あらすじ
村上春樹、三浦しをん、小川糸など日本文学の韓国語翻訳を手がける著者が、自身の翻訳家人生をユーモアたっぷりに綴るエッセイ集。
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Posted by ブクログ
翻訳作業というものがどのように行われているのかが気になったのと、ほぼ1人作業をする方はどのように日常と仕事を切り分けているのか知りたくて手に取った本。軽いタッチですらすら読めて、へ〜と思うことも多かったが、1番衝撃だったのは柳美里さんの出自。次は柳さんの作品を読みたいと思った。
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大学で韓国語を勉強してた時に、翻訳家になりたいと思った時があった。
今もたまに韓国語に関わる仕事をしたいと思う時もあるがこの本で翻訳家のお仕事がどういうものか、
知ることができた。
奥が深いな。
Posted by ブクログ
翻訳家である著者を本作で初めて知りました。
娘さんとの何てことない日常も、翻訳家だからこそのエピソードも、微笑ましくて楽しい。
読んでいてホッする文章で、著者に親近感を感じてしまう。
そして、気づかずに通りすぎてしまいそうなくらい、然り気なく心に残る言葉があちこちこちにありました。
翻訳時に原題のタイトルを変えるエピソードは衝撃的で、タイトル変更の裏側に触れ、自身の認識違いを知った。
昔、ハリー・ポッターシリーズの訳者・松岡佑子さんが原書を読んで「是非日本の人にこの作品を届けたい!」と、自身が翻訳出版を手掛けたエピソードに感動したことがある。
クォン・ナミさんも同じような熱意に突き動かされた体験をお持ちで、強い思いと意志を感じました。
「本」を通して、日本と海外の人たちの橋渡しをする。
そして、海を越えて同じ作品が読まれ、楽しみや感動が共有されていく──。
なんて素敵な職業なんだろう……。
自分が良いと思った作品を、自らの手で世に広められるなんて夢みたい。
読んでいて感じたのは、著者が本当に翻訳の仕事が好きだということ。
羨ましくなります。
翻訳家の仕事に憧れがあるので、エッセイを読めて嬉しかった。
『できることが少ないぶん、あれこれ手を出さず、ひとつに絞って才能を伸ばしていくという長所もある。』
『大きなお金を稼ぐのは難しいけれど、経験が本となって積み重なっていく、素敵な仕事』
『人生は本当にどこで何が起こるかわからない。最後の最後まであきらめてはいけないのだ。』
Posted by ブクログ
日本文学を韓国語に翻訳してる翻訳家さんのエッセイ
エッセイ普段読まないし、外国文学にもなかなか手を出さないし、韓国文学は読んだことないかもだけど、
なんとなく手に取ってみたらおもしろかった
飾らない語り口で年代も職業も違うのになんか親近感持てて、さくさく読めた
せっかくだから翻訳されたの読みたいけど韓国語が読めない…こまった
Posted by ブクログ
韓国で日本の小説を30年間で300冊以上翻訳された翻訳家のクォン・ナミさんのエッセイ。
本にまつわるお仕事は大好きで興味津々なので、翻訳の裏話や翻訳家さんの生活を読めるのはとっても楽しかったです。
韓国からみた日本の様子や思いもリアルでストレートで、そういうことを知ることができるのも楽しい。
こうして韓国語で書かれた本を私たちが読めるようにしてくださるたくさんの日本の翻訳家さんたちにも感謝です。
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韓国で最も有名な日本文学翻訳者クォン・ナミさんのエッセイ。
この人が翻訳した本なら間違いなく面白いって思える翻訳家さんは何人かいるけど、韓国でそう思われている人物だそう。
翻訳の仕事の事、編集者との事や翻訳した本、以前出版したエッセイについて等。
特に娘さんとのやり取りがいい。
軽快でユーモア溢れる文章でとても面白かった。
この本に出てきた『翻訳に生きて死んで』も読みたい。
Posted by ブクログ
飾らず、軽やかで、とても素敵なエッセイでした。日本の本を30年で300冊以上翻訳してきた翻訳家のクォン・ナミさん。今回はご本人のエッセイを藤田麗子さんが訳されて出版、というのも面白い。
きっとこれまで大変な苦労もあったのだろうけど、翻訳の仕事が好きで、いつまでも続けていきたいと言ってしまえる強さが素敵だなぁ。度々登場する娘さんのエピソードも微笑ましいし、愛犬のナムとのお話にもジーンときました。時には日本の小説に対する辛辣な意見もあったりして、正直で面白い。他のエッセイも読んでみたい!
