あらすじ
仕事とはなにか。「いい仕事」はどこから生まれるのか。仕事を「自分の仕事」にするためにはなにが必要か。八木保を、柳宗理を、ヨーガン・レールを、パタゴニア社を、ルヴァンを、象設計集団を、さまざまな「いい仕事」の現場を訪ねた貴重な記録。働き方が多様になってきた時代、迷ったら立ち戻りたい働き方のバイブル。文庫化にあたり10年後のインタビューを2本追加。
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Posted by ブクログ
自分がしたいこと、社会のために貢献できる自分自身の目的、もっとシンプルにいうと、人生の目的。そんなことを考えさせられる本。
お金、家族、社会的地位、会社の文化、人間関係。普段、いろんな外部からの影響を受けて自分は生きている。それが充足感につながることもあれば、しばりにつながることを。そういうしがらみをすべて取っ払って、シンプルに自分はどう生きたいか?それを探求し、そしてその心の声に従って勇気を持って生きていくことが果たしてできるのか、考えてしまう。どんな道を歩みたいか。
・モノづくりと身体感覚
・自分で考えることを考える。
・心臓のチャックを開く。
・あなたには価値があると口で言うのではなく、どれほど真剣に思っているかを態度と行動で体現する。
・いい仕事とは嘘のない仕事
Posted by ブクログ
・人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを常に探し求めている生き物であると思う。そして、それが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には先進バランスを崩してしまう。
・本人の「解像度」の高さが、その人のアウトプットの質を決める。
・仕事の質はその人の在り方にも直結する。
・生産性を上げるということは、そのデザインがファストフード化するということである。
・生きていうことは、いろんな人の仕事ぶりに24時間365日接し続けるということである。そして「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで・・・」という感覚をジワジワと人々に伝えてしまう。
・イメージは最初からあるんじゃなくて、徐々に変化して固まっていくんだよね。その前はごちゃごちゃ。どんなものが出てくるかなんて分からないんだよ。
・一番最初に考えたものが最後まで続くなんてありえないんだよ。
・どのような分野でも技術の進化過程で起きる倒錯現象が起きる。写真ではなくカメラ収集、機能性ではなくデザイン。
・五感の豊かさは人生の豊かさである。
・大切なのは、本当の問題を発見する能力。表面的に目につく問題点は、より根本的な問題が引き起こしている現象の一つに過ぎない。
・他の人の成功事例をマネすることが成功への近道である時代があった。しかし、必ずしも他の人の成功事例をマネすることが、自分の成功を約束するものではなくなったのが今の時代である。
・その人がもっているもの、ちょっとした光っている部分に気がついて、ポッと焦点の合った仕事を与えると、人は必ず成長する。
・たまに付き合っているだけではダメで、つねに横で触れていないと気がつかない。机の上を眺めていても分からないし、綺麗事を言ったところで本心を語ってくれない。いずれにしても、その人が持っている能力に気が付かずにダメにしてしまったら、指導者失格。
・問題を解くのではなく、問題を作るという概念。世の中で一番難しいのは、問題を作ること。
・人は高いエネルギーを内側に抱えている。それは子供や青年だけでなく、高齢者も同じであり、問題はそれをうまく昇華させるチャンネルがないことにある。内在的なエネルギーをよい形で燃焼させている人々は生き生きとしているが、できない人は別の歪んだ形でそれを処理せざるをえず、結果としてきれやすい若者のような現象が生まれるのである。
・小さくて具体的な工夫の積み重ねが、大きな結果につながる。
・好きだけど理由が分からないものいくつか並べてみることで、魅力的な物事に共通するものが見えてくる。
・仕事に矛盾がないことが、しっくりきた。
・「ダブルバインド」子供が愛しているわと声をかけて、冷たい態度をとること。
・教育の現場にいると「感情をおもてに出せない子供たち」が増えている。しかしそれは、私たちが仕事を通じて社会に創り出している、ダブルバインドにあるのではないだろうか。
・自分の仕事を作るためには、仕事に「合わせる」のではなく、仕事を自分に「寄せていく」ことが重要である。仕事の本質はそもそも変わらない。