怪異怪談研究会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
怪異怪談研究会監修による、「怪異」と「ミステリ」の関係についての論文集。(良く判らんのだが、こういう書籍で発表される文章は論文といって良いのだろうか?なんと呼ぶのが適当なのか?)
3章構成でざっくりいうと1章は歌舞伎から乱歩登場まで、2章が久作や横溝、海野十三といった変格探偵もの全盛期、3章が京極夏彦や綾辻行人、小野不由美ら現代の作品といった感じ。個人的には2章に収録されたものが一番興味深く、特に脇坂健介による久生十蘭の死亡通知を扱ったものは、空襲で行方知れずになった人間の法的扱いなど今まで意識したことのない問題が取り上げられていて感心することしきりであった。 -
Posted by ブクログ
「怪異」と「遊び」というテーマで、領域横断的に論考を集めることによって、私たち人間が、自分自身を喪失することに恐怖を感じながらも、どこかでそれを希求し、それに魅せられる存在であることが浮かび上がってくる。
怪異怪談研究会のこの論考集のシリーズは『怪異を歩く』『怪異とは誰か』『怪異を魅せる』などすでにいくつか出版されているが、『怪異を歩く』が都市・地域文化論的な視点から「怪異」を浮かび上がらせ、『怪異とは誰か』『怪異を魅せる』が、文学的なアプローチから表象としての「怪異」に迫ろうとしているのに対し、本書から見えてくるのは自己やアイデンティティといったものと「怪異」との関わりだ。
本書の説明に「怪 -
Posted by ブクログ
「遭遇」「交差」「融合」と銘打った3部立てで、合理的解明が主眼であるミステリと、怪異という非合理的存在を容認する怪談/ホラー、相反すると考えられてきたこの両者が、近現代の日本文学の中でどのように捉えられ、語られ、時に互いを取り込み、変容してきたかが論じられている
……なんて小難しいこと言わずとも、題材に採られてあるのはこのジャンルを好む人なら一度は読んでいる有名作ばかりなので、頭を少々捻りつつも愉しめるのではないかと。
ところで、乱歩が「交霊術」に懐疑的(というよりトリックであるという否定派)だった(第1部第4章)というのは面白い(霊魂の存在自体は否定してはない模様)。そういえば乱歩作品にス