上田二郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レビュー一番乗りを目指した訳では無いけど、読み始めたら最後まで一気に読みました。とても面白く参考になりました。税務署の大変さも良く伝わってきました。
本当に些細なことから脱税を暴いていくトクチョウの調査官。スリリングでドラマを見ているような展開。脱税者との攻防。税務署のシークレット部隊の特別調査部門の実力が良くわかりました。
震災の復興のために税金が上がって大変だけど、みんなで負担しなければならない。一部の脱税者のために不公平があってはならないと思う。税務署の人をそんな目で見たことは無かったけど、公平を守るために働いてくれているんだなと感じた。
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Posted by ブクログ
東京国税局のマルサ経験者である著者が、守秘義務とのギリギリの兼ね合いの中で、脱税事件に係る5つの査察事案について忠実に再現。著者のデビュー戦であるフィリピンパブでの事案、「原発から流れ出るカネ」が絡む事案、「悪さをする約束手形」が絡む事案、FXとタックス・ヘイブンが絡む事案、「口座売買屋の暗躍」が絡む事案が取り上げられている。
守秘義務の壁があり、あまり内実が知られていないマルサの実態について、査察官同士の会話の再現など、かなり臨場感あふれる形で描かれていて、なかなか面白かった。マルサのまさに職人ともいえる仕事ぶりを垣間見ることができた。 -
Posted by ブクログ
元マルサ勤務の税理士上田先生の最新作。往生際の悪い脱税弁護士や前任の先生から仕事を引き継いだ際ののれん代を架空人件費で偽造していた司法書士、無申告のデリヘル業者、去勢代の売上を抜いて愛人に貢いでいた獣医師。すべて実体験に基づくもので、事実は小説より奇なりといった感じ。また上田先生の文章は読者を引き込みますね。前作マルサの視界でも感じました。本当に文才があります。
P35 会場は盛況だった。余裕のあるスペースに、さながら瀬戸内の島々のように、西洋美術品が配置されていた。招待客は島々の間を豪華客船でクルーズしているかのように、優雅にそしてきらびやかに、商品を確認して回っている。ゆっくりと、まるで美