Posted by ブクログ
エッセイが好きでよく読みます。
韓国の方がこんなにも日本の本を読まれている事を初めて知りました。
言葉は違えど、同じ本を読んで良いなって思える価値観は一緒なんだなと思うと、何だか嬉しい気持ちになります。
Posted by ブクログ
韓国の日本文学翻訳家によるエッセイという聞くだけでときめいてしまう本だった。
肩の力が抜けた文章で読んでいて心地よく、家から出たくない運動したくない電話したくないの筆者の気持ちにとても共感し、素敵なキャラクターの娘さんが微笑ましく、終始やわらかで穏やかで、そして嬉しい気持ちにさせてくれる本。
日本文学の翻訳エピソードは外から日本を見る体験でとても新鮮だった。小川糸さんのハンコの話で泣きそうになった。
この人の他のエッセイも邦訳されたらいいのにな。
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翻訳家のあるあるや日常、娘さんとの距離感や仲の良さなどありのまま自然体なスタイルがホッとさせてくれる。そうよねと思わず深く肯く。そしてユーモラスな文章も楽しい。
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隣人が書いているエッセイ感に溢れている。
良い意味で、まったく違和感が無い。
逆に、それだけに韓国の現在は感じにくいのかもしれない。むろん、それは悪いことではないが。
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"もちろん孤独だ。孤独だが、気楽だ。気楽だけど、後ろめたい。 こんな生き方をしていてもいいのだろうか? 眠りにつく前に自問自答してみるが、朝になって陽が昇ればまた、後ろめたくて気楽な孤独を選んでいる。"(p.176)
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数多くの日本の小説を韓国語に翻訳してきたクォン・ナミさんのエッセイ
以前読んだ小川糸のエッセイでこの人の話が出てきていたから、「ああー!あの時の!」と驚きました。笑
翻訳の仕事のシステムの話や必要なスキルなど、その職業ならではの話が面白かった!
1冊訳すのに半月、買い切り制の報酬契約、タイトルの訳は出版社のマーケターが決めるから原題と意味が異なっていても翻訳家は口出しできない、などなど…
特に原題の話が印象的で、そう思うとこの本のタイトルも原題のままなのかな?と疑問に思いました
本書の中に翻訳は1人だからこそ楽しいと受け取れる部分はなかったし…
ほんわかした娘さんとのエピソードにもほっこりでした
Posted by ブクログ
作家と翻訳家の蜜月の関係はノーベル文学賞を獲った川端康成でも語られている。
韓国では2007年に日本文学ブームがあったという。現在は下火だとも。
日本では、韓国社会の変化による韓国文学の影響があったと考えられ、現在は定期的に日本で韓国文学の出版がある。
今年2024年ノーベル文学賞をハン・ガンが受賞したことで、一段と韓国出版界が盛り上がることも期待している。
翻訳家という仕事の『使命感』とは何だろう。
収入面では赤裸々に語られていた。
韓国では「稼げること」が生きる第一目的のような風潮があり、そのための生活、学業、就職が、それが幸せになる唯一のことのようにレール敷かれている。
だけれど、当然歪みも出る。
何のためにその仕事をしているのか、ということを考えたり気付かされたりもする本だと思う。
韓国ではこの本は、どのように受け取られているのだろうか。本国での感想も気になる。
翻訳家になりたいという質問に対しての回答
