今道友信のレビュー一覧

  • 西洋哲学史
    西洋哲学の変遷がじつに丁寧に解説されている。出版は古いが、西洋哲学の歴史を全体的に知るのにとっても役立った本。細部は難解なはずだが、とにかくその要点をわかりやすく噛み砕き、かつ高レベルのままコンパクトに読めるということにある意味感動。著者はイタリア思想に造詣が深いようで、日本ではマイナーなイタリア哲...続きを読む
  • エコエティカ
    技術の発達していなかった古代、倫理・哲学の世界は人間の内面世界に限られていた(?)が、技術の発達してきた昨今、精神の内面の倫理に限らず、その技術自体を扱う倫理観まで問われるようになってくる。
    「かわいそうだ、かわいそうだ」と思って目に涙が曇って、注射の目盛りを間違えるというようなことがあれば、かえっ...続きを読む
  • 西洋哲学史
    哲学初学者の私にとっては、平坦な口調で書かれていたので分かりやすかったと思う。繰り返し読みたいと思う。
    それなりにレベルの高い人からすると、物足りないのかもしれない。
  • エコエティカ
    加藤常昭氏の説教セミナーで初めて今道友信氏の名を知り(加藤氏は今道氏を日本最高の知識人として絶賛していた)、それ以来いろいろなところで今道氏の名が目につくようになった。

    購入してからかなり長い間積読になっていたが、ようやく読み終わる。

    今道氏の唱えるエコエティカとは、技術社会である現代における新...続きを読む
  • 西洋哲学史
    とても読みごたえがあった。高校時代に悩みを通して哲学に心惹かれ、カントの乱読から入り、プラトン、レヴィストロース、西田幾多郎と恥ずかしいほどの直感任せで、哲学が何たるかも10年ほど分かっていなかった時も無駄だとは思っていない。世界での異文化経験と宗教世界への没入と、教育分野への従事によって拡がった風...続きを読む
  • 西洋哲学史
     録音した講義を文字に起こした西洋哲学の通史。近世のヒュームまでで全349ページ中278ページを占め、古代と中世に比較的重きが置かれている。

     そのためもあって、近代以降の記述はかなり圧縮されており、難解。逆に、近世までは、分かりやすく面白い。ことに中世について、一般に暗黒時代と言われているが、実...続きを読む
  • 西洋哲学史
    哲学史の講義を文字起こししたもので、口語調で書かれているため読みやすい。しかし、近代以降の哲学史は記述が簡略化されているので、難解な語句や概念がそのままサラッと流れるように述べられるだけで、各哲学者の思想の特徴が理解できなかった。
  • 西洋哲学史
    西洋哲学史の入門書です。著者の講義をもとにしているため、口語調で書かれており読みやすいように感じられます。

    約350ページの分量をもつ本書では、約半分の180ページほどが古代・中世哲学の解説にあてているのが特徴といえるように思います。これにつづく内容は、近世哲学が約100ページ、近代哲学が約50ペ...続きを読む
  • エコエティカ
    著者が提唱する「エコエティカ」(eco-ethica、生圏倫理学)を紹介した本。現代の人間の生活圏は、自然環境や科学技術・医療技術などのさまざまな位相を持っている。それらいっさいを含む「人類の生息圏」を幅広く見渡し、現代の倫理のあり方をさぐることを、エコエティカはめざしている。ただし本書の議論は、エ...続きを読む