすることが成功への近道である時代があった。しかし、必ずしも他の人の成功事例をマネすることが、自分の成功を約束するものではなくなったのが今の時代である。
・その人がもっているもの、ちょっとした光っている部分に気がついて、ポッと焦点の合った仕事を与えると、人は必ず成長する。
・たまに付き合っているだけではダメで、つねに横で触れていないと気がつかない。机の上を眺めていても分からないし、綺麗事を言ったところで本心を語ってくれない。いずれにしても、その人が持っている能力に気が付かずにダメにしてしまったら、指導者失格。
・問題を解くのではなく、問題を作るという概念。世の中で一番難しいのは、問題を作ること。
・人は高いエネルギーを内側に抱えている。それは子供や青年だけでなく、高齢者も同じであり、問題はそれをうまく昇華させるチャンネルがないことにある。内在的なエネルギーをよい形で燃焼させている人々は生き生きとしているが、できない人は別の歪んだ形でそれを処理せざるをえず、結果としてきれやすい若者のような現象が生まれるのである。
・小さくて具体的な工夫の積み重ねが、大きな結果につながる。
・好きだけど理由が分からないものいくつか並べてみることで、魅力的な物事に共通するものが見えてくる。
・仕事に矛盾がないことが、しっくりきた。
・「ダブルバインド」子供が愛しているわと声をかけて、冷たい態度をとること。
・教育の現場にいると「感情をおもてに出せない子供たち」が増えている。しかしそれは、私たちが仕事を通じて社会に創り出している、ダブルバインドにあるのではないだろうか。
・自分の仕事を作るためには、仕事に「合わせる」のではなく、仕事を自分に「寄せていく」ことが重要である。仕事の本質はそもそも変わらない。
Posted by ブクログ
ここで登場する人たちがかっこよく見えるのは、そのスタイリッシュさによるものではなく、現在の居場所に至るまでに背負ってきたであろう苦悩とか、すり減らしてきた諸々が垣間見えるからなんだろうなと思った。
仕事観というよりは、大枠としての考え方・生き方として捉えるほうが参考にしやすい。あとがきまで読んでしっくりくるところもある。
Posted by ブクログ
働く意味が分からなくなるとき、仕事に追い込まれている時などに読み返したい本。
小さなプラモデル会社に学ぶ、馬鹿がする仕事
モチベーションリソースに関する考察
経験をデザインするようなプロダクト
Posted by ブクログ
自分の働き方、今後の生き方を考えるよいきっかけになりそう、なったと思う。普段は働きたくないな〜と思ってしまっているけど、働くことを通して社会と繋がっていると思うと、なにか考え方を変えられる気がしてきた。
Posted by ブクログ
そしてさらに、仕事そのものに含まれる意味を醸成しない限 り、人々が生き生きと創造的に働く姿はあり得ないのだ。
他人事ではない、自分の仕事。働くことを通じて「これが自 分です」と示せるような、そんな質をもつ働き方をすることが、 個々の充実ばかりでなく、社会の豊かさにもつながるんじゃないか
自分の内面に生まれる小さな違和感を手がかりに、次 の絵筆を重ねる。仕事はこのくり返しの中で進む。そして自分 の中にもう違和感がないことに気づいた時に、「ん。できた!」 となる。
こころの実感に触れて、その質を感じとる力能を内的感受性 (self sensitivity)と呼んでみる。ものづくりにはこれが欠か せないと書いたが、つくるものが企画書であれ、あるいは接客 にせよどんな仕事においてもこの力は欠かせないものだろう。 それがなかったら、自分の仕事に対する判断は常に外から与え られるものに依存してしまう。
一方、多くの人に喜ばれ・共感される成果を形にしている人 には、自身の実感に触れるこの力能と同時に、もう一つ、この 社会で生きている、他の人々が感じていることを感じる力能。 社会的感受性 (social sensitivity) とでもいうものが具わって いると思う。これは、他者の視線や評価を気にすることではな
い。他者の願いや喜びやつらさを、ともに感じる力だ。
自分が感じている 「なにか」が、単に個人的なものだとしたら、わざわざ人と共有するまでのことはない。
でも自分だけのこととは思えないから、なんらかの形にして、 社会に差し出してみることが出来る。そのとき仕事は、「自 分」の仕事であると同時に、「わたしたち」の仕事になる。
Posted by ブクログ
仕事とはなにかと考えたときに巡り合った本
社会に出れば、大体の人が一日の時間を仕事に費やすことが多くなると思う
仕事に向き不向きもあると思う
ただ、この本を読み自分の仕事に誇り、こだわりを持つことの美学を学べた気がする
どんな事でもやれるところまで、信念を持って突き進みたい、立ち止まったときにまた考えればいいさ
仕事の向き合い方について考え耽りたい人は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
Posted by ブクログ