『(p121)いちばんうれしいのは、いい作品のオファーが入ってきたとき。やりがいを感じるのは、母が翻訳家であることを娠が誇らしく思ってくれるとき。翻訳家になるには原書をサッと一冊読み切ることができるぐらいの外国語能力が必要だ。翻訳家になるために大切なのは、たくさん読んで、たくさん書くこと。翻訳家を夢見る人たちに伝えたいのは、大きなお金を稼ぐのは難しいけれど、経験が本となって積み重なっていく、素敵な仕事だということです。 ように保存しておこうと思いつつ、何度も同じことを書いている。
いちばんうれしいのは、いい作品のオファーが入ってきたとき。やりがいを感じるのは、母が翻訳家であることを娠が誇らしく思ってくれるとき。翻訳家になるには原書をサッと一冊読み切ることができるぐらいの外国語能力が必要だ。翻訳家になるために大切なのは、たくさん読んで、たくさん書くこと。翻訳家を夢見る人たちに伝えたいのは、大きなお金を稼ぐのは難しいけれど、経験が本となって積み重なっていく、素敵な仕事だということです。』
Posted by ブクログ
30.韓国の書店に行くと沢山の日本の作品が翻訳されている事に嬉しくなる
「韓国を代表する日本文学の翻訳家が、韓国語でエッセイを書き日本語に翻訳された本」
面白い設定だと感じて手に取った一冊
とても読みやすく、娘さんとのエピソードなどの日常もほのぼのと拝読
韓国文学を日本語で読む身としては翻訳家の力があってこそ読ませてもらえる
同じ気持ちで韓国の方々が日本文学を楽しんでくださっていると思うと、クォン・ナミさんをはじめ翻訳家の方々へ感謝の思い
今後も両国の作品達を、素晴らしい翻訳家さんのお力で互いの国の読者に届けてもらえたらうれしい
Posted by ブクログ
クォンナミさん、嫌だなって思うくらい生々しい人間だと思った。推しから返事が無ければファン心が冷めたと言い、ラジオでおばさん呼ばわりされれば出版社を通してクレームを入れる、所謂「普通のおばさん」だ。
最初の方は「何だこの人」と思いながら読んでいたのに、1冊読み終わる頃にはまるでクォンナミさんの親戚にでもなったような親近感を覚える。是非、他の訳本も読んでみたいと思った。
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韓国の翻訳家である권남희さんのエッセー(혼자여서 좋은 직업)。남희さんは日本語の本を韓国語に翻訳する翻訳家である。なんと300冊以上の日本の本を翻訳されているという。翻訳だけでなく楽しいエッセーも書かれている。この本も読んでいて楽しかった。もちろん女手で一人でお嬢さんを育て上げ、沢山の日本の本を翻訳されたスーパーウーマンのように思うけど、エッセーを読んでみると決してそれだけではなく、陰ひなたなく継続的に翻訳できるように営業活動もされていたことも分かる。定期的に収入がある職業ではないため、また作家のように印税も入ってこないから、明日の生活の糧は毎日翻訳することであった。本当に、翻訳がお好きなんだなと感じた。
Posted by ブクログ
「日本の小説を翻訳する韓国人が書いたエッセーが日本語に訳されたもの」という本書の紹介に興味を惹かれて手に取った。
翻訳にあたっての編集者とのやり取りは興味深く、また、娘とのやり取りや生活の様子などは極々自然で、このエッセーの舞台が韓国であることを忘れてしまう。
国が違えども、真摯に仕事に取り組む想いや、娘への想いは同じ。著者の人柄がとてもよく伝わり、韓国で絶大な人気を博しているのにも頷ける。
原文が韓国語で書かれていることを忘れてしまうほど翻訳が自然。だからこそ、韓国で起こっていることにも関わらず親近感が増すのだと思う。
著者もこんなふうに日本の小説を訳してくれているんだろうなと思った。