怪異怪談研究会のレビュー一覧

  • 怪異怪談探索ハンドブック 誰でもできる!異なる世界の調べ方

    Posted by ブクログ

    怪異や怪談といったものの調べ方を述べたHowTo本。
    内容は著者自身の経験に基づいたものでかなり具体的かつ専門的。民俗学的なフィールドワークのやり方から、文献の調べ方、ネットを利用した調査の方法など多岐に渡り実例を交えて教えてくれる。

    怪異・怪談い題材としては特化しているが、その内容は民俗学をはじめ人文一般に適用可能で学生であれば実用度はかなり高いのではないかと思う。文献調査など小林昌樹の「調べる技術」とも重なる部分はあるけれど、フィールドワークなどそれとは異なるアプローチも多く併読推奨な感じ。

    0
    2025年12月08日
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか

    Posted by ブクログ

    ミステリとホラーは同じ腹から産まれた兄弟なので、相性良いよな〜と思ってたので。近代文学から1930年代のミステリ、京極堂から特殊設定ミステリまでの歴史がさらえて有難い。

    『現代ミステリとは何か』と一緒に読むと面白いかも。

    0
    2025年05月05日
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか

    Posted by ブクログ

    怪異をモチーフにしたミステリについての評論集。怪異もミステリも大好き。よってここで取り上げられている作品も大好きなものが多いので、楽しいったら。なるほどそういうところも考察すると面白いのね。
    いくつかミステリのネタについて触れられているものがあるけれど、だいたい読んでいるので問題はないかな……。「大東京四谷怪談」と「大いなる幻影」は読みたいぞ。

    0
    2024年10月14日
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか

    Posted by ブクログ

    怪異怪談研究会監修による、「怪異」と「ミステリ」の関係についての論文集。(良く判らんのだが、こういう書籍で発表される文章は論文といって良いのだろうか?なんと呼ぶのが適当なのか?)
    3章構成でざっくりいうと1章は歌舞伎から乱歩登場まで、2章が久作や横溝、海野十三といった変格探偵もの全盛期、3章が京極夏彦や綾辻行人、小野不由美ら現代の作品といった感じ。個人的には2章に収録されたものが一番興味深く、特に脇坂健介による久生十蘭の死亡通知を扱ったものは、空襲で行方知れずになった人間の法的扱いなど今まで意識したことのない問題が取り上げられていて感心することしきりであった。

    0
    2023年02月20日
  • 怪異と遊ぶ

    Posted by ブクログ

    「怪異」と「遊び」をテーマにした論文集。
    内容は様々で何れも面白く読めたが、特に怪談を語る人に注目した「怪談師の時代」、ネットで流布してる「『意味が分かると怖い話』とは何か」の2編に興味を惹かれた。後者については語られる内容ではなく、語られる場、文脈を共有する物語としての集合として「話群」という概念から切り込んでいくのが面白いなぁと。

    0
    2022年06月08日
  • 怪異と遊ぶ

    Posted by ブクログ

    「怪異」と「遊び」というテーマで、領域横断的に論考を集めることによって、私たち人間が、自分自身を喪失することに恐怖を感じながらも、どこかでそれを希求し、それに魅せられる存在であることが浮かび上がってくる。
    怪異怪談研究会のこの論考集のシリーズは『怪異を歩く』『怪異とは誰か』『怪異を魅せる』などすでにいくつか出版されているが、『怪異を歩く』が都市・地域文化論的な視点から「怪異」を浮かび上がらせ、『怪異とは誰か』『怪異を魅せる』が、文学的なアプローチから表象としての「怪異」に迫ろうとしているのに対し、本書から見えてくるのは自己やアイデンティティといったものと「怪異」との関わりだ。
    本書の説明に「怪

    0
    2022年05月18日
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか

    Posted by ブクログ

    「遭遇」「交差」「融合」と銘打った3部立てで、合理的解明が主眼であるミステリと、怪異という非合理的存在を容認する怪談/ホラー、相反すると考えられてきたこの両者が、近現代の日本文学の中でどのように捉えられ、語られ、時に互いを取り込み、変容してきたかが論じられている
    ……なんて小難しいこと言わずとも、題材に採られてあるのはこのジャンルを好む人なら一度は読んでいる有名作ばかりなので、頭を少々捻りつつも愉しめるのではないかと。

    ところで、乱歩が「交霊術」に懐疑的(というよりトリックであるという否定派)だった(第1部第4章)というのは面白い(霊魂の存在自体は否定してはない模様)。そういえば乱歩作品にス

    0
    2023年03月01日