クォン・ナミのレビュー一覧
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数多くの日本の小説を韓国語に翻訳してきたクォン・ナミさんのエッセイ
以前読んだ小川糸のエッセイでこの人の話が出てきていたから、「ああー!あの時の!」と驚きました。笑
翻訳の仕事のシステムの話や必要なスキルなど、その職業ならではの話が面白かった!
1冊訳すのに半月、買い切り制の報酬契約、タイトルの訳は出版社のマーケターが決めるから原題と意味が異なっていても翻訳家は口出しできない、などなど…
特に原題の話が印象的で、そう思うとこの本のタイトルも原題のままなのかな?と疑問に思いました
本書の中に翻訳は1人だからこそ楽しいと受け取れる部分はなかったし…
ほんわかした娘さんとのエピソードにもほっこり -
Posted by ブクログ
作家と翻訳家の蜜月の関係はノーベル文学賞を獲った川端康成でも語られている。
韓国では2007年に日本文学ブームがあったという。現在は下火だとも。
日本では、韓国社会の変化による韓国文学の影響があったと考えられ、現在は定期的に日本で韓国文学の出版がある。
今年2024年ノーベル文学賞をハン・ガンが受賞したことで、一段と韓国出版界が盛り上がることも期待している。
翻訳家という仕事の『使命感』とは何だろう。
収入面では赤裸々に語られていた。
韓国では「稼げること」が生きる第一目的のような風潮があり、そのための生活、学業、就職が、それが幸せになる唯一のことのようにレール敷かれている。
だけれど、当 -
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韓国の翻訳家である권남희さんのエッセー(번역에 살고 죽고)。남희さんは日本語の本を韓国語に翻訳する翻訳家である。なんと300冊以上の日本の本を翻訳されているという。翻訳だけでなく楽しいエッセーも書かれている。作者の「ひとりだから楽しい仕事」を先に読んだ。それで、この本を読んだので、あれ?前にこのエピソードは読んだような?と思ってしまった。もちろん、お話は面白いので二度読んでも楽しめた。同じ話ばかりではなく、「ひとりだか…」の書かれる前の頃の話があるので興味深かった。それと、日本語を韓国語に訳すときの「解釈」と「翻訳」の違いをハングルを使って例示してくれている。自分の韓国語の能力では微妙な差の
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Posted by ブクログ
韓国の翻訳家である권남희さんのエッセー(혼자여서 좋은 직업)。남희さんは日本語の本を韓国語に翻訳する翻訳家である。なんと300冊以上の日本の本を翻訳されているという。翻訳だけでなく楽しいエッセーも書かれている。この本も読んでいて楽しかった。もちろん女手で一人でお嬢さんを育て上げ、沢山の日本の本を翻訳されたスーパーウーマンのように思うけど、エッセーを読んでみると決してそれだけではなく、陰ひなたなく継続的に翻訳できるように営業活動もされていたことも分かる。定期的に収入がある職業ではないため、また作家のように印税も入ってこないから、明日の生活の糧は毎日翻訳することであった。本当に、翻訳がお好きなん
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Posted by ブクログ
「日本の小説を翻訳する韓国人が書いたエッセーが日本語に訳されたもの」という本書の紹介に興味を惹かれて手に取った。
翻訳にあたっての編集者とのやり取りは興味深く、また、娘とのやり取りや生活の様子などは極々自然で、このエッセーの舞台が韓国であることを忘れてしまう。
国が違えども、真摯に仕事に取り組む想いや、娘への想いは同じ。著者の人柄がとてもよく伝わり、韓国で絶大な人気を博しているのにも頷ける。
原文が韓国語で書かれていることを忘れてしまうほど翻訳が自然。だからこそ、韓国で起こっていることにも関わらず親近感が増すのだと思う。
著者もこんなふうに日本の小説を訳してくれているんだろうなと思