初めて読んだのだけど、10年以上も前に書かれた「いい仕事」についての現場の記録を通じて、私の中でも心の奥にある言葉にはできなかった大事にしていきたいことが分かったように思う。自分の仕事の本質、目的を失わないように心掛けたいな。仕事中心で自分の位置を決めていたけど、自分を軸に仕事をしていくといいのかな。そんな風になりたいな。いやなるぞ!っという思いで読み終えた。最後のページ稲本氏の解説内にもあったけど、また数ヶ月、数年後再読したいと思います。
Posted by ブクログ
自分の仕事をつくる
つくる/教える/書くの3つを仕事としている、デザイナーであり、自称:働き方研究家の西村佳哲 氏の著書です。
一流と言われる方々へのインタビューを通して、「働き方の違い」「自分の仕事」「ワーク・デザイン」について著者の考えが書かれています。
【本書で学べること・考えること】
- 一流と呼ばれる方々の仕事に対する考え(インタビュー)
- 効率化の功罪
- マネージャーの本当の仕事
- 大企業、規模の経済の功罪
- 働き方を考えるための3つの要素
- この本で書かれていることはきれいごとか?(文庫本あとがき)
読んでみての感想です。
個人的には良書だと思います。
ただし、個人の経験や環境によって評価は割れると思います。
文庫本のあとがきでは、この本に書かれていることはきれいごとなのかという問いに対する著者の考えが書かれています。これは興味深く、刺激的な内容でした。
「効率化は、経済的な効率化のことであり、仕事の質の向上ではない」との前提で効率化の功罪が書かれています。
PCでの作業による、色やフォントサイズの制約などはなるほどと思いました。
仕事の細部にこだわり、品質の向上を目指す人たちの想いを感じました。
「自分の欲しいものをつくる」のが真の「自分の仕事」という位置づけで、現在の日本の規模の経済の対極にいる人々の仕事についても書かれています。
日本の当たり前は、本当に当たり前なのかを考える良い内容だと思います。
そもそも本当にいる?という考え方は私も大事にしたいと思っています。
最後に著者が働き方研究家になるまでのいきさつが書かれています。
基本的に働き方は、空間・マネージメント・仕事の意味により構成されているという考えは、新鮮に感じました。
仕事の意味は自分が行った行為に対するフィードバックで生成されるというのは同意します。
あとがきの部分で「ありがとう」と言われる仕事という言葉がありましたが、ホントにそういう仕事をして生きていきたいなと思いました。
Posted by ブクログ
すべての人が自分の仕事を自分で選べるとも思わないし、すべての人が好きなことを自分の仕事にできるとも思わない。ただ、自分のした仕事に満足する、満足できる仕事をするんだという心がけはできるかもしれない。
「自分を満たす、自分事しての仕事」。言うなれば、当事者意識と満足感がもたらす今自分がここに存在しているという感覚になるんだろうか。それを大事にしたい。
Posted by ブクログ
先日読んだ「千年の読書」というブックガイドから、
気になった本を読んでみた。
専業主婦となってからウン十年。
そんなわたしがなぜこの本のタイトルに惹かれたかは
あまりに個人的なことなので感想には書きませんが- - -
ここに登場し、インタビューを受けた方々は
主にクリエイティブな仕事をされている方ばかり。
なのでこの本を読むことで、今、仕事のことで悩んでたりする人が、その悩みや迷いを解消できるのかというと、そこはちょっと人によるかなー、と思った。
でもそういったクリエイティブな方が紡ぐ言葉は
理解できないこともあるけど、ハッとさせらるものも多々あった。
わたしたちが何か始めようとする時、
すでにあるもの、確立されているものを土台にすることがある。
その方が失敗が少なくて済むから。
だけど、本当に何かを始めたい、作り出したいと願うなら、たくさんのトライアルアンドエラーを繰り返すことこそが大事なんだ、というようなことが書かれていて、
ちょっと目から鱗だった。
出版されてから少し時間が経った本ではあるけど
学びはあった。
Posted by ブクログ
いまを捨てて、自分が気持ちいい方向に向かっていく。
1人だったらしていたかもしれない。
でもできなくて、、搾取の姿勢がない仕事がしたい。
・自分事として徹底的に考えること
・しっかり体験すること
この2つが大事なこともわかっていて。
働き方も、生き方も考えさせられた。
この前、付き合いの長い、いろんな話をしている美容師さんに言われた、「1対1で向かい合える仕事が向いてるんじゃない?」って言葉が、ずっと頭の片隅にある。
し、そういう仕事がいいんじゃないかなとも思っている。
とりあえず、ルヴァンに行こう。
ヨーガンレールは考え方は好きだなと思ったけど、ちょうど出ていた求人を見たら、こんな給料じゃ都心じゃ暮らしていけないなという額で興ざめ。
心地よく生きることはとても大事だけど、給料がよくなきゃ自分たちが扱っているものは買えないし、給料が低いから本物が手に取りづらく、結果本物のよさが実感として分かりづらそう。
いくら仕事が好きだからって、現実問題、都心で暮らすなら、いまの社会の仕組みではお金がないと生きていけないよ。
でもこういう、経済至上主義になってしまう感じが嫌だなあ…ほんとはみんながしたい仕事をして、それでもちゃんと幸せに生きていける世界だったらいいのに。