高橋誠之助のレビュー一覧
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◆幸之助を選んだ理由は、はっきりしていた。幸之助の条件が、誰よりも一番悪く、厳しいものだったからである。<だからこそ、人からもろうた人生ではなく、自分自身で人生を作っていくことができるんや>むめのは若い頃に奉公した船場の商家の女主人の言葉を思い出していた。あんな人みたいになりたい。だからこそ、自分もその言葉を貫いてみたい。そう思っていたのである
◆むめのは、相手に尽くす生き方を母こまつに教わる。人生で一番うれしいことは、相手に喜んでもらうこと。それが、むめのが学んだ教えだった
◆<運針はたしかにスピードの勝負になる。でも、その初めは、誰でも針の穴に糸を通すことから始まる。まずは、静の一点で -
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松下幸之助の奥さんである松下むめのさんを中心に、
松下夫妻と松下の創業期について書かれた本。
女性視点で書かれているので、生活感・人間感のある本で、
松下幸之助の経営者としての側面以外の面を見る際に参考になる。
もっと言えば、経営者(創業者)とその奥さん、経営・仕事と家庭という視点、
人間を育てることと経営というような視点で読むと、
一つの参考になる本だと思う。
ちなみに、著者の高橋さんという人は、松下の執事として働いていた人で、
松下夫妻の家庭内でのサポートを一生を通じてやり続けた人で、
そういう意味では、松下夫妻を一番リアルに良く知る人物と言える。
この本は、一部フィクションだが、基本 -
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日本の電機業界さらには製造業を代表する企業、パナソニック。
会社について、そして創業者である松下幸之助については、関連する書籍が多く出版されているということは知っていましたが、これまではあまり、接してきませんでした。
この企業のことを勉強したいなと思っていたところ、「創業者の妻」を主人公としたテレビドラマが放映されたと知りました。
まずは読みやすいものから取りかかるのが良いかなと思い、原作本であるこの本を読んでみることにしました。
主人公は松下幸之助の妻、松下むめの。
19世紀の末の明治の世に生まれ、大正四年に幸之助と結婚。
結婚当初はサラリーマンだった夫が、会社を立ち上げると言いだします。
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便所の掃除も同様だった。きれいにしておかなかったなら不細工な子供が生まれる、と聞いて、みんなで一生懸命に掃除をした。
「できません、ではいけません。私はよういたしません、と言って教えを請うようにしないと」
「ええか、人生は誰かからもらうもんやない。自分で切り開くもんや。人からもろたもんは、すぐになくなってしまう。自分で手に入れたもんは、簡単には失わん。その心構えをもっときや」
「苦労、いうのは、心の持ちようで感ずるものや。ものがない、お金がないというのは、苦労やなくて、難儀や。常に希望があったら、苦労になんかならへん。」
いつしか二人は朝夕、工場の入り口に立って出迎えだけでなく、見送り